ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 2021年7月16日号 トップインタビュー (株)ホテルマネージメントジャパン 代表取締役 荒木 潤一 氏
2021年7月16日号 トップインタビュー (株)ホテルマネージメントジャパン 代表取締役 荒木 潤一 氏

トップインタビュー (株)ホテルマネージメントジャパン 代表取締役 荒木 潤一 氏

【月刊HOTERES 2021年07月号】
2021年07月15日(木)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

神戸旧居留地にあった「オリエンタルホテル」の地域に於けるその存在価値と精神を受け継ぐ 

----始めに立ち上げられた新チェーンブランド「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」のブランドコンセプトなどお聞かせください。

新ブランド「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」は運営する国内グループホテルの内、オリエンタルホテル、オリエンタルスイーツ、ホテルオリエンタルエクスプレスを含む全15施設をチェーンブランド化したものです。ブランドコンセプトは、“ホテルそのものが独自性のある体験価値の提供”と、“エリアを巻き込んだ独自性あるデスティネーションとなること”です。地域にはまだ世に知られていないスポットや観光体験、観光資源が隠れており、ホテルがその地域の文化や魅力を「掘り起こす」「活かす」「創造する」ことで、すばらしい体験価値に進化させ、ホテルのみならず地域の活性化につなげていくことを基軸に展開していきます。チェーンブランドの前身である神戸の「旧オリエンタルホテル」は明治期・1870年に港町・神戸にできた日本初の西洋型ホテルです。当時はホテルが街とともに海外文化を全国に広めるという役割を担い、神戸発の西洋スタイルが全国に拡がっていきました。
 
 「旧オリエンタルホテル」では、ホテルの本来の役割である人が集まる場所として、西洋文化を通じ発見や感動を与え、人々に愛されてきました。神戸とともに在り、その発展に寄与してきたと考えています。私たちはこの「旧オリエンタルホテル」の街に於ける存在価値を継承していきたいと考えています。同ホテルは1995年の阪神淡路大震災で倒壊してしまいましたが、同年に“海と船に親しめる新しいウォーターフロントホテルの創造”をコンセプトにターミナル機能だけではなく、人々が集まる複合的な施設として地域の開発、活性化を目的に建設が進められ、神戸港中央突堤に、現在の神戸メリケンパークオリエンタルホテルが誕生し、その精神は継承されています。更に地域とともに歩み続けたオリエンタルホテルの在り方を、受け継ぎ全国に展開していきたいという思いから「オリエンタルホテル」という看板をチェーンブランド名称に刻み込んだのです。 

 

−−−−ホテルの役割の一つとして、お客さまをお迎えする地域の玄関口として、お客さまの体感価値創造に寄与していきます。多くの従業員やお取引先とのネットワーク、顧客など、客室だけでなく宴会場やレストランまで備える複合施設として、場所と機能とネットワークを持つホテルはもっと地域とともに魅力を創造することが出来るのではないかと考えています。

そのためには単なる宿泊するための施設や宴会場など複合施設として箱貸しする施設という立ち位置に留まること無く、自らも集客に一役買う施設としての魅力を持つべきだと考えます。観光地関連需要に紐づく施設に留まれば、地域からみれば存在価値の薄い不要なホテルとなってしまい、それは同時に顧客からみても魅力のないホテルと映り、価格競争のレッドオーシャンから抜け出せないでしょう。

昨今のホテルオペレーターは効率化という観点で、限られた短い時間の中で変化を余儀なくされています。私たちも同様に、日々変化と進化をオペレーションに取り込む努力を続けています。しかしそれらは短期的収益上昇には効果的ですが、どのオペレーターも同じく取り組んでいる事であり差別化には至りません。私たちは中長期的な成長をドライブさせる要素こそ、今必要だと考えています。それが本来あるべきホテルの姿、私たちが考える地域と一体となり魅力を創造していくホテルなのです。
 
 今後のマーケットは外国人も日本人も関係なくニーズはより多様化し、真に魅力あるものを求めるようになります。私たちの販売する商品全てに対して、経験値も増し、趣向性も多様化した顧客が高いレベルを求めるようになります。満足していただくためにはより生み出す商品、つまりプロダクトアウトにこだわる必要があると考えます。それには顧客満足を引き上げるためにニーズに答える、という考え方では足りず、ニーズを超えた発見と感動を生む価値創造を目指さなければならないと考えます。

また、その価値をホテル単体で生み出せれば良いのですが、エリアを巻き込み、ホテルが持つネットワークとその知恵の集積で臨むことで顧客の満足をより引き出せるのではと考えます。またその過程で地域の隠れた魅力も引き出す事ができます。この考え方はオーナーも従業員も地域も顧客も全てのステークホルダーにWIN・WINの関係をもたらします。私たちは関東から沖縄まで多様なブランドと多様な形態のホテルを展開するマルチブランドオペレータとして、経験とノウハウを持ち、2000名を超える従業員を雇用しています。中長期視点で戦略を構築できる組織構造を持つからこそ可能な戦略だと考えています。

----「オキナワマリオットリゾート&スパ」 リブランドはどのような経緯ですか。

2005年の開業以来、沖縄地区の海外ホテルブランドの先駆けとして国内外の多くのお客さまにご利用いただきましたが、フランチャイズ契約終了を機に、このエリアに於ける魅力創造のためにより良い選択と考え、オリエンタルホテルにリブランドする事を選択しました。2022年初頭から、プールやロビーなどイメージを一新する改装を順次予定しています。


 

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2024年04月15日号
2024年04月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 2024年日本のホテルチェーングループ一覧〈前編〉
【TOP RUNNER】
リージェントホテル香港 マネージング・ダイレクター ミシェル…

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE