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2020年5月29日号 トップインタビュー (株)ワンダーテーブル 代表取締役社長 秋元 巳智雄 氏

トップインタビュー (株)ワンダーテーブル 代表取締役社長 秋元 巳智雄 氏

【月刊HOTERES 2020年05月号】
2020年05月28日(木)
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“25 万円” からまた会社を作っていこう!と誓った日

---テイクアウトの商品開発を3 月頭には始められていたということですが、デリバリーについては急激な参入希望拡大による受付停止を受けて参入を断念した企業も多い中、御社は4 月初旬には御社の“テイクアウトとデリバリー販売を実施する自社レストランのまとめサイト”もリリースされた程体制が整っていました。
先日は酒類の販売も始められ、有事における対策のリーディングカンパニーとして高い評価を得ています。これらの戦略はどのように指揮されたのでしょうか?


先ほどもお話ししましたが、テイクアウトとデリバリー商品を強化する点は3 月の頭には幹部が戦略を共有していましたので、例えばデリバリー業者様とは既にお取引があったところはもちろんのこと、新規の企業も広報の竹原が各社とネゴシエーションをその時点から開始していました。またサイト構築の設計も同時進行で着手し、商品開発も3 月中には全ブランドで提供が可能な体制を整えるようにしました。これは私の指示もありましたがそれぞれの部門で先手、先手を打つ動きをしてくれたことも大きかったと思います。ただ実情は焼け石に水な面もあります。全店舗休業に突入した4 月8 日のレストランの売り上げは0 円、テイクアウトとデリバリー初日の売り上げが25 万円。一店舗の家賃にもなりません。

しかし日々少しずつ売り上げがあがり、次の日曜日には140 万円にまで伸びました。その後も徐々にではありますがご利用いただくお客さまが増えており、先だっては週末に「Lawry's The Prime Rib」だけで200kgのお肉を売るまでに認知も広がりました。もちろん週明けの月曜日には数字が下がることもありますが、それでも頑張ろうということで皆が鼓舞しあい、頑張っている状態です。

---素晴らしいですね。ちなみに従業員の方たちのモチベーションケアはどのようにされていますか?

それもあってのテイクアウト事業なのですが、お給料は保証するとしても経営者としては彼らの仕事を作る努力も必要だと考えています。そこでまず“日商3千万だった過去は忘れ今一度25 万円から会社を作っていくんだ”と意思表明を社員全員と共有した上で、おのおののブランドで何ができるか、何をするかを日々模索していますし、商品開発にも力を入れています。中には自転車を購入し、スタッフみずからデリバリーをしている店舗もあります。もともと2020 年というのは時代の転換期となる年になると考えていました。

そのきっかけが新型コロナウイルスだったことは残念ですが、その結果としてZoomなどテクノロジーを使った家飲みという新しい文化や価値観が生まれ、レストランの在り方に新たな意味が生まれたとも言えますし、終息後に向けた現場の価値観や意識も既に変わっています。もちろん、非日常空間に出向き、上質なサービスを受け、出来立てのごちそうを食べるといったレストランの既存価値はなくならないと思いますが、一方で家に居ながらにしてそういったお店の味を楽しむ文化が今まで以上に根付くであろうことは明白です。それであれば今をそういった未来に対する試行錯誤のチャンスだと考えよう、耐えるのではなくSurvive する期間だと受け止めて有益な時間にしたいと考えました。ですからこれらの事業は未来に向けて育てていくという意識で皆、動いています。半ば強制的に促されたパラダイムシフトではありますが、それを受け入れる柔軟性を持つこともこういった有事の際、大切ではないでしょうか?

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