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第226 回 北村剛史 新しい視点「ホテルの価値」向上理論〜ホテルのシステム思考〜 

第226 回  『価値の目の3 視点』

【月刊HOTERES 2016年07月号】
2016年07月08日(金)
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北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI( 米国不動産鑑定士 )
MRICS(英国王室認定チャータードサーベイヤーズ)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事

 
 ホテルは所有、経営、運営というステークホルダー機能を背景に、ハードウエア、ソフトウエア、ヒューマンウエアが一体となることでサービスを提供しています。個人客をターゲットとする場合においては、個々の顧客をリピーター化する、あるいは新規顧客を獲得する上で、それぞれ所有については「価値査定の視点」、経営については「価値増殖の視点」、運営については「顧客視点」からホテルや旅館を考える三つの視点が重要であり、まさに今こそ、それら共通項としての「価値」が重要な視座を与える環境にあると言えます。それら三つの視点を改めて整理しますと、一つ目は、ホテルや旅館の価値査定がホテルや旅館の運営戦略立案に役立つことからホテルや旅館の価値に着目する視点であり、二つ目は、ホテルや旅館が提供する顧客にとっての利用価値を最大化させるために、ホテルが有するさまざまな関係性を情報のフィードバックとフィードフォワード(予測)を通じて価値を増殖し続ける経営組織へと移行させるという、マクロ的なネットワーク性からホテルや旅館を見つめる視点です。そして三つ目に、ミクロ的に顧客にとっての価値とは何かを真剣に見つめる視点、つまり顧客視点の重要性を意味しています。
 
 弊社の品質認証基準では、1 スターから5 スターの分類に「マズローの欲求5 階層」を応用しています。ベースに人が有する潜在的欲求である「生理的欲求」があり、それが満たされて高い「安全性、安心感に対する欲求」、その後に「社会性に関する欲求」、上位に「自己承認の欲求」や「自己実現」、さらには「審美性に関する欲求」があるものとし、それぞれに応じて、1スターでは十分な清潔感、2スタークラスでは、人が安心して滞在できる程度の快適性、3 スタークラスから、清潔感がありかつ安心して滞在でいるサービスやしつらえに加えて、さまざまなニーズに対応できる機能性や高い快適性が提供され、4 スタークラスでは共感性ある積極的なサービスを背景に個々の顧客の個別ニーズに対応できるパーソナルサービスの提供力を重視しています。5 スタークラスでは、それらに加えてさらに審美性や意匠性をも対象とし、上記三つ目の「顧客視点」に基づいてホテルや旅館を分類する基準となるよう基準を構成しているのです。

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