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『ザ・シガーライフ』発刊記念・特別鼎談 広見 護 氏 × 中村 孝則 氏 × 太田 進

ラグジュアリーでも、カジュアルでも葉巻にはそれぞれの楽しみ方がある

【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月18日(金)
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豪華絢爛な時空間にも
Tシャツに麦わら帽子にも葉巻は似合う
 
太田 私たち3人の共通体験として、1999 年のドミニカのツアーがありますね。
 
中村 ダビドフとブルーベルの主催で、シガーの認知を広めるためのプレストリップが行なわれたのですよね。22人のメディア関係者と作家の方々が参加しました。
 
 日本におけるシガーマーケットを考えたとき、あのプレストリップは非常に大きな役割を果たしたと思います。情報を伝える側の私たちが、シガー文化を俯瞰することができた。産地を見ることで、シガーの根底の部分を体感させてもらいました。
 
広見 ドミニカでおそらくナンバーワンのリゾート、カサ・デ・カンポのバンガローに泊まってクルーザーやゴルフ、乗馬、射撃など、参加者は思い思いに楽しみたいことを楽しみましたね。本当にカサ・デ・カンポには何でもあります。いわゆるラグジュアリーライフのさまざまな形を提示して、そのすべてをシガーで串刺しにする。そんなツアーだったのです。シガーとラグジュアリーな生活はイコールなのだということを、参加者全員が身をもって体験しました。
 
 その一方で、葉巻を作っている産地はカリブのラテンの土地であるという側面を感じることもできました。Tシャツに麦わら帽子というスタイルで、トロピカルカクテルを飲みながらカジュアルに葉巻を楽しむ地元の人たちの姿が印象的でした。
 
中村 ラグジュアリーとカジュアルの両方の楽しみ方があるのが、シガーの魅力の一つだと思います。それはワインとも共通した要素ですよね。都会のレストランでラグジュアリーに楽しむワインもあれば、産地の風土から生まれた料理とともに楽しむワインもある。シガーも農産物ですから、産地の農産物、地元のラム酒や料理、さらにその土地の音楽やライフスタイルに合わせて楽しむ方が、むしろ自然だったりします。
 
最高の状態で葉巻を提供するべき
バーテンダーにとってのテキストにもなる
 
太田 日本のホテルのバーテンダーは、シガーの管理やメンテナンスについて、まだまだ勉強が足りないと感じています。最高の状態で葉巻を出せる環境を整えておかなければ、葉巻をよく知っているお客さまが訪れたとき、信頼を失ってしまう可能性もあります。
 
 ホテルがクオリティーの低い形で葉巻を扱っていたら、やがて日本のシガー文化の衰退にまでつながってしまうでしょう。管理やメンテナンス、提供方法はとても大事な要素だと思います。そのためのテキストとしても、『ザ・シガーライフ』は役に立つと思います。
 
広見 『ザ・シガーライフ』は素人の方々から玄人の方々まで、幅広いニーズに応えることのできる葉巻の専門書です。葉巻に興味を持っていただく入り口にもなりますし、葉巻の世界をさらに深く知っていただくこともできる、すべての方に捧げる本となっています。バーカウンターの片隅や、ホテルのロビーにある大理石の柱に洋書とともに置いて、葉巻の似合う空間の演出に使っていただくこともできるでしょう。
 
中村 若い世代にシガー文化を伝える形を考えたとき、ファッション側からのアプローチは有効な方法の一つと言えるでしょう。テーラーメイドのスーツやジャケットを着こなし、葉巻をファッションの一部として嗜たしなむ。ダンディなライフスタイルを若い世代に訴求することで、新しい文化の波を創り出すことができるはずです。若い人たちの憧あこがれの対象となるシーンの一部に、シガーを配置する方向性を追求するべきです。
 
 また、父の日や恋人のバースデーに『ザ・シガーライフ』にシガーを一本添えて贈れば、相手の男性はどきっとすると思います。「自分も葉巻を嗜んでみてもいいのかな」と、豊かな気持ちになってもらえるでしょう。ぜひ、プレゼントとしても使ってみてください。

広見
Mamoru Hiromi
ヒロミエンタープライズ㈱代表取締役社長。1967年東京生まれ。マキシム・ド・パリ㈱メートル・ドテル、ブルーベル・ジャパン㈱シガー部市場開発マネージャーを経て、2003 年独立。シガーの輸入販売を行なう。08 年直営シガーショップ&バー『THECIGAR MUSEUM + 道灌山BAR』をオープン。10 年ニカラグアのトップ・ブランド「パドロン」の日本正規総代理店となる。
 
中村 孝則
Takanori Nakamura
コラムニスト。1964 年神奈川・葉山生まれ。ファッションやカルチャー、グルメ、旅やホテル、ワイン&リカーなど、ラグジュアリーライフをテーマに新聞や雑誌、テレビで活動中。クリエイティブディレクター&コピーライターとして、数多くのブランドの広告制作にも携わっている。「渋谷金王道場」指導剣士で剣道教士七段。「大日本茶道学会」茶道教授。「世界ベストレストラン50」日本評議委員長。

(取材協力)アンダーズ東京 ルーフトップバー
東京都港区虎ノ門1-23-4 アンダーズ東京52 階
☎ 03-6830-7739 [WEB]www.andarztokyo.jp
営業時間17:00 ~ 24:00 /金土17:00 ~ 25:00
虎ノ門ヒルズの最上階にあり、セミオープンのテラスからは東京湾やお台場など東京の夜景が見渡せる。テラス席は喫煙席となっており、シガーを楽しむこともできる。バーの奥には本格的なすしを提供する「the SUSHI」を併設。

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