▶そもそも、グループ8 が立ち上がった経緯はどのようなことだったのですか。
 
森　当初は札幌全日空ホテルを建てた全日空エンタープライズ、第一ホテル、日本設計のスタッフが、ホテル竣工後、札幌勤務から帰り、東京で勉強会、飲み会をやろうということがきっかけでした。日本航空開発・取締役事業部長 高橋忠弘氏、全日空ホテル 山舘博康氏が中心となり、全日空の若狭得治社長の講演からスタートしました。全日空 事業室長 山下光二氏の支援を受け、後楽園 藤原博満氏、大井清嗣氏、全日空ホテル　竹内和弘氏、立教大学 岡本伸之氏、オータパブリケイションズ 春口和彦氏が集まり勉強会を開始しましたが、実は勉強会という形になる前はいわゆる飲み会からだったのです。その内にホテルやレジャー産業にかかわる方々が加わり、8 業種の人々が発起人となりグループ8 が立ち上がったのです。週刊ホテルレストランの編集長であった春口さんのホテル情報は常に満載で本当に役立ちました。皆のためにいつもいっぱいの情報を持ってきてくれましたね。春口さんがいらっしゃらなかったらグループ8 の勉強会は継続しなかったと言っても過言ではありません。また皆さんも業界の発展のためにそれぞれが持っている情報交換をしましたので、その情報を持ち帰ってそれぞれの仕事に生かすことができました。本当に実りのある勉強会でしたね。
 
▶まさに情報満載の飲み会、勉強会だったのですね。グループ8 は基本的に個人が会員となっています。それはどうしてなのですか。
 
藤原　仕事目的で入会される方をお断りするためです。いっとき、会員数を増やすために門戸を広げたところ、グループ8に参画している会員が所属している企業との取引をするためのきっかけとして入会される方が増えたのです。会員が増えることは喜ばしいことですが、営業目的で入会された方からのアプローチが増えてしまったことから、グループ8 から遠のいてしまう方が増えてしまったのです。本来は肩書や企業の看板も不要、まさに顔1 つで参加できる勉強会です。会社に置ける地位や会社の規模などまったく関係ありません。レジャー産業の将来を考え、熱い思いが持った同志の会です。年齢も問いません。その趣旨、目的をご理解いただくために、企業や団体ではなく個人名で参画いただいているのです。人材交流や情報交換を通してそれぞれに新たなつながりを作り出し、まさに「∞（無限大）」に広がる人間関係の中で、レジャー産業、そして個々の企業に寄与、還元していただければと思います。グル―プ8 の「8」は∞を縦にした表記であり、今後、10 年、20 年とグループ8 は無限大な広がりが持てる場として業界内への認知度を一層高めていきたいと思います。
 
森　研究会としてホテルオークラの故橋本保雄氏を中心に運営していた「ホテル研究会」もありましたが、ホテルに絞り込むよりも視野を広げた勉強会を進めていくべきという声があがり、視野を広げました。まさに個々の意識や思い次第で人間関係や知識を無限大に広げることができます。次世代の皆様には業界を作り上げてきた先人たちをうまく活用して、大いに情報収集してほしいですね。
 
▶最後に現在、グループ8 をけん引されている田口会長様よりひと言お願いいたします。
 
田口　グループ8 はまさに現場主義であり、常に最先端の情報を収集するための勉強会や研究会を実施しています。これまで築き上げていただいた諸先輩の意思を受け継ぎ、これからも“Boys be ambitious”青年よ大志を抱けという精神を持ち続け、レジャー産業の発展に寄与する研究会として尽力をつくしてまいります。そしてまさに今、若者たちにバトンを渡すときです。IT 化やAI 化、さまざまなテクノロジーが発達し、私たちの生活や業界を取り巻く環境は変わります。その中でもレジャー産業は人々に喜び、楽しみを常に提供し続けることにより、心が満たされ対価を得ます。物販のように目には見えないものであり、そこにレジャー産業の奥深さや価値があり、レジャー産業に携わる者の喜びがあります。このことを、より多くの若者に知っていただくためにも、無限大に広げられるグループ8 の魅力をご理解いただき、大いに参画していただきたいと思います。