ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 韓国初の統合型リゾート(IR)開業  日本型IRのプロトタイプか?! セガサミーHDが運営にかかわる韓国「パラダイスシティ」開業<前編>
韓国初の統合型リゾート(IR)開業 

日本型IRのプロトタイプか?! セガサミーHDが運営にかかわる韓国「パラダイスシティ」開業<前編>

2017年04月24日(月)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

仁川から車で3分
 
 開業したパラダイスシティは、東アジアの主要都市から4時間以内でアクセスでき、アジア最大規模のハブ空港である仁川国際空港から車で約3分の立地に位置する。運営はパラダイス55%、セガサミー45%の出資による、PARADISE SEGASAMMY CO.,Ltdが行なう。
施設は、ホテル、カジノ、コンベンションホール、商業・文化施設、プレミアムスパ(温浴施設)、クラブ、エンターテインメント施設、デザイナーズホテルからなる。敷地面積は33万㎡(約10万坪)で、投資金額は約1万3000億KRW(セガサミーHDの投資額は2329億KRW)。今回、4月20日に開業したのは、そのうちホテル、カジノ、コンベンションのみ。残りの施設は2018年上半期に開業予定。
 


カジノ内

 
パラダイスシティは、日本型IRの布石
 
 セガサミーHDがパラダイスシティ参入のねらいは、日本型IR参入を見据えてのこと。パラダイス、セガサミーによる合同記者発表会前に行なわれた日本人メディアを対象とした会見で、セガサミーHDの石井義則事業開発室長は次のように述べた。
「セガサミーは、①遊技機事業、②エンタメコンテンツ事業、③リゾート事業を展開している。売上構成比率は①38.1%、②57.2%、③4.7%で、セガサミーとしては、ホテル・ゴルフ場・IRで構成される、③リゾート事業をこれからの成長事業と位置づけ、日本IR参入に向けた先行投資として進めていく考えである。この三つの柱を軸に、2020年3月期の全社目標としては、営業利益率15%、資本効率向上としてROA5%を掲げている」
 
 韓国初のIRパラダイスシティの開業に合わせて、セガサミーHDからは理事2名、研修生として30名を日本から派遣。IRやカジノ運営に関するノウハウをパラダイスグループから学ぶ。


パラダイスシティ 外観

韓国カジノの市場規模
 
 パラダイスシティは韓国初のIRではあるが、カジノ施設単体で見ると、すでに17施設で稼働している。その内訳は外国人対象カジノ施設が16施設、内国人対象カジノが1施設。カジノ売り上げ、入場者数に関しては、外国人対象カジノが約1243億円で、入場者数は約261万人。内国人対象カジノが約1561億円で、入場者数は約313万人。大韓民国文化体育観光部観光産業課2016データより。
 
 この数字を見ると、内国人対象のカジノ1施設で、外国人対象のカジノ16施設より高い売り上げであることが分かる。内国人対象としたカジノがある「カンウォンランドホテル」(江原)は、韓国の中では別格の存在とも言えるだろう。


コメントするセガサミーHDの石井義則事業開発室長

パラダイスシティの開発経緯
 
 そもそも、今回のIRはいつから開発がスタートしたのか。セガサミーHDの発表によると、下記のとおり。セガサミーHDの里見治紀会長によると、パラダイスグループとは20年来の付き合いがあったという。
 
2018年
フェーズ1 第2次開業:プラザ(商業施設)、デザイナーズホテル、スパ、クラブ、ワンダーボックス(ファミリーエンターテインメント施設)、サブカルチャーマーケット、アートギャラリー
 
2017年
4月 フェーズ1 第1次開業:カジノ、ホテル、コンベンション
1~3月 フェーズ1 第1次施設テスト営業実施
 
2015年
9月 フェーズ1 第2次新首都圏空港事業実行プロジェクト承認
4月 フェーズ1 第1次建設工事着工
 
2014年
11月 土木工事開始(フェーズ1 第1次)
10月 新首都圏空港建設実行プロジェクト承認(フェーズ1 第1次)
 
2013年
11月 プロジェクトデザイン完成
7月 マスタープラン策定
 
2012年
9月 仁川国際空港IBC-1 フェーズ2開発プロジェクト実行契約を締結
7月 合弁会社「パラダイスセガサミー」設立
 
2011年
10月 仁川国際空港IBC-1 フェーズ2開発プロジェクト計画の事業者にパラダイスコンソーシアムを選出
7月 日本のセガサミーHDと合弁会社設立に関する覚書を締結
6月 仁川国際空港がIBC-1フェーズ2開発プロジェクトを発表
 


<後編に続く>

8 月29 日発行予定のHOTERES 別冊『日本版IR の全貌!』
<主なコンテンツ>
①日本版IR 実現へのプロセス
②関係団体インタビュー
③世界のカジノ事例研究
④統合型リゾートの全貌
⑤新たなヒューマンウェアの世界
⑥ホテル格付けとのリンク
⑦「日本版IR に期待する声」
⑧メーカー、サプライヤー一覧
⑨関係法規
詳細および媒体資料を希望される方は別冊IR 担当、長谷川までご連絡ください。
TEL:03-6226-2380
メール:hasegawa@ohtapub.co.jp

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2024年04月15日号
2024年04月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 2024年日本のホテルチェーングループ一覧〈前編〉
【TOP RUNNER】
リージェントホテル香港 マネージング・ダイレクター ミシェル…

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE