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連載13 濱田裕章  小さな会社のブランド構築 

連載13  ホテル龍名館お茶の水本店の事例

【月刊HOTERES 2017年04月号】
2017年04月21日(金)
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多くの方々との議論を通して
 ホテルの企画自体は、開業の前年・2013 年の4 月頃から始まりました。すでにご紹介している通り本件に関しても若手メンバーで1 期のチームを組みました。4 年目と5 年目の女性社員の計2 名で、1ヶ月強で競合調査や参考ホテルの視察を行い、草案を作成しました。普段はフロントスタッフとして勤務してくれているため、その期間は兼務だったのですが、本人達の意欲も高く前向きに取り組んでくれました。
 
 その後、会社としての方向性が定まった後に、より深みのあるホテルにするため、さまざまな方にご協力をお願いしました。まず本件企画のディレクターとして、アート、環境関係の多数のプロジェクトでディレクターを務められている芹沢高志氏に依頼しました。その後、ホテルコンセプトを細部までスムーズに落とし込めるよう、コンセプトの企画段階からホテルデザイナーに参加いただきました。さらに隔週のミーティングを設け、その中でホテルコンセプトを固めていく過程で、ご意見をいただける方々に参加いただき、議論を深めていきました。
 
開業後はホテルの応援団として
 
 このプロジェクトの進め方を通して学んだ点は、参画した弊社メンバー全員が非常に勉強になる時間であったという点です。弊社のような小さな会社ではホテルコンセプトから他社にアウトソースすることも効率が良い選択であったかもしれません。しかし、若手社員や役員が混ざった状態で他社のさまざまな専門分野を持つ方々と意見交換、議論させていただき、今回のホテル開発以外の部分にも視野が広がり、その後のアメニティ選びや家具のありかた、サービスのありかたについても考えが深まったと感じています。特に“コンセプト”といった抽象的なものについては、価値観によって感じ方も異なりますので、議論の過程で言葉一つひとつについて背景まで汲み取り考えることができた良い時間だったと感じています。
 
 もう1 点は皆で議論しながら作り上げていったので、弊社の若手メンバー、他社の方々含めて、ひとつの目標に一丸となって取り組めたと感じています。お互いのパーソナリティーを理解し、チームとしてまとまるための時間にもなりました。大なり小なりの個人的な思いも懸けていただいたと思うので、開業後のホテルの応援団として今もなお支え続けてくれています。

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