5 月12 日の決勝戦に進出した7 名。左から、名古屋東急ホテル(倉田光紘氏)、横浜ベイホテル東急(辻 慎太郎氏)、 審査委員特別賞の下田東急ホテル(斉藤克己氏)、グランプリのセルリアンタワー東急ホテル(竹末宗弘氏)、準グラン プリの京都東急ホテル(乾 彰二郎氏)、ザ・キャピトルホテル東急(佐久間美宏氏)、松山東急REI ホテル(花岡佑輔氏)
若手料理人の育成とグループチェーンの技術力向上を目的として、毎年開催している「東急ホテルズ料理コンテスト」の決勝戦が5 月12 日、横浜ベイホテル東急で行なわれた。今年は第14 回。全国35 店舗、35 作品の中から決勝戦に選出された7 名が、試作を何度も重ねた末の集大成を披露した。
東急ホテルズ兼ザ・キャピトルホテル東急の総料理長 加藤完十郎氏も言うように、「グランプリ作品を商品化し、全国のホテルで提供するのが最終目標とあって、集客力や収益性を踏まえた上で個々の技術力を競う。そういった点では、ほかの社内コンテストでは見られない試みでもあり、メニューに対する考え方をビジネスライクにとらえていく意味合いも含む」のが“ 食の東急” を掲げる、東急ホテルズならではの料理コンテストと言える。
テーマ料理は、昨年の「ハンバーグ」に次ぐ国民食の「カレー」。グランプリは、セルリアンタワー東急ホテル・竹末宗弘氏の「野菜と穀物のスパイシーカレー菜園仕立て」が受賞した。竹末氏は、「現代のボタニカルブームやスローフードの理念を取り入れ、季節野菜や豆、穀物を中心に20 種の植物を採用。動物性は卵のみ使用し、入手しやすい食材に留意した」とコンセプトを述べているが、受賞後に販売するという目的があるからこそ、話題性を取り入れつつ食材費を加味したメニュー造成が施されたようだ。
高橋 遠代表取締役社長は、「インバウンドの増加により全国的に客室稼働は上昇しているが、レストランについては回復していない。4 月にホテルブランドを三つに再編したが、これまで以上に“ 食の東急” を打ち出していくことでレストランの増収につなげていきたい」と総括した。グランプリ作品は、今夏の新メニューとして全国で展開する。
(取材・本誌 森下智美)