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第211 回 北村剛史 新しい視点 「ホテルの価値」向上理論 〜ホテルのシステム思考〜 

第211 回 『ホテル運営戦略立案とホテル鑑定評価』

【月刊HOTERES 2016年03月号】
2016年03月18日(金)
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北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI( 米国不動産鑑定士 )
MRICS(英国王室認定チャータードサーベイヤーズ)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事

 万一、現状収支が悪化しているホテルであっても、運営次第で潜在的収益力の向上が見込まれるような場合には、その実現化に伴うリスクを考慮しつつも、収益性の向上およびその結果である潜在的価値をも関連させた上で市場価値が生じます。つまりどのような状況にあるホテルであっても、収益改善余地がある場合には揺るぎなきポテンシャルバリューがあるのです。ホテルの価値を見据え、ポテンシャルバリューを把握しようとする視点は、例えば収益性が悪化しており、どのように改善すれば良いか分からないような場合において、特に効果的な運営指針の一つとなります。
 
 まず、ホテルの鑑定評価とはどのような手続きを経て行なわれるのかについて整理してみます。ホテルの鑑定評価では、以下の3 手法を原則的には併用します。一つは対象ホテルを新たに開発し建築することを想定した場合に見込まれる再調達および再建築費用から試算価格を求める原価法です。また、類似ホテルの実際の取引事例が入手でき適切に比較できる場合には当該事例との比較において試算価格を求める取引事例比較法も採用します。そして今回、特に着目する収益還元法という手法の3 手法を併用し最終的な評価額を決定します。収益還元法では、収支実績を参考データとし、将来にわたって通常見込まれると考えられる将来収支を想定し、その結果得られる純収益を現在価値に還元(※)することで収益価格を求めます(※将来価値と現在価値では、時間の差が経済コストを通して価値の差となります。例えば将来の100万円と今の100 万円とでは、少なくとも利息相当分の価値の違いが生じますので、現在価値>将来価値となります)。

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