小誌・月刊ホテレス独自調査「全国ホテル客室稼働率」の2024年8月結果がこのほどまとまった。今回、全国113ホテルの平均客室稼働率は77.5%(前年同月77.7%)、ADRは16,943円(同15,390円、10.1ポイント増)、RevPARは13,131円(同11,958円、9.8ポイント増)となった。
当月は台風や南海トラフ注意報発令の影響に伴い、稼働において全国的に伸び悩むこととなった。しかしながらADRがすべてのエリアにおいて上昇し、結果全体のRevPARは9.8ポイント増で着地した。
JNTOの訪日外客数の8月推計値において293万3000人と同月過去最高を記録し、24年1~8月累計で2400万7900人(2019年同期間2214万4937人)とインバウンド需要の旺盛が、現在の宿泊マーケットの好調さを牽引していると見られる。
また、各ホテルからは「月の中旬以降は台風の襲来が重なった影響から学生スポーツ団体のキャンセルもあり、稼働に関して前年比減となった」、「南海トラフ関連地震、2度の台風の影響で交通に多大な影響が出たため、それがなければより多く稼働したと思う」、「お盆期間に高単価販売ができたことで前年売上を上回った」などのコメントが寄せられた。
〈用語解説〉
●OCC(Occupancy Ratio):客室稼働率
●ADR(Average Daily Rate):1日1室当たりの客室平均単価
●RevPAR(Revenue Per Available Room):1日1室当たりの客室売上高
※RevPARは客室販売における最重要指標、RevPAR=OCC×ADRで算出
(例:客室稼働率50%×ADR 20,000円=RevPAR 10,000円)
〈調査区分〉
北海道、東北、北関東、東京フルサービス型、東京宿泊主体型、南関東、甲信越・北陸、東海、近畿(京都・大阪含む)、京都、大阪、中四国、九州、沖縄の全14エリア
〈算出条件〉
●今回の数値は小誌・稼働率調査において「該当月および前年同月」の「客室稼働率およびADR」の計4項目すべて回答のあるホテルのみを用いて算出。そのため、開業1年未満のホテル、前年同月に休館したホテルなどは含まれず。
〈備考〉
小誌「月刊ホテレス」2024年11月号では連載「全国都市別ホテル客室稼働率」にて、24年8月の速報値(計422ホテルの都市別平均値)を掲載。
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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp