この世に誕生してから去るまで人生にはさまざまな節目がある。各国、各地域で祝う節目やまつわる風習は異なるが、共通していること、それは節目を思い出の記録として残しておきたいという気持ちである。日進月歩の勢いで節目を記録する手法や機材は進歩しているものの、映す側、映される側の気持ちは変わらない。映す側として“お客さまに感動を与え続けること”を使命に小さなスタジオから起業した㈱マリーマーブル 西多由智社長に成長企業であり続けるための人材の在り方についてお聞きした。
福永 西多社長は神戸三宮での起業をスタートに、拠点を増やされ、映像や写真撮影また制作全般を手掛ける企業に成長されました。この夏も神戸異人館を写真スタジオとして復活させるなど、異人館に新たな息吹を吹き込んでいらっしゃいます。ところで、現在は何人のスタッフで運営されていらっしゃるのですか。
西多 3 拠点で110 人のスタッフが映像や写真撮影から制作、最近では作詞作曲編曲などの音楽制作や写真スタジオ運営なども行なっています。2001 年に小さな小屋で映像演出専門の会社をオープンしました。本当は映像や写真の撮影を行いたかったのですが、機材投資額がかかるため、まずは費用がかからない映像演出から創業したのです。2004 年9 月に法人設立、そして弊社に関心を寄せていただき、2009 年7月1 日より㈱ノバレーゼのグループ会社となり、ノバレーゼの施設はもちろんのこと、そのほかの施設の映像や写真撮影、制作も行なっています。
福永 起業されてから10 数年で110 人のスタッフをかかえる企業に成長され、西多社長の勢いを感じますね。スタッフも皆さん、若い方ばかりですね。
西多 平均年齢26 歳です。若い力をフルに活用し、共に成長していくことが企業の成長力につながります。そのためには“すべてのお客さまの人生に感動を与え続けること”を使命に、常にトップレベルのアイデアやアイテムを提供し続けることの大切さを浸透させています。人材採用や管理は常に課題であり、今もなお課題として改善を続けています。試行錯誤の結果、4 年前より新卒採用を始めました。もちろん、中途の方が云々ではなく、まっさらな状態で企業理念や考え方を教えていく方が皆同じベクトルを向き、ともに切磋琢磨できると判断しました。
福永 若いスタッフの力はとても貴重なものですが、ウエディングの仕事においては決して楽なものではなく、現実の厳しさに押しつぶされて辞めてしまう人もいます。
西多 もちろん、その繰り返しはゆがめませんが、新卒採用を始めてから、1期生の2 人は現在も働いており、2 期生は13 人中5 人が退職、3 期生は退職者ゼロです。新卒採用の経験を積むほどに新人の管理や育て方を習得してきた結果かと思います。
