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県内外の料理人や料理評論家ら約40人が山梨に集結。 山梨のオリジナル料理を披露するスペシャルセレモニーが4/21甲州市内で開催

2022年04月22日(金)
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山梨県内の飲食店・宿泊施設29店舗が参加する「2022やまなし美食ウィーク」(4月28日~5月15日開催)に先立ち、県内で活躍するシェフとソムリエ8名で構成される「やまなし美食コンソーシアム」と県がオリジナル料理を披露するスペシャルセレモニー「はじまりの食卓」が、4月21日に甲州市内で開かれた。セレモニーには県内外の料理人や料理評論家ら約40人が山梨に集い、シェフらが考案した特別メニューに舌鼓を打った。
 


4月21日に開催されたスペシャルセレモニー「はじまりの食卓」は、県内の料理店・宿泊施設が県産食材を活用した特別メニューを創作・提供することにより、山梨の“食”の魅力を県内外に広くPRするスペシャル企画である。同イベントは甲州市勝沼町下岩崎の「レストランテ 風」で開かれ、主催者として渡辺和彦副知事らも出席した。招待を受けた県内外の料理人や料理評論家らには、シェフやソムリエの8名で構成された、この日だけの特別なメンバーが考案した7品のフルコースが振る舞われ、アワビの煮貝や大塚ニンジン、県産のイチゴなどを使った創作料理を味わった。
シェフらが考案した7品のオリジナルメニューは、6種のアミューズ・3品のアントレ・魚料理・お肉料理・デザートのフルコースとなっている。メニューは以下の通りである。
 
 
~アミューズ~
 
「鹿節と猪美人」 イノシシとテットドフロマージュ 鹿節 担当:豊島雅也 /「八ヶ岳湧水マスとクレソン醤油のお寿司」 スライスした鱒 シャリ クレソン醤油 担当:岩沢尚也


 
「天然山菜のミニタルト」 大豆ピュレ 自家製醤油 パウダー 山菜 担当:鈴木信作 / 富士川本諸子三色筏焼き」 木の芽味噌 蕗味噌 赤味噌 担当:天野洋喜 / 「ふじさん牧場ワインラムのローストと山梨フルーツ」 リンゴのコンポート 葡萄セミドライ 自家製リコッタチーズ 担当:山田真治 /「大塚人参のスパイスカルツォーネレモンクリームチーズ」 セモリナ粉と全粒粉の生地 大塚人参のピュレ レモンクリームチーズ ミモレットチーズ 担当:堀内浩平
 
 
ペアリングには、オールマイティーに対応してくれる中央葡萄酒・グレイス・トラディショナル・ブリュット・プラン・ド・プラン2013が合わせられた。山梨の食材、猪、仔羊、鱒、モロコ、数々の野菜と水、それぞれに併せ持つ旨味、ミネラル感。プラン・ド・ブランの心地よい酸味とミネラル、泡のクリーミーさ、酵母からオートリースした旨味が、山梨の食刺しに相乗効果を生み、それぞれを楽しませてくれる。
 
 
~アントレ~

 
「鮑の煮貝と葉牛蒡の色々」 担当:天野洋喜


 
葉牛蒡の根の部分は、半分は鮑の煮汁と合わせてすり潰す。半分は玄米衣で揚げて塩梅で味付け。茎の部分は三杯酢茎と根の部分できんぴらごぼう、上にエゴマをかける牛蒡の葉は掻敷。
ペアリングには、勝沼醸造・アルガブランカ・ヴィニャル・イセハラ マグナム2014が合わせられた。鮑、昆布の旨味や肝からの仄かな苦み、玄米衣とエゴマの香ばしさがこの前菜の味わいのポイント。こちらにはイセハラ2014の熟成による柔らかくなり始めた酸味と伊勢原圃場のテロワールが持つ凛としたミネラル感。甲州の個性である優しい苦みがこの料理の旨味とよく合い、甘味を増幅させてくれる。
 
 
「中村農場甲斐路シャモと小松菜のショーフロワ」 担当:山田真治

 

甲斐路シャモのササミは、低温で火を通す。甲斐路シャモリエットと白レバーのパテ。小松菜のピュレをゼラチンで固めて流す。梶原農場の野菜。佐藤農園のエディフルフラワー。
ペアリングには、旭洋酒・ソレイユ・千野甲州 2020を。甲斐路シャモとそのリエット、白レバーの濃厚な味わいと塩味に、ハーバルさを残した小松菜のジュレ。付け合わせの優しい甘苦さを感じる春野菜。こちらには、やや標高の高い塩山千野地区の畑からもたらされる、豊かな酸が骨格となり、同じく豊かな果実味のある甲州から、樽発酵、樽熟成のこのワインのリッチな味わいが、甲斐路シャモの味わいに負けない旨味とうまくペアリングする。
 
 
「真薯の薄葛椀」 担当:岩澤尚也


 
山芋、小柱を生身で寄せ、筍、塩漬の蕗、木耳合わせ真薯にする。薄葛を引いた出汁と天盛りに青身を添える。
ペアリングには、甲斐ワイナリー・かざま甲州やや甘口 2021。山芋、筍、風味付けの塩漬けの蕗の薹、キクラゲ等の滋味深い仄かな苦みを伴う春野菜の旨味と、小柱、魚のすり身からの甘旨味、昆布出汁、カツオ出汁からの旨味があいまって、美味しいお椀の逸品となっている。出汁や魚介から来る旨味や春野菜を使用したお椀には、この旨味をさらに美味しく感じる甲州、低めのアルコール度、穏やかな酸味、優しい甘味を備えたこのやや甘口甲州が合う。
 

 
~魚料理~

 
「八ヶ岳湧水岩魚の桜蒸しファーム稲葉 山羊ミルクソース」 担当:鈴木信作



岩魚フィレを桜の葉で巻いて蒸す。岩魚のヒュメポワと山羊ミルクでソースを。仕上げに岩魚卵と木の芽オイル。
ペアリングには、中央葡萄酒・三澤甲州 2020を。八ヶ岳の地下水から生まれるミネラル豊かで、軟水の湧き水で育てられた上品な味わいの岩魚に、春を感じさせる桜のアロマ、そして県産山羊ミルクとそのチーズからのミルキーでクリーミー、酸味がバランスよく仕上がったこの料理には、同じエリアのテロワールを感じる三澤甲州が合う。フレッシュ感を残しながらも甲州には珍しい乳酸発酵による丸いエレガントな酸味、クリーミーさと微かに感じる樽香味と苦味、そして甲州の優しいアルコール度。料理、ワインお互いの繊細さが旨味を引き出し相乗効果を生み出す。
 

~お肉料理~
 
「2週間熟成鹿のパイ包み スプリング」 担当:豊島雅也
 


鹿肉の中に自家製蕗味噌を入れてロースト。県産赤ワインのソースに白樺の樹液を煮詰めて加える。
ペアリングには、丸藤葡萄酒・ルバイヤート・プティヴェルド 2018。熟成した県産鹿肉の鉄分を感じる旨味とスパイス風味、パイ生地の香ばしさ、メルローやマスカットベーリーA、プティヴェルドの県産赤ワインを使用し、メイプルシロップのような白樺の樹液を加えた優しい甘味と複雑さのあるソース。付け合わせのクレソンには県産バルサミコを使用して、甘酸っぱさとバルサミックな味わいに。リッチな味わいのこの料理には、凝縮感ある果実味と樽による熟成感と香ばしさ、複雑さ、仄かなメイラード反応によるバルサミックな印象。それぞれが素晴らしく均整のとれたワインがぴったりである。
 
 
~デザート~
 
「クレープで巻いたローズゼラニウムのパルフェ よつぼしとホワイトチョコレート」 担当:堀内浩平


 
山梨県産苺のフレッシュとコンフィチュール苺セック。
ペアリングには、山梨銘醸・七賢・Alain Ducasse Sparkling Sakeを。熟した苺の果実味と丸い酸味、クリーミーなシャンティとホワイトチョコレート、コンフィチュール苺セックの優しい甘味。上品な味わいのこのデザートには、「白州の清らかな水と調和した酒造り」を理念とした七賢のスパークリングサケの、熟れたサクランボを思わせる果実香、日本酒本来が持ち、樽熟成からも感じられる仄かな苦み、やわらかい酸味、加えられた貴醸酒からの甘みや泡からのクリーミーさ、そして余韻に残る白州の伏流水からの凛としたミネラル感。この素晴らしいバランスが、苺デザートの果実味や甘味、クリーミーさに素敵なペアリングを奏でる。口中での甘みに仄かな苦みが加わり、何層にもボリューム感を生み楽しめる。
 
 
以上がスペシャルセレモニーのメニューである。葡萄酒などの山梨名酒と料理とのペアリングで振る舞われる、珠玉のコースであった。
 

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