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第一回 伝統は“守る”のではなく“創る”もの 

第一回  日本酒スタイリスト 島田律子氏 ×  ㈱玉川堂 代表取締役 七代目 玉川基行氏

【月刊HOTERES 2017年10月号】
2017年09月22日(金)
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燕三条という土地、日本の文化を
売っているという意識が強い
 
玉川 玉川堂に伝わる言葉として「命」があります。「命」という字は「人」が「一」を「叩たたく」と書きますよね。職人が一枚の銅を叩きながら命を込めてつくったものですから、お客さまも命を込めて育ててくださいという思いが、そこには込められています。
 
島田 ものを大事にする、愛着を持つ、願いを込める、敬うといった心を持ちながら、日本人は日本酒を飲んだり、ものを使ったりしてきたのだと思います。
 
 日本人は本物のものづくりを日常的に見てこなかったために、欧米から30 年ほど遅れを取ってしまっていると私は感じています。ところが最近ではようやく若い人たちの価値観が変わってきたことで、日本のものづくりが見直される時代になってきていることも確かだと思います。
 
玉川 私たちは「この商品を売る」というよりも、新潟や燕三条という土地や日本の文化を売っているのだと思っています。そういったことを伝えていくことで、皆さまにその価値を理解してもらえて、そこから売り上げにつながっていくという考え方です。
 
 私は10 年後、15 年後には、売り上げの100%を燕三条の玉川堂本店でつくっていきたいと思っています。工場見学後、その場で買っていただくのが最も理想的なお客さまとのつながり方だと考えているからです。世界中の方々がわざわざ燕三条を訪れて、見学をして購入してくださる。そういった流れをつくっていきたいのです。
 
島田 燕三条は既にブランディングができていますから、それを磨いていくことでその目標は実現できるのではないでしょうか。
 
玉川 毎年秋には「燕三条 工場の祭典」というイベントがあります。年間を通じて見学を自由にしている工場は、燕三条に10 軒ほどあるのですが、10 月第2週の4日間だけは約100 軒の工場が参加し、ものづくりの現場をオープンにします。
 
 この工場の祭典には全国から3万5000 人ほどの方々が集まり、工場見学をしてくださいます。そのうちの半数が20代、30 代の人たちですから、若い世代の方々の間に、職人の姿が見られる工場を見学したいという欲求があるようです。
 
次回も、今回に続き玉川氏との鼎談をお届けします。
※本連載は隔週連載です。
 
玉川堂をはじめ、様々な酒器で日本酒を楽しむことができるイベントが9 月に伊勢丹で開催されます。
「第5 回NIHONSHU MY CHOCO STYLE」場所:伊勢丹新宿店5階リビングフロアー 期間 :9月20 日から2週間

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