右側より順に、フランス研修の第1 期生である岩崎剛氏、マダムソフィ、第2 期生の穴澤沙織さん、シェフ・パスカル、第3 期生の佐藤翔太氏
海外シェフを招聘したコラボレーションは枚挙に暇がないが、料理やワインのクオリティはもとより、企業の人財力の強さが浮き彫りになるケースは稀だ。
㈱うかい(東京都八王子市、大工原正伸社長)は2 月3 日と4 日、グループ店舗のグリル料理「GRILLUKAI MARUNOUCHI」(東京・丸の内)でフランス・ペリゴールの老舗オーベルジュ「エスプラナード」とのスペシャルディナーを開催した。
この催しは同社と懇意な間柄であるパスカル・ブーランシェフが来日し、かの地のテロワール香る良質なメニューでゲストをもてなすもの。ペリゴールの特産である黒トリュフを用いたスープに始まり、冷製フォアグラのロティなどの皿が続く。
エスプラナードとうかいの交流そのものは深く、長い。うかい専務取締役、紺野俊也氏がフランス修行をしていた頃にその源流がある。2011 年のうかい亭ペリゴールフェアを機に交流が深まり、現在は同社の調理師を研修に派遣する間柄だ。すでに4 人が渡仏しており、3 人は本場での研鑽を積んで帰国。今回のペリゴールフェアのように、経験を社内に還元している。
仔羊のブリオッシュ包み、ペリグーソース“エスプラナードへのオマージュ”には、2009 カオール プロビュス(クロ・トリゲディーナ)を合わせた
また、40 人限定で行なわれた3 日のガラディナーでは、グループ各店から主要なサービススタッフが集結し、ゲストをもてなした。各店の顧客が集まるこの場で、同店なじみのある顔が迎える。さらに他店のキャプテン、マネジャークラスのスタッフが料理やワインを提供することで、店舗間で顧客が共有されていくのは、どんな顧客管理システムよりも有効だ。
ゲストシェフのスペシャリテとホスト側のシェフと厨房チーム、サービスの総合力、さらにはグループ全体の組織力、人財力をもって、イベントは成功に導かれる。
2 月3 日に行われたガラディナーの様子