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インタビュー 夏目幸明 氏 

ホテル企業が優秀な人材を獲得するためにいま何をなすべきか

【月刊HOTERES 2015年10月号】
2015年10月02日(金)
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企業から積極的に会社の理念や夢を学生に伝えることが重要
 

優秀な人材確保を担う採用活動は、企業にとって生命線の一つ。しかし、一部の人気ホテル企業を除き、多くのホテルや旅館では苦戦を強いられているのが実状ではないだろうか。政府の標榜する「観光立国日本」を見据えたとき、主要産業の一つと位置づけられるホテル業。この重要な業界の未来を担う有能な人材を確保するため、いま何をなすべきかを考える新連載が本誌でスタートする。その筆者は学生向けの就職活動の講師としても活躍する企業ジャーナリスト、夏目幸明氏。連載に先駆け、同氏に学生の就活環境や意識、企業の採用の現状について伺った。


企業ジャーナリスト 夏目幸明氏

企業と学生の双方にミスマッチが発生
 
❏初めに夏目さんが学生の就職活動にかかわるようになった経緯について教えてください。
 
 大学卒業後、広告代理店に就職したのですが、そのころ頻繁にOB 訪問を受けていました。たまたま、母校の近くに住んでいたこともあり、毎日のように何人もの学生が私の家をたずねて来ては車座になって相談を始めるのです。それが話題となり、資格の「学校TAC」で講師を務めることになりました。当初は、広告代理店をはじめマスコミ業界を専門にしていましたが、いまでは幅広い業界への就活をサポートしています。加えて、明治学院大学からも講師のオファーがあり、現在は幅広い業界に向けた就職活動に関する講義も受け持っています。そのほか就職・転職情報誌などに寄稿したり、就活シーズンになると、私自身のネットワークから協力者、卒業生などを集めて2 週間に一度、就職相談会なども実施しています。
 
❏ホテル企業の採用活動でどのようなことが重要だと考えていますか。
 
 過去においてホテル業は、人気業種として多くの学生たちが門戸をたたいた時期もありました。しかし、近年は仕事内容や将来性などの情報を得る機会が少なく、加えて労働環境や待遇面でのマイナスイメージが先行してしまっていることから就職先の選択肢にあがってこないなど苦戦されているようです。
 
 こうした背景の中でホテル企業が採用活動を成功するには二つのポイントがあります。一つは実態としてよい会社になること。そしてもう一つは会社のよさをしっかり学生に伝えることです。私から見て優良企業がたくさんあるのに充分な情報が届いていないがために一般的に知られている有名企業しか学生の視野に入らないのが残念です。
 
❏学生への指導についてはどのようなことをされているのですか。
 
 何をもって自分が幸せと感じるのかを見つけることを指導しています。そのために、まず何が得意なのか、何をしているときが楽しいのかを過去の経験の中から導き出します。例えば「壁新聞をつくっているときが楽しくそれが受けたときがうれしかった」とか、「洋服が好きで既製服を買ってきて少しだけ手を加えて自分だけの服をつくるのが楽しい」といったことなど。特別な経験でなくても楽しかったことが、その人の生きる道だったり、才能だったりするのです。それを授業で発表させていくと、その過程で他人との違いに気づいていく。こうしたことを通じて、自分がどんなところで働きたいのかを幅を広げて考えていけるようになるのです。
 
 就職活動は自分に最適な場所を見つけることです。一流企業だけが素晴らしいのではなく、本人の適性や性格に合った仕事や職場があるはずです。それを見出すことが大切で、後は自分自身をどのように企業側にプレゼンテーションしていくかだけです。

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