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2021年6月25日号 トップインタビュー (株)東急ホテルズ 代表取締役社長 村井 淳 氏

トップインタビュー (株)東急ホテルズ 代表取締役社長 村井 淳 氏

【月刊HOTERES 2021年06月号】
2021年06月24日(木)
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withコロナという制約のある時代だからこそ前向きにチャレンジする

----コロナ禍、いまだ収束の兆しが見えない中での社長就任となりました。

観光業界自体が経験したことのない危機に瀕し、いまだに出口が見えない。非常に難しいタイミングで経営のかじ取りを任されました。会社をどう支えて、変えていくのかを考えるのが私の役割です。2020年、弊社創業 60周年の節目の年に、創業以来の最大の赤字となってしまいました。19年と比較すると各ホテル施設の稼働は半減。客室の平均稼働率は約 30%と落ち込みました。さらに、密を避けるお客さまのマインドにより宴会も回復の兆しが見えません。
 
  これまで弊社はリーマンショック、東日本大震災による経営危機に直面しつつも、これらを乗り越えてきました。過去の経営危機から学んだことも多い。苦しい時代だからこそ、やりがいを見出せることもあると考え、着任後には「お客さまに向き合い、お迎えする体制を」とアソシエイツ(従業員)に方針を示しました。感染対策のガイドライン(安全基準)もしっかり見直して対応した結果、最近は「ホテルは安全だから」というお客さまの期待も感じています。
  
  昨年は休館や休業期間もあり、お客さまとの接点すら満足につくれず、アソシエイツにとっては、ガマンの 1年間でしたが、まずはアソシエイツの不安を取り除くべく、次のステップに進む意志と安全・安心を提供しつつ始動していくことを発信しました。 

----中でも地方都市や都市型リゾートが好調とうかがいました。

密を避ける意味での優位性から、地方都市の店舗や都市型リゾート施設の需要が高まりました。当社もチェーンとしてのネットワークを生かして、昨夏以降は想定していた以上の稼働につながりました。今年のゴールデンウィークも、沖縄地区の店舗、首都圏近郊の横浜や伊豆などの宿泊稼働は好調でした。特に伊豆エリアは交通の利便性を高めるMaasの取り組み、伊豆急とのコラボレーションなど、グループのネットワークの力もあったと思います。ホテルチェーンというと画一的なサービス内容と思われがちですが、私どもはネットワークの中で各店舗の個性を生かした商品づくりを進めています。
 
  最近は、お客さまの旅行への欲求が高まっていると同時に、生活様式の大きな変化も感じます。ホテルで充実した仕事をする傾向も高まっており、ワーケーションやリモートワークなど働き方や場所といった多様なニーズにも対応しています。都市近郊のベッドタウンにある店舗やオフィス街周辺の店舗では、グループのシェアオフィス事業(New Work)とのコラボレーションなどで、サテライトオフィス機能を展開しています。
  
  密を避ける生活様式において、冠婚葬祭の在り方も大きく変わりました。地方と地方を多拠点でつないでの冠婚葬祭の企画を考え、チャレンジを始めました。例えば、20年秋に販売開始したリモートウエディングプラン「つなぐ婚」は、各地の東急ホテルの宴会場をリモート会場にすえて、オンラインでつなぎ、新郎新婦が選んだ料理と同じメニューを同時にお召し上がりいただける商品です。「食の東急ホテルズ」ならではのニューノーマルのおもてなしだと思います。また、東急(株)との連携でお別れの会を「ラヴィエール事業(輝ける人生)」と称して、新たに事業化しています。ゲストが一つの会場に集中しないオペレーションのほか、企業主催だけでなく、個人の方においても、新たなライフイベントとして充実したセレモニーを提案していく考えです。
   
    ホテルビジネスでは、お客さまの人生の中でどれだけ接点を持てるか、いかに長いお付き合いができるかが基本です。冠婚葬祭すべてにわたり、そのニーズの変化を的確にキャッチして具体化できるか、そこに柔軟な発想が求められているのだと思います。

 

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