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2020年6月26日号 トップインタビュー ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(株) 代表取締役社長 井上 理 氏

トップインタビュー ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(株) 代表取締役社長 井上 理 氏

【月刊HOTERES 2020年06月号】
2020年06月25日(木)
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複数のブランドと独自の運営モデルを確立しているのがホテル運営会社としてのソラーレの特徴

---ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツはここ数年で店舗数を増やしてきましたが、その戦略について教えてください。

チサンという旧来のブランドでは、将来的に競争力を維持するのが難しいと考えていたので、新たなブランドが必要でした。幸運なことにタイミングよくマーケット状況が好転し始めたので、2014 年ごろから新ブランド作りに着手し、新ブランドのホテルが実際にオープンしたのは2016 年から2018 年です。2019 年以降は、新規開発の出店を少なくし、各ブランドの確立に努めています。

新ブランドのホテル出店に関しては、将来的な競争の激化を予測し、エリアの選定よりもとにかく新たなブランドのコンセプトを具現化できるホテルを創ることに重点をおいてプロジェクトを進めてきました。

---オーナーがホテル運営会社としてソラーレ社を選ぶ理由はどこにあると分析していますか。

さまざまなホテル運営会社が存在する中、私は、本部と現場がそれぞれ役割を分担し、運営ホテルの価値を最大化することが重要であると考えています。

当社の場合、接客サービスをはじめとする現場対応以外のホテル運営や管理機能を本部に集約しています。その結果、現場はより接客に集中できる環境になり、顧客満足を高めていくことができる。さらに、本部が現場のベストプラクティスを集約し、それをすべてのホテルに水平展開することで、運営の質を高める独自の仕組みを確立しています。

オーナーの皆さまには、これらの仕組みや取り組みを評価していただいていると思います。当然、ソラーレの企業規模も選ばれる上で重要な要素になっていると思います。

プランづくりや売り上げに対する責任は現場ではなく本部が担わなければならない

---コロナ禍にある現在の状況において、現場が取り組むべきことは何でしょうか。

一般的にホテル業界では「現場がプラン開発をするべきだ」という考え方が根強く残ってしまっていると感じます。ソラーレにおける現場の立ち位置はそうではなく、現場にプランづくりや増収を強要するスタイルにはなっていません。

現場がやるべきなのはオペレーションにおけるサービスの品質を向上させることにあります。その取り組みがお客さまに魅力を感じていただけるホテルづくりの基盤となっていくのです。

コロナ禍で除菌や清掃がこれまで以上に求められる中、現場の業務は間違いなく増えていきます。現場は現場でしかできない業務と、お客さまへのサービスに集中するべきです。その環境整備という意味でも、当社のチェーン展開モデルは有益だと考えています。

---清掃会社をグループ内で持っていることもコロナ禍を受け、差別化ポイントとなるのではないでしょうか。

ホテル運営会社が清掃会社を持つ意味はとても大きいと私は考えています。お客さまが最も長い時間滞在するのは客室であり、その空間の品質管理を他社に依存するのではなく、自社で完結できるのが望ましい。そのような理想が、このスタイルの出発点になっています。

現実問題としてチェーンの全店舗の客室清掃を自社で賄えているわけではなく、自社で行なうと明らかにコストが高くなってしまう店舗については他社に委託していますが、将来的にはすべての店舗を自社清掃に切り替えたいと考えています。

新型コロナウィルスの問題が発生したことで、清掃会社も会社としての質が大変重要な要素となると思います。

お客さまにとっては、ホテルが講じるコロナ対策は非常に気になる問題であり、ホテルが表明している対策が本当になされているのか、とても興味を持っていると思います。実際には対策がなされているかを確認する方法がないように思われるかも知れませんが、客室清掃を見ていただければ一目瞭然です。そのため、清掃を外部に委託している場合、清掃会社がコロナ対策をどれだけ真摯に受け止め、現場に対し指導しているのか会社としての姿勢が問われるので、清掃会社自体の選択は重要な判断になると思います。

お客さまとの信頼関係は、あくまでもホテルブランドを通じて行なわれるため、運営会社、清掃会社が協力し、コロナ対策コストを抑制しつつ、ホテルブランド力を向上させていくことが求められると思います。

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