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第十講 「料理人の教育論」  第十講  日本ホテル㈱ 東京ステーションホテル 総料理長 石原 雅弘 氏

心があって、想いがあって、正直である。料理人に求められるのはこの三つ。

【月刊HOTERES 2017年08月号】
2017年08月24日(木)
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バー&カフェ〈カメリア〉の「MEET MEAT Promotion
「肉料理を仲間でシェアして楽しむ」がコンセプトの年間プロモーション「MEET MEAT」。
2017 年8月は、高タンパク低カロリーの鰐(わに)料理が登場。石原氏が夏に食べやすい食材を探し、淡白で食べやすい鰐肉をチョイス。
安全な食材を提供し続けるためには、将来にわたり鰐肉も選択肢に上がりやすくするように、多くの方々に鰐肉のおいしさを体験してもらおうという挑戦でもある。
秋シーズンは、ジビエ初体験でも楽しめる仔猪肉料理をご提供予定
 
「鰐テールのハーブガーリックステーキ タンのグリルと夏野菜ソテ」(2980 円/税込みサ別)
コリっとした不思議な食感のタンを、テールとともに一度に味わうことで、おいしさが倍増する
「鰐ロース肉の唐揚げ」(1780 円/税込みサ別)
バルサミコ酢を効かせて、パクチ―との相性抜群のソースを絡めた一品
 

 
目の前にある食材に愛情を持ち
必ずおいしい料理にすることが大切
 
―スタッフにアドバイスするとしたらどのような言葉を贈りますか。
 
新入社員には、「1日に一つ、仕事を覚えなさい」です。
 
 30 歳くらいまでの中堅スタッフには、「目の前の食材をしっかりかわいがりなさい」です。メニューにある商品としての料理を作ろうとする前に、目の前にある一個のキャベツ、一個の玉ねぎを上手においしくしてあげられるようになることが先に立つのです。
 
 商品を作ることよりも先に、自分の目の前にある食材に愛情を持ち、それを絶対においしい料理にするんだという信念を持ち続けることが、料理人として一番大切なことです。それができるようになることが、料理名のある商品を提供したときにお客さまに必ず喜んでいただけるようになる最短ルートです。
 
そしてシェフクラスには、「食材の原価も分からないのに、料理でビジネスはできない」ということを教えます。「その食材はいくらだった?」と聞いたときに、「50円です」と即座に自信を持って答えられるようになってはじめて、プロの料理人としてのスタートラインに立ったことになります。
 
いくらの食材を使い、いくらの商品を提供して、お客さまからいくらの利益をいただくかを考えるのがプロの料理人の仕事です。もちろん原価のことだけではなく、日々の調理場で実力の違いがあるスタッフたちをどのように配置し、滞りなく動かしていくのかについても考えられるようにならなければなりません。
 
―石原さんの目指すレストランとはどのようなものですか。
 
本当においしくて、最後に「また来たい」とお客さまに笑顔で言っていただければ、ほかには何もいりません。料理人として基本的に持っておくべきなのは「心があって、想いがあって、正直である」という心構えだと思います。特に東京ステーションホテルは100 年以上の歴史を持ち、国の重要文化財の中にあるので、真面目に、正直に仕事をさせていただき、これからも100 年、200 年と続いていかなければなりません。
 
そのことはスタッフたちにも伝わっていて、チームの全員が同じ方向を向いています。そしてときどき他の方向を見てしまっている人がいたら、周りがしっかりと正してくれる環境が整っています。自分たちの仕事に誇りを持って取り組むことで、チームとしての高みを目指しているのです。
 
リニューアルオープン後の忙しい時期を乗り越えて、これまで頑張ってきてくれたスタッフたちがいるからこそ、「東京ステーションホテルはいいホテルですね」とお客さまに言っていただけるのだと思います。私は常にスタッフみんなの力に対して、感謝の気持ちを抱いています。

石原雅弘(いしはら・まさひろ)
1963 年千葉県生まれ。88 年ホテルエドモント(現ホテルメトロポリタン エドモント)入社。99 年同ホテルのフレンチレストラン「フォーグレイン」の料理長就任。
2007 年渡仏、ミシュランのレストランで修行。08 年「北海道洞爺湖サミット」晩餐会に、中村勝宏氏の指揮のもと、料理スタッフとして参加。09 年ケアフードのフルコース「Menu de Naturel」を考案。新聞、テレビ、ラジオなどの各種メディアに多数紹介される。11 年東京ステーションホテル開業準備室で総料理長として着任。レストラン「ブラン ルージュ」をはじめ、「ロビーラウンジ」、バー&カフェ「カメリア」、バー「オーク」など、直営の飲食施設の料理コンセプト、メニュー考案に携わっている。

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