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【レポート】カンパリ・ブランドアンバサダー小川尚人氏×ザ・カハララウンジ・バーテンダー 岩﨑櫻子氏の共演

2023年08月08日(火)
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2023年7月29日(土)に、横浜・みなとみらいにある「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」にて一夜限りのカクテルイベント「CAMPARI RED NIGHT in KAHALA」が開催された。それに先駆け、7月28日(金)にはメディア向けの会が開催されたのでレポートしたい。

【クラフト×〇〇】
弊誌「週刊ホテルレストラン2023年7月28日号」でも紹介したが、顧客体験をクラフト×〇〇と考えた際、今回のイベントは多くの体験がミックスされて出来上がっていると感じた。まずは、小川尚人氏と岩﨑櫻子氏という二人の創造性を楽しめる点だ。簡単に両者の紹介をしよう。
 

CAMPARI ブランドアンバサダー 小川尚人氏
小川氏はニュージーランドやオーストラリアへの留学経験後、神戸の老舗店Bar elixir de longue vieでバーテンダーとしての修行を積み、様々な大会での受賞歴をはじめ、CAMPARI Cocktail Competition Asia 2018では日本チャンピオンとなり、日本代表としてミラノで開催されたアジア大会へ出場。その後Campari Groupの日本におけるオフィシャル・ブランドアンバサダーとして活動をスタートしている。

ザ・カハララウンジ・バーテンダー 岩﨑櫻子氏
岩﨑氏は大学卒業後、リゾートトラストグループへ入社。グランドエクシブ初島クラブに配属され、バーテンダーを志す。2020年、横浜ベイコート俱楽部開業に伴い異動し、2022年にはザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜に異動となり、ザ・カハララウンジへ配属された。戸塚信弥氏に師事しつつ、CTスピリッツジャパンカクテルチャレンジ2021 カンパリ部門第3位をはじめ、様々な大会に出場し受賞するなど、 現在、精力的に活動している。

そんな二人のカクテルを、横浜の様々なランドマークを一望できる「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」で楽しめるのが今回のイベントだ。加えて、「カハラらしい」ハワイの空気感を味わうことができるようになっていた。コラボレーション、ランドマーク、空気感という唯一無二の体験が一夜限りではあるが体験できるとなれば、期待感がいやが上にも増してしまうだろう。
 
 
【ハワイに想いを馳せつつ…】
ここからは、カクテルを紹介していきたい。今回のイベントは、カンパリを使ったオリジナルカクテルの共演だ。しかし、そこにはどことなく「ハワイ」を感じさせる、もしくは想わせるヒントが隠されている。
 

Free as a Bird
Yogurt washed Campari, Fig Leaf infused Pear Vodka, Mascarpone Cheese Water Liquid, Champagne, Cardamon Honey Form
 

こちらは、小川氏考案のカクテル。カルダモンのスパイスの香りがあり、グァバやパッションフルーツ、パイナップルのようなトロピカルな印象の香りがある。
 
泡はコクがあり、トロピカル感とスパイス感とマッチしている。シャンパーニュの酸味も単体よりは柔らかく感じ、ほんのり乳酸様の風味を感じる。Fig Leaf infused Pear Vodkaのニュアンスが印象的。
 
用いるシャンパーニュによって表情が変わると感じた。今回はラリエが用いられていたが、バランスの良いラリエがベースとなってあり、その上に様々な要素が乗っている印象を受けた。泡や炭酸の刺激もあり、飲みやすく口当たりも良い。ハワイのビーチで出されるようなトロピカルで少し乳酸チックな味わいも今回のイベントとマッチしている。カクテルとしては、タンドリーチキンやハニーソース、マスタードなどを用いた料理とも相性が良さそうに感じた。
 

80’s Ducktail
ITAKUJA wax washed Campari, Homemade 80’s American Liquid, Soda, Absenth, Laurel
 

こちらも小川氏考案のカクテル。このカクテルは、やはり80’sという名がついているだけあり、昔のフレーバーを感じさせてくれる。特に昔食べた駄菓子のような甘さと良い意味での嘘っぽさがとても面白い。
 
ヨモギのような香り、ハーバルな印象の奥にカンパリのニュアンス、甘く香るキャンディーのような香りは、ストロベリーやミックスベリーを想わせる。ちまきのようなニュアンス、ハーブ感、ケミカル感、ほんのりとアブサンの印象。飲みやすく中盤にコーティングしたチョコのようなニュアンスを感じる。総じて、昔懐かしい香りと甘さがあり、その奥にカンパリやアブサンの遊び心があるアメリカンな一杯だ。
 

Thunder & Storm
Campari, Wild Turkey, Lact acid Mikan Juice, Espresso Beans, Mint Leaf, Chocolate
 

こちらも小川氏考案のカクテル。名前の印象もあってか、このカクテルを飲んだ時に、シェイクスピアの「テンペスト」を思い浮かべた。プロスペロが難破船を崖から眺め、その崖には下草などが雨(あらし)に乗って香る、そんな情景が浮かんだ。
 
スモークが強いかと思いきや、味わいには用いられているコンポーネントがしっかりと感じられる。スモークの香り、そしてミント、コーヒー、ワイルドターキーの甘さ、ミカン。酸が全体をキュッとしめるようにアクセントを加えている。ジューシーなのに大人でワイルドな雰囲気がある。苦味、酸味、甘さ(ミカン由来)のバランスが良い。濃すぎず、カンパリのビターネスとコーヒーのビターネスの2種類のビターさ上手く調和しており、そこにワイルドターキーの甘さとちょっぴりスパイス感が合わさる。ミントの清涼感も主張が強くなく、風にそよぐハーブのような印象を出している。
 

Nitro Campari
Passionfruit Puree, Yuzu Juice, Lemon Juice, Tonic Water, Raspberry Powder, Edible Flower
 

こちらも小川氏考案のカクテル。以前にも紹介したことのあるカクテルだが、前回よりもパッションフルーツ感が増しており、泡もエアリーさとジューシー感をより感じさせてくれるスタイル。夏という事や「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」での開催という事もあり、よりイベントにマッチした味わいに仕上がっている。
 

Ole Ua, Ole Anuenue
Pineapple infused Campari, The KAHALA Original Blended Coffee infused Cinzano 1757 Rosso, Soda, Cotton Candy
 

こちらは、岩﨑氏考案のカクテル。コットンキャンディがなんとも可愛らしい雰囲気をだしているが、カクテル名にもなっている「Ole Ua, Ole Anuenue (No Rain, No Rainbow)」はハワイの価値観を表すようなことわざのようだ。涙の後には虹が出るではないが、困難の先のよろこびを表すようで、虹の州とも言われるハワイらしい言葉だ。
 
そんな言葉を題したカクテルは、雨上がりを感じさせてくれる雰囲気がある。チンザノに浸漬されたコーヒーが程よくアーシーなニュアンスを醸し出しており、ほのかな苦味とパイナップルの香りのコントラストが、ビーチではないよりindigenousなハワイを想わせてくれる。コットンキャンディの飾りも可愛らしい。飾りと一緒にカクテルを口に含むと、以前小川氏が考案したアメリカーナにも似た、フェミニンでチャーミングな印象にも変化する。炭酸が雨のような音を感じさせるのも心地よい。
 

Red Ocean
Campari, Elder Flower Liqueur, Hibiscus Syrup, Cononut Water, Hibiscus
 

こちらも、岩﨑氏考案のカクテル。名前の由来は、夕日が映える海だそうで、ビジネスの文脈で用いられる競争環境の激しい市場とは真逆の穏やかさをイメージした一杯だ。
 
ハイビスカスのキュッと締まった酸味、エルダーフラワーを相俟ってボタニカル感を出している。シンプルに素材の良さを楽しませてくれる味わいで、ハワイの代名詞ともいえるハイビスカスの花言葉でもある「繊細で上品な美しさ」が感じられる。濃さがあるように感じる見た目だが、酸味のおかげで重々しくない。カンパリの赤をイメージさせつつ、ハワイらしい素材が上品にまとめ上げられている。
 

プレス向けのプレイベントだったこともあるのか、小川氏も岩﨑氏もカクテル制作中の笑顔が多く見られたのが良かった。また、岩﨑氏を優しく見守る戸塚氏の姿も印象的であった。7月29日(土)のイベント本番も盛況だったとの事、訪れた方々は一夜限りの体験を満喫されたことだろうと思う。
 

当日、中華街からバスに乗って「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」へ向かったのだが、中華街はもとより、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAの袋を持った海外観光客や赤レンガ倉庫へ向かう家族連れの方々を多く目にした。横浜アンパンマンこどもミュージアムやカップヌードルミュージアム 横浜へ訪れる方々も多いと聞く。横浜湾岸沿いにはそうしたデスティネーションが集積しており、回遊性をいかにデザインしていくかが鍵だと思う。
 
冒頭で少し触れたように、顧客体験=クラフト×〇〇とした際、今回のようなコラボレーションは人的資本経営や業界で見ても、育成という観点から非常に重要な機会であることは間違いがない。開催して終わりではなく、その経験を自身の向上や社内へと活かし、よい循環へと還元していくことも重要になる。インタンジブルなアセットといてイベントをどのように活用していくのかというのも、現場だけでなく経営側双方の戦略を基に行う必要がある。岩﨑氏とザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜の活躍にも注目していきたい。
 

担当:小川

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