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第9回 Golden Keys 黄金の鍵 ~ Hospitality の世界から~

第9回 24時間以内のレスポンス

【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月27日(金)
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増えるスマートフォンからのアクセス
 
 先日、ロンドンより一時帰国していた友人のコンシェルジュとも話したトピックがある。
「かしこまりました。お調べし、メッセージをお残しします」と言って、出掛けるゲストをロビーで見送る。その後、ひと昔前では、メッセージをキーボックスに入れて、ゲストの帰りを待つ。それが今や、カードキーの導入に伴い、メッセージもランプやボイスメールに、さらに最近は、ゲストのスマートフォンへの電話やメールを経由し、返答する形を求められる。空間的、場所的なバリアから解放された気軽な環境が、リクエストや問い合わせの増加に拍車をかけている。しかし、その反面で、予約を入れた時点からメールでやり取りがスタートし、ホテルをチェックアウトするまで、一度も顔を合わせず、声も聞けず、ゲストが出発してしまうという現象も残念ながら、最近では生まれているのも事実だ。
 
時代の流れに弛まぬ挑戦を
 
 加えて、最近では、宿泊中のゲストも、チャット感覚で“すぐ”の手配をメールで入れてくることが増えている。そこはメール。受け側が見るまでの時間差がある。でもゲストはお構いなし。対面をしながら、カウンターでメール対応をしているコンシェルジュは、メールボックスを頻繁に見ていなければならない環境に否応なしに追い込まれる。このような経緯も含め、最近では、コンシェルジュに入るメールだけの専門担当コンシェルジュの採用を始めたホテルもあるほどだ。
 
 ひと昔前のホテル業界は、まずは電話、テレックス、そしてファックス、そして近年、インターネット時代を迎えた。当初はコンシェルジュは必要なくなるのではと言われたときもあったが、今や、かえって複雑な状況や環境の中に投げ込まれている。コミュニケーションツールは世の中の時流に沿って、業務や組織をも変革させてきた。いつの時代も、コンシェルジュ業務は新しいものへの努力と挑戦である。

東出 江津子
(ひがしで・えつこ)
Etsuko Higashide
〈プロフィール〉ザ・キャピトルホテル東急 エグゼクティブコンシェルジュ。レ・クレドール ジャパン 前会長。明治大学卒業後、センチュリーハイアットリージェンシーに入社。宿泊部業務全般とアシスタントマネージャー業務を経験後、本格的にコンシェルジュとしてスタート。その後、メリディアングランパシフィック、フォーシーズンズホテル丸の内東京、ホテルニューグランドでシェフ(チーフ)コンシェルジュ(管理職)の経験を重ね、15 年7 月よりザ・キャピトルホテル東急に移り、現職に。1990 年、レ・クレドール インターナショナルより指導を受け、レ・クレドール ジャパンの創設のための勉強会を東京で主催。1992 年よりレ・クレドール会員。

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