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新年号スペシャルインタビュー ㈱J.D. パワー アジア・パシフィック 代表取締役社長 鈴木 郁 氏

訪日外国人旅行者の増加、宿泊需要が高まる中、ユーザー評価を知ることは、自社の強みをさらに生かせる

【月刊HOTERES 2017年01月号】
2017年01月20日(金)
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明暗を分けた高価格帯部門と低価格帯部門
宿泊客の総合満足度はA、B の高価格帯部門でやや上昇し、低価格帯のD 部門では低下しました。ファクター別に見ると、高価格帯のA 部門は全ファクターでトップ、続くB 部門は4 ファクターで10 ポイント以上の上昇と確実に満足度を上げているのに対し、低価格帯のD 部門は三つのファクターで5 ポイント以上低下し、明暗が分かれる結果となりました。
 
すべての部門の満足度の上位ホテルブランドはホスピタリティーの高さが評価され、スタッフの対応品質は全体的に向上しています。にもかかわらず、価格帯によって満足度に違いが生じたのは、お客さまがその宿泊体験に対して抱いていた「期待値」と、実際に受けたサービスへの「知覚品質」の差が要因ということができます。
 
プライベートの訪問か、ビジネスでの利用か、価格帯によって宿泊目的の比率は変わってきます。また宿泊時期によっても、その比率は影響を受けます。宿泊目的が異なれば、ホテルを選ぶ理由や求めるサービスも変わります。高価格帯を選ぶ理由はブランドの有名さやリピート利用が他部門より多く、「F&B(料飲)」が総合満足度に強い影響を与え、宿泊だけにとどまらないホテル内での体験を楽しみにしているお客さまの姿が垣間見えます。低価格部門では料金の安さ、無料の朝食や無線LANといったビジネス目的にもかなうサービスが重視され、費用対効果、利便性と快適さを求める多忙な現代人の要望が凝縮されている感があります。
 
期待値をとらえて、すべてのお客さまが納得して宿泊先を選
べる多様性を
 
宿泊需要の高まりが期待される中、その価格に見合った価値をお客さまに感じていただけるかどうかが、すべての部門に共通する課題です。特に価格の影響を受けやすく、民泊など新業態とも競っていくD 部門のブランドにとっては正念場と言えます。各部門求められる期待値は同じではありませんが、それぞれのホテルにおいて、客室の快適さなど、改めて宿泊施設としての基本的事項を振り返るとともに、提供するサービスがお客さまの求める期待を満たしているかを客観的に検証し、顧客満足度の向上に生かしていくことが、観光立国にふさわしい宿泊施設の多様性を担保し、ホテル業界全体の発展につながっていくと考えます。
 
※部門の詳細
【A 部門】正規料金の最多価格帯3 万5000 円以上、【B 部門】正規料金の最多価格帯1 万5000 円以上3 万5000 円未満、【C部門】正規料金の最多価格帯9000 円以上1 万5000 円未満、もしくは最多価格帯が9000 円未満かつ最多客室面積が15㎡以上、【D 部門】正規料金の最多価格帯9000 円未満かつ最多客室面積が15㎡未満。
調査の詳細は http://japan.jdpower.com

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