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2023年6月9日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《全国編~ブライダルマーケット編~》

2023年6月9日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《全国編~ブライダルマーケット編~》

【月刊HOTERES 2023年06月号】
2023年06月08日(木)
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前回に引き続き新たに全データを更新して全国の主要都市を分析していくにあたって、わが国のブライダルマーケットの動向について整理しておきたい。ブライダルはホテルや大型レストランの収益の柱の一つであるが、近年、ブライダルマーケットの縮小が言われている。社会環境やライフスタイルの変化に伴い、若者の結婚に求めるものも変化しつつあり、結婚への意識も合わせて見ていきたい。

1.ブライダルマーケットの動向

ブライダルビジネスのマーケットボリュームを見るために、潜在的マーケットとなる婚姻件数(役所に提出された婚姻届の数)を見ると、2021年は 50万 1138件となっている。前年から24369件の減少となった。また、その年の人口規模によらない婚姻件数の密度を判断する婚姻率(※1)は 4.1件/千人となっている。前年から0.2件/千人の減少となった。(図表1)
 
近年の婚姻件数の変動を見ると、団塊世代の婚姻ピーク期である1960~ 70年代前半に大きく増加しており、1972年には 109万 9984件で最高値を記録した、さらに団塊ジュニアの婚姻ピーク期である 90年代後半にもやや増加したものの、2000年代に入ってからはおおむね減少の一途である。婚姻率も同様であり、最高値は 1947年の 12.0件/千人である。2019年には若干持ち直しが見られたものの、21年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響があったことから、さらに大きく落ち込む結果となっている。

ブライダルビジネスは人口動態に左右される産業である。わが国の人口構造を人口ピラミッド(※ 2)から見ると、少子高齢化を表す極端な壺型になっており、深刻な人口減少社会になることが予想されている。わが国の人口構造は団塊世代、団塊ジュニアの人口ボリュームの山があることが大きな特徴と言える。団塊ジュニアの世代はすでに 40歳を超えており、一般的な結婚適齢期(20歳代~30歳代)は過ぎている。団塊ジュニアは景気の後退やライフスタイルの変化などから結婚・出産が促進されなかった。このような状況から今後のブライダルビジネスは長期的に潜在的マーケットが縮小していくことを念頭に置かなければならない。(図表 2)
 
とは言え、近年のブライダルビジネスではむしろなし婚(挙式・披露宴を行なわない結婚)によって市場が縮小していることが深刻であり、現時点ではなし婚の解消によって市場が拡大する可能性が大きい。なし婚は結婚前の妊娠や経済的な事情によるものが多く、妊婦に配慮した挙式・披露宴サービスや低価格のプランなどが提供され、市場喚起の努力がされている。
 
ブライダルマーケットは地域によって大きく様相が異なる。都道府県別に婚姻件数や婚姻率を見ると、婚姻件数は東京都が 6万 9813件で最も多いことがわかる。それに次いで大阪府の 3万 9005件、神奈川県の 3万 8664件、愛知県の 3万 3509件となっている。当然ながら人口の多い大都市ほどブライダルマーケットも大きいが、東京都の規模が突出して大きい状況である。最も婚姻件数が少ないのは鳥取県の 1977件で、大都市との格差は大きく開いている。(図表3、4)
 
都道府県別に婚姻率を見ると、東京都が 5.2件/千人で最も高く、それに次いで沖縄県の 4.8件/千人となっている。その後は大都市が続いているが、滋賀県も4.2件/千人で大都市とともに上位にいる。東京都は婚姻件数規模・婚姻率共に大きく、競合を考えなければ非常に優位なブライダルマーケットである。しかし、沖縄県や滋賀県のように婚姻件数の規模は中位でも婚姻率は上位に位置する県もある。また、婚姻件数の規模は下位の鳥取県や島根県も婚姻率は中位に位置している。東北の県では高齢化の進展が顕著であり、潜在的マーケットの縮小が深刻であるが、その一方で九州などの県では比較的活気のあるマーケットが存在する。(図表3、5)
 
  近年のブライダルマーケットの特徴としてあげられるのが、晩婚化の進展である。2021年の平均婚姻年齢を見ると、男性は 31.0歳、女性は 29.5歳となっている。婚姻年齢はどんどん上昇し、現在は男女共に 30歳前後になってきているが、2015年ごろから上げ止まった感もある。しかし、男女ともに 25歳~29歳の初婚ピークは低くなる傾向にあり、20歳代よりも30歳代が増加している。結婚年齢は多様化する方向性にあると言える。晩婚化になっていく理由には、女性の社会進出に伴うライフスタイルの変化や意識の変化などがあげられ、今後もある程度の晩婚化は定着すると考えられる。(図表 6)
  
  その他に特筆されるのが離婚の増加と、それに伴う再婚の増加である。2021年の再婚件数は夫9万5924件、妻8万 3355件となっており、夫が再婚、妻が再婚、両方が再婚の件数を合計すると、婚姻件数全体の 26.0%と約 1/4を占めるようになっている。再婚件数は2000年代中ごろまでは増加の一途で(現在は婚姻件数自体の減少に伴い減少)、存在感が増している。再婚の場合、昔は世間体を気にして挙式・披露宴は行なわないこともあったが、離婚や再婚が一般化していく中で挙式・披露宴をあげることに対する抵抗感もなくなってきている。晩婚化と共に高額支出が期待できる大人マーケットとして注目される。 
 
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※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入いただけますよう、お願い申し上げます。
 
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