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トップインタビュー  ㈱京王プラザホテル 代表取締役社長 山本 護 氏

ホテル業界のパイオニア 京王プラザホテルが目指す“ネクストステージ” 100年ブランドの確立を目指して

【月刊HOTERES 2017年12月号】
2017年12月01日(金)
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❒「京王プラザホテル」は京王電鉄グループのフラッグシップであるとお話しされましたが、グループ会社間での取り組みやシナジーはどのようなものがありますか?

 確かに同グループではありますが別会社の集合体です。それぞれに社長がおりますのでそれぞれの考え方というものがありそれを重視する組織文化があります。グループ内での全社的な戦略は電鉄本社で練っていますが、グループ間での組織横断的な従業員の交流は、グループ全体で積極的におこなっています。

 ホテル事業では、2018 年に開業予定の宿泊特化型アッパーミドルホテルである「京王プレリアホテル」は京王プレッソインの延長としてグレードや単価を上げたポジションを取っています。「京王プレリアホテル」は、日本人の観光・レジャーのお客様をメインターゲットとしながらも、増加する訪日外国人の観光・レジャーのお客様やビジネス目的のお客様まで、幅広いニーズにお応えするホテルです。

 将来的な構想ですが、今は少し不動産バブルであると感じており、鉄道会社は非常にシビアですので投資効率を十分に吟味した上で慎重に案を練っていきます。これからも、インバウンド需要は右肩上がりであると思われますがそのニーズの多様化はさらに進むと思います。将来に向けても「現在のお客様をどのように満足させられるか」が永遠のテーマであり最優先課題ですのでグループ全体で考えています。

❒ 現在の業績はいかがですか?

 数字を見れば堅調ということになります。2015 年~ 2016 年までは異常値でしたね。現状の収入を鑑みた場合、例年並みということでしょうか。従来の盤石な組織体制を引き継ぎながら維持していきしっかりと継続して収益を上げることができる組織体を目指しています。今年のマーケットは「踊り場」という言葉がぴったりです。そういう意味では非常に面白いマーケットになっていると考えています。昨年12 月に最上級クラブフロア「プレミアグラン」とスカイラウンジ「オーロラ」をオープンしました。東京を代表するホテルとして3 年後の東京オリンピック・パラリンピック、50 周年を迎える4 年後の2021 年、そしてさらにその先を見据え、改めてホテルの商品力およびブランド力を高め、お客様に最上級の空間と快適性をお届けしたいと決意しオープンした施設です。現在はおかげさまで収益にも貢献できています。当ホテルは単価を重視した戦略をとっていますがワールドワイドのマーケットと比較しても全く見劣りしないと思っています。

❒ 飲料部門・宴会部門の売り上げも大きいと思いますが?

 バー・レストランは22 店舗(直営20 店舗)、宴会場も大・小あわせて38 室を有しています。部分的にみれば厳しい状況かもしれません。これは法人の本社などが新宿エリアから大手町や丸の内に移行しているのが理由としては大きいと思います。だたし営業部門が非常に頑張っており、また昔からご利用していただいているお客様が継続してリピートしていただいておりますので、コアなお客様が満足していていただいている点では健闘しているといえます。

❒ 今後の中長期戦略についてお尋ねします。

 一番重要なセグメントは「インバウンドマーケット」です。よく2020 年以降のインバウンド需要の低下を心配する声がありますが、そもそも今来日して下さっているお客様は五輪開催とは関係なく日本が本来持つ魅力を評価していらして下さっています。五輪の翌年2021 年は対前年で訪日客数が下がることはあると思いますが、日本の持つコンテンツ力は変わりません。きちんと地道にやっていけばその後も需要は伸びると考えています。そのような環境を意識した上で宿泊インバウンドマーケットの取り込みをどのようにおこなっていくのかが大事なポイントです。現状に対してさらに欧米のインバウンドの取り込みも強化してまいります。

 また日本人マーケットにおいてはライフスタイルの変化にともない、「連泊ライフスタイル」を提案していきたいと考えています。

❒ 京王プラザホテルの特徴・強みは何であると思いますか?

 一言でいうと「多様性と専門性を併せた質の高い総合力」というものです。
ハード面でいえば、規模で多様性のある施設。開業以来46 年間で培ってきた「個」にも「衆」にもあらゆるニーズに対応する高レベルのホテル運営ノウハウ。人材面では、経験と実力を備えた優秀な人材を多数有しています(バーテンダー、ソムリエ、調理人など)

 近年MICE 市場が注目されていますが、当ホテルは国際会議・学会などMICE 案件のオペレーションノウハウがあり、環境面でも「ユニバーサルルーム」の設置など他社に先駆けて取り組んでいます。

 ソフト面では、「自由闊達な社内横断的活動」があります。具体的には、新商品・新マーケット・新用途を開発するチームやお客様からの声の共有と対策を行うCS 活動、バリアフリー&エコロジープロジェクトチームがあります。

❒ 今後のビジョンについてお聞かせください。

 当社は若手からベテランまでの全員参加型の自由闊達に議論が出来る土壌があります。新たなサービスの提案をどんどんしていきたいですね。他のホテルとは違うセグメントで従業員一丸となって戦っていきます。特に料理・サービスのようにお客様にとって肌で直接感じられるものは、勝ちたいと感じています。そして「笑顔日本一のホテル」を目指して行きます。


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