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第三十八回 キャリアデザインは口に出して言え 福永健司のキャリア論

適者生存

2017年07月05日(水)
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 ものすごい勢いで世界が、経済が、そして我々ホテリエをとりまく環境が変化しています。

 好むと好まざるとにかかわらず、この勢いを何人たりとも止められることができず、ホテル業界でもフルサービス型、リミテッドサービス型の垣根の崩壊、マネージメント契約、フランチャイズ契約、リース契約といった従来のオペレーター、オーナーというビジネスパートナーとしての付き合いから、オペレーター側では業界再編の動き、オーナー側であると本業回帰、プライベートエクイティよりリートへ転換と多種多様化するビジネス環境への変化適応のため動いています。たたみかかけるようにテクノロジーによるプロセスの変革、そして百花繚乱のホテルチェーン、ホテルブランドの増殖、増大と我々はまさに時代の大転換期を生きているといっても過言ではないと思います。
 

 
 VUCAという造語をご存知でしょうか?
 数年前から声高々に言われ始めていますがVolatility (変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity (曖昧性)という事象を掛け合わせたもので、読んで字の如くですが、現代社会は魑魅魍魎、先の見通しは難しく、予測が不能である。と、ホテル業界のみならず全ての世界、業界でこうした“悩ましい”状況に全ての人が立たされているということです。
 
 こうした中、ホテリエそれぞれに求められるのは柔軟な対応力です。慌てることや奇をてらった行動にでる必要はありませんが、日々、目の前にいるゲストに対する真摯な対応だけでなく業界そのものが変革の渦中にいますので現実を受け止め、己を見失うことなくそれでいてスマートに臨む必要はあります。
 
 継続的に学ぶ力とオープンマインド、そして否定からでなくcan- doというような姿勢、そして自分のcomfort zone(居心地のよい場所)から飛び出す勇気を求められます。
 
 ご承知のように世は矛盾と理不尽に満ち溢れており乱暴な言い方をすれば努力をしたからといって全ての方が報われるわけではありません。しかし、自分の思いを達成させようとしている人は例外なく努力をしています。従って努力は必要であることは言うまでもなく、有限である時間を投資していきますので “ながら”時間ではなく、自身の為の考える時間をしっかり取り、スキルやセンスに照らし合わせたキャリアを考える必要は今まで以上に必要です。
 
 不安を煽るつもりは毛頭ありませんので過度に心配する必要はありません。要は自分自身を生きることであり、他の人にない才能を有する、唯一無二なあなた自身を知ることから始めてください。ニッチ(隙間)の分野を含め幾つかの職務や仕事はあなたにしかできない、あなたが最適であるものがあります。
  

  
 瞬間的には自分の思い描くキャリアが叶わないタイミングがあるかもしれませんが、それは自身をさらに高めるための自分自身を磨く砥石に過ぎません。柔軟性をもった気持ちと行動を忘れずに日々をどんな場面でも生き延びる事が重要です。
 

 

It is not the strongest of the species that survives, not the most intelligent, but the one most responsive to change.
 

 最も強者が生き延びるわけでなく最も賢い者が生き延びるわけでもない。唯一、生き延びるのは変化に最も素早く反応出来る者である






 


福永 健司 プロフィール
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