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Vol. 11 「器」使いがきらりと光る店

Vol. 11  新百合ヶ丘「GRILL & CUISINE SAL’S」

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月16日(金)
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㈱旅食 統括料理長 三瓶賢一氏
かつてはホテルのレストランで修業した経歴を持ち、同社の運営する飲食店のメニュー監修などを一手に引き受ける若き腕利き

念願だったニューヨークキュイジーヌをオープン
 
小田急線新百合ヶ丘駅は、小田原線と相模線の接続駅として、通勤・通学客を中心に多くの利用客が行き交う。その新百合ヶ丘駅の駅ビル「小田急マルシェ新百合ヶ丘」に2016 年の7 月にオープンしたのが「GRILL & CUISINE SAL’S」だ。開店してまだ1 カ月という、デビュー間もない同店だが、ニューヨークスタイルの料理を気軽に楽しめる店として早くも評判を呼び、昼夜問わず切れ間なく客が訪れる。
 
「湘南台駅の『小田急マルシェ湘南台』に2014 年からビストロを出店し、おかげさまで順調に推移する中、次の展開として、新しい業態の店舗をやってみたいと考えていたところ、小田急の担当者から声をかけていただき、この新百合ヶ丘駅に出店することになりました」と語るのは同店を運営する㈱旅食の統括料理長である三瓶賢一氏。同社では現在小田急線沿線で「GRILL & CUISINE SAL’S」のほか、前出の湘南台駅のビストロ「SAL Paradise」、さらに海老名で「SAND GLASS CAFÉ」と合計3 店舗を運営しており、社名の通り「旅」をテーマにして、さまざまな国の料理を取り入れた飲食店を展開している。
 
「常々ビストロの次はニューヨークキュイジーヌしかないと思っていました。とはいっても、本格的にニューヨークスタイルをやっていたわけではないので、当社の名前通り、『旅』をテーマに、料理だけではなく、ドリンクやデザートに至るまで、色々な国のメニューを取り入れて、ニューヨークスタイルのコンセプトにまとめて出来上がったのが、この『GRILL & CUISINE SAL’S』です。コースをメインにした敷居の高い料理ではなく、アラカルトを中心に、気軽に楽しんでいただけると思います」(三瓶氏)


丸鶏のローストは1 日マリネした後に低温でじっくり火を通して仕上げる。エシャロットのコンフィでいただく

ポイントは地域に愛される店づくり
 
駅ビルのテナントと言えば、大手のチェーンのような、誰もが知っているカジュアルな店舗が多いといったイメージが強いのでは? と思ってしまいがちだが、それに関して三瓶氏は「当社にとって駅ビルへの店舗展開は2 店目ですが、逆に埋もれることなく差別化を図ることができ、かつ人通りが多く、たくさんの人の目に触れるということを考えれば、逆に絶好のロケーションと言えるのではないでしょうか」とメリットを強調する。とはいえ、やはり駅ビルのイメージと違う業態の店舗に、実際に来店してもらうまでにはそれなりの苦労があるそうだ。
 
「SNS やネット媒体はもちろんのこと、DM サービスやポスティング、店員によるチラシまきなどを積極的に行なった結果、少しずつ来店へと結びついてきたと思います。さらに地元の人に認められるようまで、時間を掛けて取り組んでいきたいと思っています」(三瓶氏)。
 
また、同店の営業時間にはアイドルタイムがなく、この業態の店舗にしては長いのも特徴的だ。この辺りもロケーションを意識しての展開なのだろうか。それについて三瓶氏は「もちろん駅ビルということも意識していますが、どちらかと言えば、レストランとしてだけではなく、カフェとしても楽しんでもらいたいという気持ちが強いです。開店からまだ1 カ月程度ですが、客層としては、比較的年齢が高い女性の方が中心となっているのは、こちらのイメージがうまく伝わっているからかもしれません」と語る。
 
シンプルで当たり前なことを継続する重要性
 
統括料理長として「料理」へのこだわりについて三瓶氏に尋ねると「例えば、肉にしても野菜にしても、常に新鮮な食材を提供し続けることを心掛けています。極端な話ですが、それさえ続けていれば、あとは火入れなど丁寧な調理を施すだけでおいしい料理を作ることができます。当たり前のことを当たり前に継続する、シンプルですが最も大切で、最も難しいことだと考えています」と自身の料理観を熱く語る。
 
「もちろんお客さまに商品として提供する際には『味』だけでなく、『プレゼンテーション』も大切。そこで重要となってくるのが器選びということになります。こちらもシンプルですが、料理とのマッチングを常に意識したプレートづくりを心掛けています。特にSNS 全盛の時代ですからまさに『皿は命』ですね」(三瓶氏)。
 
まだまだスタートしたばかりの同店の今後の展開が気になるところだが、三瓶氏は焦ることなく「今はスタッフがようやく店の動かし方に慣れたばかりといったところ。正直に言えば、まだやりたいことの半分もできていない感じですが、半年後、1 年後と少しずつ店とスタッフの完成度を高めていければいいと考えています。料理長としてはもっともっとメニューを充実させていきたいし、これからの展開が楽しみです」と目を輝かせる。三瓶氏だけでなく、スタッフ全員が放つこのワクワク感が同店の魅力を一層輝かせていくことだろう。

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