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新連載  新連載 萩本良秀  訪日観光客を知る、インサイト・マーケティング 

自分の国にないものは、すべて観光資源

【週刊ホテルレストラン2017年04月07日号】
2017年04月07日(金)
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萩本良秀
㈱ゼロイン DeepJapan.org エグゼクティブ・ディレクター
【プロフィール】1988 年㈱リクルート入社、「ISIZEじゃらん(現じゃらんnet)」編集長、「じゃらんガイドブック」編集長。ぴあ㈱「@ぴあ」編集長、ヤフー㈱「Yahoo! ニュース」プロデューサーなどを経て、2013 年より800 人を超える日本在住多国籍メンバーが、日本旅行のアドバイスを英語で投稿するサイト「DeepJapan」エディトリアル・ディレクター。14 年「Mt.Fuji Travel Guide」電子書籍世界発売。DeepJapan の外国籍投稿会員(Senpai)を組織化し、訪日観光客をターゲットとした企業、団体の誘客支援を行なう。通訳案内士(英語)、国内旅行業務取扱管理者。

タワー駐車場も外国人には観光スポット
訪日旅行者が体験したい、彼らの非日常。
 
訪日旅行者に向けて日本旅行の魅力を紹介するインターネットサイト「DeepJapan.org
では、日本に在住している数百人の外国人が、「地元ツウ×外国人目線」で、実践的な
旅のアドバイスを投稿しています。訪日旅行者が見たい、食べたい、体験したいという
インサイトから、サービス業のインバウンド・マーケティングを考えていきたいと思います。

~自分の国にないものは、すべて観光資源~
「息子が機械式のタワー駐車場というのを見たい、と言っているのだが、どこに行けばあるか」。あるアメリカからのゲストに尋ねられた質問です。もちろん、車を泊めたいわけではありません。彼らが日本に来て体験したい非日常は、寺社や和食だけではない、という一例です。
 
 私は通訳案内士として、月に1 ~ 2 回程度、河口湖を中心とした富士山エリアに、外国人の個人旅行者をガイドしています。1 日10 時間ツアーで一緒にいると、名所案内だけでなく文化や趣味などあらゆる会話をしますが、その間に今回の日本旅行で「知りたいこと」「困ったこと」を聞くようにしています。これが、今どきの外国人旅行者の絶好のマーケティング機会になり、前出のタワー駐車場質問も、そうやって尋ねられた質問の一つです。アメリカでは土地が広いから、駐車場はみんな平置きです。東京のような街で、狭い土地に細長いビルを建てて、その中を機械にのせられた車が回転するタワー駐車場は、彼らとっては未知の体験です。別のハワイからのグループは、ETC が自動で開く様子を、喜々としてスマートフォンで動画を撮っていました。京都で有名な87 歳のサムライガイド、ジョーさんのウオーキングツアーも、京都市役所前の機械式地下駐輪場を外国人客に見せます。自分の国で見られないものは、私たちにとっては日常でも、彼らにとっては非日常の体験です。私たちが沖縄に行くと、地元では当たり前の赤レンガの民家を、美しいと思って写真を撮るのと同じです。「渋谷スクランブル交差点で自撮り」「築地市場でマグロのセリを見学」「富士山五合目で雪合戦」、これらすべて、自分の国ではできない体験=観光資源です。私のツアーでも、晴れて富士山が見えるよりも、雪が降った方がアジアの旅行者に喜ばれます。吉田口五合目で残雪があると、おばあさんも人生初めての雪に喜び、親子三代で雪合戦が始まります。
 
 食に関しても同じことが言えます。「馬刺し」「ユッケ」はどこで食べられるか、という質問をアメリカ人旅行者に聞かれます。自分が住んでいる州では、レストランでの取り扱いが禁止されているからです。「活造り」はどこで食べられるかという質問も聞かれました。世界のあらゆる都市で、すしや刺し身は日常的に食べられるので、日本でしかできない食体験を求めているのです。「外国人を呼ぼうと思ったら、カリフォルニア・ロールとか出した方がいいですか?」とすし屋さんに真顔で質問されたことがあります。答えはもちろん「No」です。飲食業の皆さんは、いま提供しているメニューの中で、はたしてどれが、どの国からのお客さまの「非日常体験」になるかを考えることから、訪日旅行者マーケティングが始まるのです。

 この連載では、そういった今どきの訪日旅行者が見たい、食べたい、体験したいというインサイトから、サービス業のインバウンド・マーケティングを考えていきたいと思います。

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