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新連載 新連載 ジャン・メデゥサン ニース料理のレシピ紹介

世界は狭い! ジャック・メドゥサンの友達と東京帝国ホテルで出会う。

【月刊HOTERES 2018年04月号】
2018年04月06日(金)
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 こうしてその日、午後6 時半、私は東京帝国ホテルのホールで新しい日本の友人たちとあいさつをかわすことになったのです。私が自己紹介をすると、その日本人男性が「ジャン・メデゥサン? あのジャック・メデゥサンですか?」と叫ぶのに驚きました。私の家族にはニース市の行政でさまざまな役職を務めた者がおり、戦後はフランス政府で大臣を務めたことのある親戚もいるのでフランスでは知っている人も多い一家です。この日本人男性もきっとどこかのメディアで私の家族の名前を耳にしたのだろうと思い、ジャック・メデゥサンは私の叔父で、彼も祖父のジャンも1928 年から1990 年までニースの市長だったと説明しました。ところが、私を迎えに来てくれたこの男性の話にはまだ続きがあったのです。なんと、彼は私の叔父をよく知っていて、20 年以上も前に彼がニース市役所で市民婚を挙げたときに式に立ち会ったのがなんと私の叔父だったと言うのです! フランスから1 万㎞も離れた場所で20 年以上も前に私の叔父を知っていた人と、その人の友達が病気になったというハプニングのせいで出会うことになるとはなんという偶然でしょう!
 
 夕食を楽しみながら、彼は、叔父が住んでいたニースの「ルー・スブラン(ニースの方言で「頂上」という意味)」邸を訪れたときのことや叔父が料理してくれたことなどを話してくれました。私は、フランス人と同じように料理に情熱的な関心を持っている国民は日本人以外には会ったことがありません。素晴らしくおいしい夕食を楽しみながらもその最中にずっと料理について話し続けるような国民はフランス人と日本人だけです! 私の叔父は1970 年代に「ラ・キュジーヌ・ド・コンテ・ド・ニース(ニース地方の料理)」というニース料理の本を書いたことがあります。その料理本には、私が子供のころに祖父母や両親、叔父や叔母が作るのを見た料理のレシピが載っていました。この本はベストセラーとなり、ガストロノミー界ではバイブルの一つともなりました。この本は料理の歴史についての本ではなく、ニース周辺の南仏地方の料理とは違うニースならでは料理の素晴らしさを分かち合う実用的な料理本です。
 
 20 年以上前に叔父が友人に料理をふるまったように、今日は私が日本の皆さまにニースの家庭料理をご紹介したいと思います。ニース料理はかつて貧しかった土地の郷土料理なので、野菜(昔は肉などよりも安い材料でした)を豊富に使います。そのおかげで今ではヘルシーな料理として人気です。「ラ・トゥルシア」がその良い例です。「ラ・トゥルシア」はフダンソウという野菜を詰めた、オムレツのような一品です。ニース料理は作るには時間がかかることが多いですが、作り方自体は特に難しいことはありません。丁寧に準備することは大切ですが、これは日本人の皆さまが得意とすることでしょう! カイエットまたは「リ・カイエッタ(ニース風肉の包み煮)」と呼ばれる料理はまさにそんなレシピです。

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