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インタビュー デービッド ブーレイ 

日本の伝統食材に出会い、新たな気付きを得る  それらを活かし食と健康、食と科学の結びつきを啓蒙していきたい(前編)

【週刊ホテルレストラン2019年06月14日号】
2019年06月14日(金)
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ニューヨークを代表するトップシェフとして知られるデービッド・ブーレイ氏。早くからフレンチに和食の要素を取り入れるなど、日本とのつながりも深い。2016 年には、日本政府から「日本食普及の親善大使」に正式に任命され、世界に和食の魅力を伝える役割を果たしている。彼が着目しているのが、食と健康、食と科学との結びつきを広く啓蒙すること。その活動に至った経緯、取り組み内容、今後の動きなどをインタビュー。
本誌では今週から2 回に分けてその内容を紹介する。前編は、日本食との出会いや食を通じた健康の重要性である。

●デービッド・ブーレイ氏
幾度もミシュランの星を獲得した人気フランス料理店「ブーレイ」のオーナー兼、天才シェフ。“ ブーレイ・マジック” と称される彼の創造性あふれる料理は、多くの人々を魅了している。60 代を迎え、日本への武者修行の旅へ出たことも。各地の伝統食材から学んだ知識を生かし、美食の世界にさらなる革命を起こしている。

 
食と健康の研究に従事、
日本にも興味を持つ
 
❒ 日本食と出会ったきっかけを教えていただけますか。
 

 初めて日本を訪れたのは1996 年です。その年、タイ王妃にレストラン「ブーレー」へ三度ご来店いただいたのがご縁で、バンコクのアテネホテルで行なわれる、参加者450 人規模のチャリティーイベントにお招きいただき、調理を担当することになりました。
 
これを知った辻調グループ代表・校長の辻芳樹さんから、「ブーレーが工事中というタイミングであるなら、少し早めに出発して日本国内でしばらく一緒に過ごそう」とお誘いいただきました。来日後、東京にある辻さんの学校を訪問し、7 人の先生たちと共に現場に立たせてもらったのです。
1 週間という短い期間でしたが、とても多くの学びがありました。また、辻さんが毎晩のように素晴らしい懐石料理店に連れて行ってくれました。さらに、大阪にも飛んで、辻さんの学校で2日間中国料理のクッキングを見学させていただいたり、多数のフレンチ部門のシェフと交流する機会を持つことができました。タイへ向かう途中の出来事でしたが、私自身が実はほとんど日本食のことを知らなかったことに気付きました。
辻さんと一緒に食事をしている際、日本食の質の高さや繊細さを目の当たりにし、好奇心を刺激され、もっと深く知りたいと思うようになったのです。こんなに連れ回されたのは私の人生で初めての経験でしたが、得るものがとても多く充実した旅となりました。
 
❒ デービッド・ブーレイさんは、食と健康に関する研究においても高い評価を得られています。
 
 2 年ほど前にコネティカット大学から名誉博士号を授与されました。近ごろ、私のことをシェフではなくドクターと呼ぶ人がいるのは、そのためです。また、コーネル大学医学部やロンビア大学医学部からはグリーン博士とともにそれぞれ特別功労賞をいただきました。大学側の私たちの研究に対する評価を興味深く感じています。
 
 こうしたこともあって、私はシェフとして、食べ物がどのように私たちの健康に役立つのかについて、もっと学ばなくてはならないと痛感しました。米国では、これまで多くの健康専門職の人たちが、食べ物について学ぶ機会があまりありませんでした。だからこそ、きっと私がお役に立てると思っています。彼らは食べ物に関する教育を受けていないため、単なる科学的アプローチだけではなく、今日の食べ物についてもっと知りたいと思っているはずです。科学も非常に重要ですが、この10 年間、私は料理や風味における健康という新しいジャンルを打ち立てるため、壁を打ち破ることをミッションとしてきました。
 
 今回、NHK BS プレミアムの番組「一皿の魔法 NY天才シェフ 日本修業の旅」への出演を通じて日本でリサーチを行なう機会に恵まれ、科学者や研究機関・医療機関・学校などへの訪問を通じて、より深く日本の食と健康に関する事情を知ることができました。
その模様は何回かに分けて放送されることでしょう。番組では、長野の生化学者をコーネル大学へ連れて行く企画もあり、米国の複数の科学者が発酵食品「すんき」をマイクロバイオームの観点から共同で研究しました。
彼らはバクテリアの役割や効能に大変驚いており、今後も研究を継続していくことになるでしょう。
 
 日本では、ほかの国々と比較してよりヘルシーなものを食べることが文化になっています。ただ、その効能について、より深く理解する必要があるとも思います。せっかく日常生活に取り入れることができるわけですから、もう少し興味を持っていただけると良いと思っています。
 
 

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