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毛利愼の外食エンターテインメントVol.116

石垣グルメに新たなアプローチ!「BATIDA」の魅力

2024年10月10日(木)
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店舗内観。「seven x seven」ブランドの世界観に、「BATIDA」が店名に込めたリズム( ※ポルトガル語)を感じて貰える空間を、“斬新でありながら繊細な料理”と“上質でありながらカジュアルなサービス”で作りだしている
店舗内観。「seven x seven」ブランドの世界観に、「BATIDA」が店名に込めたリズム( ※ポルトガル語)を感じて貰える空間を、“斬新でありながら繊細な料理”と“上質でありながらカジュアルなサービス”で作りだしている

本連載Vol.113で紹介した、「seven x seven 石垣」内レストラン「BATIDA」。
 
ホテル内レストランとしてはもちろんだが、石垣グルメに新風を吹き込むであろう同店の魅力を伝えるべく、同店について改めて紹介していきたいと思う。
 
前稿でも触れたが、同店は「seven x seven 石垣」内で提供されるフードサービス全般を請け負う㈱fridaysが、新たな業態として開発したラテン・イタリアンレストランだ。同店の開業に際して同社は、地元石垣や八重垣諸島の食材をメインに用い、宿泊ゲストはもちろんだが、島民のお客さまにも楽しんでいただけることを主軸にコンセプトワークを行なったという。また、施設やロケーションに漂う開放的でリラックスした空気感をレストランでも感じながら食事を楽しんでいただきたいとの思いから、上質でありながら肩肘張らずにくつろげるカジュアル感も織り交ぜたサービスを提供することにしたそうだ。 高度なスキルが求められる“上質とカジュアルのバランスを取った”サービスの実現は、机上で考えるほど簡単ではない。しかし、同店ではそれが見事に実装されている。 これは同店のみならず、同施設内のBarなどでも同様のことが当てはまるのだが、非常に心地よくホスピタリティに満ちたサービスが提供されている背景には、㈱fridays代表取締役であり、かつて「CASITA」のマネージャーとして活躍した米沢弘志氏のオーガナイズと指導力が大きく寄与していると言って過言ではないだろう。
 

シグネチャーデザートであるバスクチーズケーキ。フォークの重みでとろけだすほどフィリングのチーズはクリーミーだ。サービスの際、プレートに弊誌のロゴをデコレーションしてくれた
シグネチャーデザートであるバスクチーズケーキ。フォークの重みでとろけだすほどフィリングのチーズはクリーミーだ。サービスの際、プレートに弊誌のロゴをデコレーションしてくれた

今回、敢えてレストラン部門を分けて紹介した理由には、ホスピタリティに加え、地元食材への真摯な姿勢がお客様への姿勢と共通している点、そして新たな味を創り出すクリエイティビティがある。
 
まず、業態を単にイタリアンとせず“ラテン・イタリアン”とした理由のひとつとして、石垣島の気候がメキシコのそれと非常に似ている点があったという着眼点だ。さらに四方を海に囲まれた環境がスペインやポルトガルなどの地中海沿岸地域のそれに通じるものがあり、そこからの着想でメニュー開発を行なったという。いくつか事例をあげると地元に根付く食文化ではありつつも好みが大きく分かれるヤギ肉を、初心者でも抵抗なく、さらには純粋に美味しい肉料理として食せる味わいに昇華させた。また、島唐辛子をハリッサやハラペーニョといった自家製の調味料にすることでさまざまな料理の味付けに活用している。さらに、元々生産数が少ない石垣牛の中でも“最上級”と言われる新里牛の仕入れに成功するなど、畜産をはじめ、農業や漁業に至るまで、地元生産者との信頼関係がしっかりと感じられる料理が散見され、メニューを選ぶ時に“どんな料理なんだろう?”とワクワクするものも多い。いうまでもなく、いずれの料理も美味しい。
 
彼らの地域文化へのリスペクト、そして発想力があればさまざまな地方グルメに新たな魅力が生まれるだろう。もちろん、石垣における新たな味わいの誕生にも期待大だ。
 
「BATIDA」
https://www.instagram.com/batida_ishigaki/
 
「seven x seven 石垣」
https://www.hoteresonline.com/articles/13649

シグネチャーディッシュの“名物! BATIDA風ワカモレ”。お客さまの目の前で調理される同メニューには、島唐辛子のハラペーニョや牛乳とライムで作った自家製チーズが用いられている
シグネチャーディッシュの“名物! BATIDA風ワカモレ”。お客さまの目の前で調理される同メニューには、島唐辛子のハラペーニョや牛乳とライムで作った自家製チーズが用いられている
“グリルズッキーニ”。シンプルな料理だが、共に添えられたピスタチオのデュカと王滝農園ハーブがアクセントになっている
“グリルズッキーニ”。シンプルな料理だが、共に添えられたピスタチオのデュカと王滝農園ハーブがアクセントになっている
“島ハラペーニョのカルボナーラ”。まさかのカルボナーラに唐辛子の辛味と酸味を組み合わせた一品。一口食べると、この組み合わせがなぜこれまでなかったのかと思うほど、絶妙なコンビネーションが口の中に広がる
“島ハラペーニョのカルボナーラ”。まさかのカルボナーラに唐辛子の辛味と酸味を組み合わせた一品。一口食べると、この組み合わせがなぜこれまでなかったのかと思うほど、絶妙なコンビネーションが口の中に広がる
「BATIDA」が“名刺代わりに”と評するタパスラインナップ。画像奥から、石垣産地鶏の“南ぬ鶏とケソブランコチーズのタコス”、“山羊肉と自家製モレソースのタコス”、“燻製マグロとスパイシーサルサのトスターダ”
「BATIDA」が“名刺代わりに”と評するタパスラインナップ。画像奥から、石垣産地鶏の“南ぬ鶏とケソブランコチーズのタコス”、“山羊肉と自家製モレソースのタコス”、“燻製マグロとスパイシーサルサのトスターダ”
ロージーに焼き上げた“石垣島・新里牛ステーキ”。同店はワインの揃えも豊富なのだが、“焼きパイナップルのハイボールや“ハラペーニョマンゴーサンライズといった島食材をテーマにしたカクテルと肉料理とのペアリングが素晴らしく、一度はぜひ試してもらいたい
ロージーに焼き上げた“石垣島・新里牛ステーキ”。同店はワインの揃えも豊富なのだが、“焼きパイナップルのハイボールや“ハラペーニョマンゴーサンライズといった島食材をテーマにしたカクテルと肉料理とのペアリングが素晴らしく、一度はぜひ試してもらいたい
パエリアも同店を訪れたらぜひ、食してもらいたいメニューだ。写真は “イイ蛸とセーイカのイカ墨パエリア”。魚介の柔らかさと旨味は逃がさずに、ソロカはパリッと仕上げるという、絶妙な火入れがなされている
パエリアも同店を訪れたらぜひ、食してもらいたいメニューだ。写真は “イイ蛸とセーイカのイカ墨パエリア”。魚介の柔らかさと旨味は逃がさずに、ソロカはパリッと仕上げるという、絶妙な火入れがなされている
トロピカルフルーツを使ったウェルカムドリンク。こちらに加え、スムージーやカクテル、モクテルといったドリンクメニューに流通の過程で傷ついたり、規格外のフルーツを積極的に使っており、フードロスの削減にも高い意識を持って取り組んでいる
トロピカルフルーツを使ったウェルカムドリンク。こちらに加え、スムージーやカクテル、モクテルといったドリンクメニューに流通の過程で傷ついたり、規格外のフルーツを積極的に使っており、フードロスの削減にも高い意識を持って取り組んでいる
朝食一例。一見、ホテルの朝食ビュッフェでよく目にするラインナップだが、島豚のベーコンやアグー豚のソーセージ、枝付きで用意されている島バナナなど、細部へのこだわりを感じる豊かなラインナップになっている
朝食一例。一見、ホテルの朝食ビュッフェでよく目にするラインナップだが、島豚のベーコンやアグー豚のソーセージ、枝付きで用意されている島バナナなど、細部へのこだわりを感じる豊かなラインナップになっている

担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp

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