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第9-1 ,2回 リック・増田の語学だけじゃない、押さえておきたいお国柄と食文化 

第9-1 ,2回 タイ、シンガポール

【月刊HOTERES 2016年02月号】
2016年02月12日(金)
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インバウンドが急速に増すなか、日本人のみならず外国人にも高度なおもてなしを提供する体制を整えることが急務となっている。しかしながら、自国以外の文化や習慣などは認知がされておらず、語学面で整っていたとしても、ゲストと接するための一歩が踏み出せていないのが現状である。本連載では諸外国のお国柄をはじめ、それぞれの国のビジネスマナー、食習慣などにフォーカスし紹介する。

第9-1 回タイ
〈国民性〉
宗教は国民の95%以上が仏教徒で、言語はタイ語(公用語)。
 人口約6000 万人、面積約51 万4000㎢(日本の約1.4 倍)。民族構成はタイ族約85%、中華系10%、他モーン・クメール系、マレー系、ラオス系、インド系、山岳部に少数民族。
 
〈接待・贈り物〉
タイ人へのビジネスディナーの招待は、その妻も招待する。
 食事に招待されたときは、花・お菓子・果物等のお土産を持っていく。カーネーションやマリーゴールドはお葬式の花なので避ける。ビジネスディナーではお皿は空にせず、少し残すのがマナー。
 
〈挨拶・ジェスチャー〉
精霊が宿るとされている頭を触ることは相手が子どもであってもタブー。
 国王はタイ国民から非常に愛され尊敬されており、冗談でも国王・王室に関する軽はずみな言動は慎む。
 感謝や謝罪をする際は、ひじを軽く体につけ頭や胸の前で指先を揃えながら両手を合わせる「ワイ」と呼ばれる合掌を行なう。
 
〈タイ料理と好む日本食〉
“辛い”と思われがちなタイ料理だが、その味の中には“酸味”や“甘み”などが加わり、独特の美味しさを作り出している。
 
 世界三大スープの一つに数えられるトムヤムクン、豚や鶏など具やスパイスの種類も豊富なカレー、あっさり味からこってり味まで楽しめる麺類など、タイの料理にはたくさんの種類がある。
 
 タイ料理は地域によって異なり、北部では脂が多めながらもマイルドな味。ゲーン・ハンレー(ミャンマー風ポークカレー)やサイウア(ハーブソーセージ)などが代表的なもので、丸いお膳にいろいろな料理を載せて取り分けるカントークも有名。
 
 東北部は辛味と塩味が強い味。ソムタム(青パパイヤのサラダ)やラープ(ひき肉サラダ)、ガイヤーン(鶏炭火焼き)は、もち米とともに食べ蒸し暑い中でも食欲をそそる。
 
 海に囲まれた南部は、豊富な魚介類が特徴。生臭さを消すため、ターメリックなどのスパイスを使った辛い料理。ゲーン・タイプラー(魚の内臓を使ったカレー)やゲーン・マサマン(スパイシーなイエローカレー)、カーオ・ヤム(ライスサラダ)などが代表的。
 
 中央部はそのすべての料理の影響を受けながら比較的マイルドで甘みのある味で、細長いうるち米と食べるのが一般的である。
 
 タイのカレーはインドカレーのようなカレー粉を使わず、多種多彩の唐辛子をベースにえび味噌(カピ)やナンプラー、こぶみかんなどインドでは使われない調味料やハーブを用いて、独特のカレーをつくりあげている。日本でおなじみのレッドカレーやグリーンカレー、イエローカレーは基本的にカレーペーストを炒め、ココナッツミルクを使う汁気の多さが特徴で、「ゲーン・クアー」と呼ばれている。
 
 魚と野菜を主な材料に、ココナッツミルクを使わず唐辛子やエシャロットなどをつぶしてスープに入れ、タマリンドで酸味を出すカレーは、「ゲーン・ソム」といい、一般家庭でよく食べられるカレーである。
 
 タイでは以前からインスタントラーメンや各種調味料などを中心に、日本ブランドの加工食品が数多く流通しており、特に菓子類は「味・風味の良さ」「魅力的なパッケージ」などから大変人気があり、定番のナショナルブランドから各地方のローカルブランドまで幅広く店頭に並んでいる。
 
 一般のタイ人が刺身・鮨を受け入れるようになってから久しくなるが、今では鮮魚以外に日本産の水産加工品なども好まれるようになっている。また、中国産食品への不信の高まりなどを背景に、日本産の生鮮食品がここ2 年ほどで急増している。
 
 特に好む日本食としては、すき焼きや中国系の富裕層が好む伝統的な刺身や鮨など(特にマグロ)は日本でも高価であるのにも関わらず、新鮮な旬の時期に食べられるということでファッションではなくステータスになっている。 富裕層のタイ人(中国系も含む)の個人旅行客としての消費者が、最近特に高価な旬の日本食を求めて日本中どこでも旅行している姿が目立つ。

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