ホテルの格付についての考察
「ホテルのサービスはハードウエア、ソフトウエア、ヒューマンウエアの３要素が一体化して。格付は安全、高い機能性、快適さ、パーソナルサービスなどをチェックしている」という北村氏の格付について。「私としてはオンリーワンのホテル創りの方を向いています」（寳田氏）「ホテルができたあとに格付を考えるかもしれないが、先行するのはデザイン，建築関係のことが先決」（山本氏、山口氏）「私たちの仕事はプロジェクトマネージメントなので、オーナーにどのくらい投資をしてリターンがどのくらいを提示するので、格付が高ければいいにはならない」（丸山氏）

㈱山下ピー・エム・コンサルタンツ 常務執行役員事業創造本部長 丸山 優子氏

三井デザインテック㈱　 デザインマネジメント部チーフディレクター 山口 昭彦氏

今後のホテルカテゴリーの方向性は？
「ロンドン端在中に、金持ちには５種類あるという説をきいた。①エスタブリッシュメント＝生まれながらのお金持ち②インテリゲンチャー＝面白いことに興味をもつ③パフォーマー＝みせかけのお金持ち④デジタルアバンギャルド⑤センセーショナル。金持ちは必ずしも格式のあるホテルばかりを選ぶわけではない」（山口氏）／「ホテルのカテゴリーは水平展開だけではない。ホテルをメディア化して可視化を進めていきたい」（北村氏）／「建築費の高騰は3.11 から始まり、労働人口が減り、国土交通省で業者選定を保険の非加入業者を付けなくなり、価格が高騰している」（丸山氏）／「宿泊に特化するホテルは今後も宿泊料の値引競争に陥ることになる」（村上）

㈱日建スペースデザイン シニアデザイナー 山本 祥寛氏

the range design㈱ 代表取締役　 寳田 陵氏

㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長 北村 剛史氏

AI・IOT の活用でホテルは
どう変わる?

「インバウンドの客層にはロボットレストランが受けている。ホテルも新しいイメージづくりのひとつ」（山口氏）／「AI がホテルの仕事を代替できるのは確か。削減された人をサービスの充実に当ててほしい」（北村氏）／「AI、IOT は当然入ってくる時代。AI がやっていることをホテル側はみせるか、みせないか。顧客はなにを望んでいるのかを考えたい」（丸山氏）／「デザインサイトから考えると、必要なときにスイッチで必要なテレビを出現させるなどもできるので、デザイナーとしては面白くなると思う」（山本氏）／「将来的には空調もその顧客別に提供できるようになり、さらに高度なデザインテクニックを発揮できるだろうと思う」（山口氏）

旅館業法改正のフォーカスポイント
「旅館業法改正の見込みは、客室数最低基準の撤廃、客室構造設備規制の見直し、帳場・フロントの考え方他、衛生や安全の確保、治安面等においての改正を検討中」（村上）／「昨年、国土交通省から各都道府県に緩和要請の通達があった。都市計画、地区計画はプロジェクト単位で自治体が行うものなので、仙台市、豊島区、藤沢市は都市計画を変更した。1.5 倍から300％を限度として宿泊の緩和をしてもいいというものだ。都市計画は大型案件のみに適用されるので、横浜，名古屋，福岡などでは建築基準法のなかで変更できる措置をとっている」（丸山氏）。（文責編集部）