エンパワーリングゾーンにあるUAEパビリオン
大阪・関西万博が4月13日に開幕しました。初日は約11万9000人、関係者2万人を含めると、約14.1万人の来訪者で大変な賑わい。 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。4月13日から10月13日までの半年間、184日間にわたって開催され、158の国や地域、7つの国際機関、自治体や民間企業も参加。会場の広さは東京ドーム約33個分で約155ヘクタール。シンボルである「大屋根リング」内に「多様でありながらひとつ」という万博の理念のもと国内外約180のパビリオンが展示されています。私は開幕前のメディアデーに行ってきたのですが、この日は全国から4500人のメディア関係者が集結。「大屋根リング」は壮観でした。高さは外側20メートル(内側約12メートル)。「貫接合」(ぬきせつごう)という日本の伝統構法で作られた世界最大級の木造建築、ちなみに費用は350億円かかったそう。しかし、会場が広い・・・広すぎます。でも、歩き疲れたあとに、この日の取材先であるアラブ首長国連邦(UAE)パビリオンを訪れると、一気に癒されました。
90本の葉軸の柱が連なる壮大な「森」が語るもの
会場にはパビリオンの象徴であるナツメヤシで出来た柱が90本も立ち、最大の高さは16メートル。壮観です。UAEならではの森をイメージしているので、そこにいるだけでほっとくつろげます。この、天空へと伸びるナツメヤシは、UAEの人々の精神を象徴する証。今回のパビリオンでは宇宙探査、医療革新、持続可能な未来を切り拓き、すべての生命を「大地から天空へ」と力づけるメッセージが込められています。
シハブ・アル・ファヒームにインタビュー
シハブ・アル・ファヒーム駐日アラブ首長国連邦特命全権大使兼大阪万博UAEパビリオン事務局長にインタビューさせていただきました。
「UAEが2025年大阪万博に参加することをとてもうれしく思っています。このパビリオンの世界観はUAEをまさに日本に持ってきたというイメージなんです。90本の柱は農業廃棄物から作られたナツメヤシの葉軸で、これは伝統的なアラブ首長国連邦の素材であり、砂漠ではとても大切な存在です。それを日本の木造建築技術と融合させて完成しました。また使用されているブロックは代替コンクリートだったり、環境保護と環境の共存の価値も示しています」「パビリオンで活躍するスタッフはUAEと日本の若き親善大使。ユースアンバサダーは46名います。彼らは双方の国を訪れ歴史や文化を学んできました。来場者にストーリーテリングを通じて文化間の理解を深める役目を担った大切な親善大使です。そしてここでは本格的なアラブの伝統料理であるエミラティ料理も楽しんでいただけます。期間中、出逢いがあったり、アイデアが浮かんだり、何か解決する答えが見つかる・・そんな場所であって欲しいと願っています」



アラブの伝統料理「エミラティ料理」
パビリオン内にあるレストランでは「マクブース(マッチブース)」や「サルーナ」、「カミール」、「サゴ」といったエミラティ料理が頂けます。私は今回、「ベジタブルサルーナ」と「マッチブース・サマク(魚)」の2つのメニューにトライしました。スペシャルドリンクとして「デーツシードのアイスコーヒー」「グリーンジュース」など6種類から1つを選ぶことができます。私はスタッフおすすめの「ラフシュとラクダミルク」をチョイス。席につくと、民族衣装に身を包んだスタッフからナツメヤシの実、デーツとアラビアンコーヒーがサービスされるんですがこれがまさに、アブダビにでも来たようで、気分が上がりました。※ メディアデー限定の特別対応 生まれてはじめて食べるエミラティ料理。カレー味であったり、スパイスが効いた魚料理、そしてサラダがとても新鮮で、もち麦のターメリック炒めや、ザクロなども入っていて、栄養的にもパーフェクト。カミールというナンをロールパンのように焼いたものも、香ばしく美味しかったです。
館内では宇宙探索、医療、持続可能性の分野におけるUAEのイノベーション、没入感のある映像表現、アートインスタレーション、そして空間デザインによって五感で体験できる工夫がいっぱい。また、ギフトショップも他のパビリオンに比べてとても充実していました。トートバックや手帖、傘などのデザインも実にお洒落で、UAEのセンスの高さを感じました。UAEパビリオン、ぜひ開催中に行ってみてくださいね。
■大阪・関西万博2025
■アラブ首長国連邦(UAE)パビリオン
■公式ウェブサイト
https://2025.uaepavilionexpo.com/ja
取材・文 松澤壱子