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2021年6月11日号 トップインタビュー (株)ケイクール 代表取締役社長 リュミエールグループ オーナーシェフ 唐渡 泰 氏

トップインタビュー (株)ケイクール 代表取締役社長 リュミエールグループ オーナーシェフ 唐渡 泰 氏

【月刊HOTERES 2021年06月号】
2021年06月09日(水)
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「会社のために働くな」個々の成長が会社の成長につながる

----人材の指導・育成はどのように行なわれていらっしゃいますか。
「これを覚えろ」と指導するよりも、スタッフ自身が「お客さまに満足してもらうために、こうありたい、これをやらなければいけない」と自ら考えられる環境を大切にしています。その一環で新入社員には全員に、まず目標シートを記入してもらいます。そして、「10 年後店を持ちたい」「シェフになりたい」とか、それぞれが目標を叶えるために今日何をするかを考えてもらう。最初の1 年目はこれ、2 年目はこれと、より具体的な目標を立てるのです。私は、「会社のためになんか働くな」とよく言うのですが、個々が自分のスキルアップ、将来のために働くことが会社の成長にもつながりますし、お客さまにとっても心地いい空間づくりにつながると考えています。

----マニュアルも作られていないとか。

マニュアルがあると安心して人は考えなくなるからです。例えば、料理を運ぶときに「お待たせしました」と言いなさいというマニュアルがあるとします。そうすると、10 分後に出しても40 分後に出しても「お待たせしました」ですよね。しかし本当に「お待たせして申し訳ない」という気持ちがあれば、自然と違う言葉が出ると思いますし、そうなるべきだと思います。

社員の共通認識を作るために、ルールはあります。
新しい店舗を開業した際は、私自身も現場に立ち、スタッフとどんどん新しいルールを作ります。ゼロから新しいものを作るときにはいろんなトラブルや発見があるので、それを会社全体の向上にもつなげます。

そしてルールは固定せず、日々進化します。例えば先日、ブーランジェリーで商品の入れ忘れがありました。会計後にお客さまが「あれもちょうだい」と追加されたため、入れ忘れてしまったと。その後すぐにルールを改定して、追加でもなんでも、購入された商品は一度全部トレイに載せて、「こちらでよろしいでしょうか」とお見せしてから袋に入れましょうと。放っておくとまた同じことが勃発しますから、事故をチャンスととらえ、そういったトラブルやルール改定は全店舗のスタッフにすぐに発信しています。

それと重要なのはクレームを大騒ぎするだけではなく、お客さまからお褒めいただいた言葉など、良いニュースはすべて全員で共有します。良いことが起こる楽しい場所には、クレームなど起こらなくなります。
 
 ----ルールの改定はどのように徹底されているのですか。

弊社には全店共通のLINE グループがあり、ルール改定はLINE で随時発信して、リアルタイムで追加・修正していっています。LINE は社内SNS 的に使っており、店舗ごと、社員のみ、原価管理のグループもあります。そこに各店舗責任者が週替わりメニューをアップして問題ないか確認を取ったり、使っている野菜の仕入れ価格まで掲載して、安くていい素材の情報を共有したりもしています。一方で危機管理対策の場にもなっており、例えば退勤時にガスの元栓を最終チェックした人が、調理場の写真を撮ってLINE に送るというルールもあります。

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