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第31回 (株)エスプレシーボ・コム  代表取締役 安東 徳子 氏  科学で伸ばす人事戦略 数値化できるホスピタリティ

第31回 想像性の欠如が及ぼす弊害〈分析〉

【月刊HOTERES 2019年03月号】
2019年03月15日(金)
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株式会社エスプレシーボ・コム
代表取締役
安東徳子氏

〈プロフィール〉ウエディング業界、専門学校を中心としたコンサルテーション業を長年に渡り幅広く展開。コンサルテーションによる課題発見と解決手法を示すだけでなく、研修も並行して行うサービススタイルが確実な結果を生むことから評判を呼び、コンサルテーション業務自体のリピート率の高さも注目されている。サービス業に特化した研修で現在までに1万人以上の受講実績を持つ。そこから導き出された独自のホスピタリティ理論は業界内外で高い評価を得ている。近年では千葉県の美容系専門学校の立ち上げコンサルテーションを担当し、創立翌年から9年連続県下1位の入学者数を維持するという驚異的な結果も出した。これらの実績は『共感力』をベースとした独自理論『ECメソッド』から生まれている。
 
☆ホスピタリティビリティ研修についてのお問合せ
㈱ポジティーボ ホスピタリティビリティ研修係 info@positivo.com

 
 いかに知性があっても想像力が伴わなければ、適切な仮説を立てることができませんし、お客さまに同調することもできません。ホスピタリティにおいては多様な想像力が求められますが、今回は特に習慣化してほしい、「what's BEFORE/NEXT」の思考法についてお話しいたします。
 

〈想像性に欠けるトーク例①〉
シチュエーション:レストランでメニューを開いたお客さま。『香魚』の料理を注文する。
 
お客さま「『かおりうお』の塩焼きを一つください」
スタッフ「かおりうお? あー、こちらですか。『あゆ』の塩焼きお一つですね」
 
〈想像性に欠けるトーク例②〉
シチュエーション:大規模ホテルのチャペルでの結婚式に列席するゲスト。
館内が広く、エレベーターやエスカレーターも複数あって、わかりにくい上に式の時間が迫っているので、非常に急いでいる。
そこで、エレベーターの前にいるベルボーイに、チャペルの場所を聞いた。
 
お客さま「チャペルはどこですか?」
ベルボーイ「新館5 階の空中庭園でございます」
 
 2 つの事例のスタッフの応答には、どのような想像が欠落しているのでしょうか?
 
 お客さまの行動は常に、過去から現在、そして未来につながるものです。
事例①では、お客さまが発注をする前に、メニューの「香魚」という表記を「かおりうお」と読み間違えるという行動があります。
事例②の場合は、チャペルへ行くというワンステップ後の行動があります。
しかし、2つの事例では、お客さまの過去または未来の行動に対する想像が欠如した返答をしています。
 
〈対策〉
 現在のお客さまの行動には必ず、過去または未来の行動が伴っていますが、そのことを忘れると、お客さまの真意にたどり着けません。まず、「どうしてこうなった?(what's BEFORE)」「この後どうなる?(what's NEXT)」を想像した上で、「ストレートに対応する以外に、何かできることはないかな」と考えなければならないのです。
 
 過去や未来への想像が欠如していると、お客さまに恥をかかせてしまったり、正しいご案内ができなかったりと、お客さまを不快にしてしまいます。これではホスピタリティどころか、「当たり前の接客」すら、できていない状態です。

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