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第132 回 ㈱フェイス 福永 有利子 氏 × 一般社団法人 WANOBI 和の美 三宮 優子 氏 

Wプロフェッショナルズ  第132 回  日本の伝統工芸の素晴らしさを世界に発信、伝統工芸の灯を消さない活動に取り組む

【月刊HOTERES 2018年08月号】
2018年08月24日(金)
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㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏
一般社団法人 WANOBI 和の美 代表理事 三宮 優子 氏

日本の伝統工芸は繊細で優美、時間をかけてじっくり作り上げてきた。その美しさはまさに匠たちの技の集結であり、今もなおその伝統は受け継がれている。ところが戦後に欧米化の波が押し寄せ生活様式も西洋化が進むほど、日本古来の伝統工芸は姿を消しつつある。そこで日本の伝統文化の素晴らしさを海外に発信することで、日本人に気づきを与えようと立ち上がったのが一般社団法人WANOBI(和の美)だ。代表理事を務める三宮優子氏に立ち上げに至った経緯や今後の取り組みについてお聞きした。

福永 日本の伝統工芸は全国各地で継承されていますが、後継者問題や伝統工芸品に対する日本人の思考の変化など、さまざまな問題から匠の火が消えつつあります。しかし数百年のときを超え、今日まで受け継がれてきた匠の技は日本ならではのものであり、ぜひ、後世でも生き続けてほしいと願っています。WANOBIさんは後継者問題対策も視野に一般社団法人を立ち上げられ、活動されていらっしゃるとお聞きしました。始めに立ち上げに至った経緯をお聞かせ下さい。
 
三宮 私の時代はまさにアメリカンドリームを体現しようと、日本国民の目はアメリカに向いていました。私自身、英語教育に長く携わり、神戸ビジネススクールではビジネス英語研修とともにインバウンドツーリズムのための多言語翻訳などを手掛けています。ある時、習っている茶道の関係で、お茶を点てるときに使用する竹の茶筅(ちゃせん)を作っている茶筅師の方の実演を見学する機会があったのですが、そのときに衝撃が走りました。実に1 本の茶筅が完成するまで2 年間の歳月を要するというのです。奈良県生駒市高山町のこのお家では、お得意様である各流派の家元に主に卸していますが、歴史は500年以上と千利休よりも古く、今の当主は20 代目になるそうです。日本製のシェアのほとんどを担う高山茶筅がこんなに時間をかけて作られていることを初めて知るとともに、このような伝統工芸の灯を消したくないと強く感じました。アメリカばかりに向いていた自分自身を恥ずかしく思うとともに、日本の素晴らしい伝統文化についての知識が欠けていることを認識し、本物をきちんとした英語で海外の人たちに伝えたいと思いました。そうすれば、海外の方の中から伝統工芸に関心を持ち、将来的に継承していきたいという人たちが現れてくるのかもしれないと考え、「一般社団法人WANOBI 和の美」を立ち上げることになったのです。

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