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2022年2月18日号 トップインタビュー (株)関門海 代表取締役社長 山口 久美子 氏

トップインタビュー (株)関門海 代表取締役社長 山口 久美子 氏

【月刊HOTERES 2022年02月号】
2022年02月17日(木)
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----まずは御社にとってのコロナ禍についてお聞かせください。

 弊社も他の飲食店同様に、店舗に関しては打撃を受けました。特に冬場は宴会需要も多い業態なので、コロナ禍だけでなく、新たな生活様式が根付いた今後について不安に思う気持ちもあります。ただ、おかげさまでシーズンの到来と共にお客さまが戻ってきてくださっており、すこしホッとした気持ちで、この年末年始は過ごすことができました。ちなみに弊社ではコロナが話題になりはじめた早い段階で、通販事業の強化を始め、これがコロナ禍を大きく支えてくれました。
 
弊社は大阪府松原市にセントラルキッチンを持っているのですが、このキッチンが創業当時に全国数千店展開を見据えて作った工場のため、とにかく広くて、正直なところコロナ前は店舗で提供するものを調理するのが主でしたから、持て余していたくらいです。水槽や急速冷凍機があったりと、簡単に移転できない事情もあり。それがコロナになり、通販や外販に力を入れようとなった際に、すぐに動ける体制作りに役立ちました。
 
 特にコロナ禍に参加した農林水産省が国産水産物活用のために起ち上げた「元気いただきますプロジェクト」では、助成金をいただいて出荷が滞っている全国のふぐ産地からふぐを購入したのですが、その際には、多くの産地のみなさまから“コロナ禍のふぐ産地を関門海さんが救ってくれた”とおっしゃっていただいたほど、本当に大量に購入しました。それを元に何度もフェアを打ったのですが、それができたのは大きな工場があったからです。それを機に、なべやてっさ、唐揚げなど、ふぐセットの製造加工工場としてフル活用すべく、方向転換しました。
 
 その時期には休業した店舗の職人さんたちに松原に集合して仕事をしてもらいました。そのためには受注が必要ですから、とにかく営業せねばと日々、トップセールスにいそしんでいました。おかげさまで、たくさんの仕事をいただくことができました。この体制は今現在もキープしており、ありがたいことに受注もどんどん増えています。ちなみに通販と外販については、現時点で既に本年度の予算も達成を見込んでおり、2022年度はより力を入れていきたいと考えています。
 
 ちなみに助成金事業としては昨夏、国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業の一環として、天然まふぐを初めて使用した「ふぐの【女王】バーガー」の販売も実施しました。一部店舗で既に販売していた、とらふぐを使った「ふぐの【王様】バーガー」に続く商品で、まふぐに合うソースの開発にも力を入れました。ハンバーガーは外食の中でもテイクアウト比率が高いことに加え、夏場でも気軽に食べられることから、弊社が課題としていた“夏場のパワーコンテンツ”開発としての挑戦でもありました。
  
また、フグバーガーを通じて、若年層が初めて「ふぐ」を食べることで、新たなふぐ業界の活路と消費拡大につながることを期待した側面もあります。その際に、とらふぐの皮から抽出した高純度のコラーゲンに、マンゴー、桃、そしてオレンジの味をつけたドリンクもセットで販売したのですが、この商品のおかげで美や健康に意識の高い女性市場に向けてもふぐの魅力を訴求できたのではないかと感じています。現在弊社のテイクアウト・デリバリー比率は売り上げの約 5%を占めるのですが、今後 10%まで拡大したいと考えており、マーケティングの上でも非常に有用な取り組みでした。 

 

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