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4社連携で読み解く、アパートメントホテル高収益運営の実像 「fav」に学ぶ、省人化と顧客満足を両立する仕組み

4社連携で読み解く、アパートメントホテル高収益運営の実像 「fav」に学ぶ、省人化と顧客満足を両立する仕組み

2026年03月17日(火)
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 株式会社リモートロックジャパンは3月10日、セミナー【「fav」に学ぶ『アパートメントホテル』高収益運営のメカニズム】を開催した。
 インバウンド需要の拡大を背景に、長期滞在やグループ客の受け皿としてアパートメントホテルへの関心が高まっている。一方で、現場では人手不足や人件費上昇が収益確保の課題となっている。そうした中で注目されるのが、霞ヶ関キャピタルが展開する「fav」だ。本セミナーでは、デベロッパー、運営、システム、ハードウェアの4社が登壇し、企画から運用までを一気通貫で共有する。
 

霞ヶ関キャピタル株式会社── 多人数需要を捉え、高収益モデルを成立させる開発設計

霞ヶ関キャピタル株式会社  Real Estate & Development Division Senior Vice President 宮原冬太氏
霞ヶ関キャピタル株式会社 Real Estate & Development Division Senior Vice President 宮原冬太氏

 霞ヶ関キャピタル株式会社 Real Estate & Development Division Senior Vice President  宮原冬太氏はまず、3名以上のグループ旅行が全体の55%を占める一方で、3〜6名向け客室の供給は36%にとどまり、約20%の需給ギャップがあると説明。その受け皿として「fav」をはじめとするブランドを展開してきた経緯を紹介した。運営実績としては、平均宿泊日数1.6泊、インバウンド比率45%、平均宿泊人数3.2名、GOP比率55%、損益分岐稼働率20%未満といった数値を示し、多人数対応型ホテルの収益構造を具体的に語った。
 また、高収益化の要因として、セルフホスピタリティ、飲食とフロントの融合オペレーション、DXシステム、オペレーターのフランチャイズ化の4点を挙げた。人に頼り切らずに快適な滞在を実現する設計思想を軸にしつつ、完全無人化には振り切らず、最低限のスタッフ配置で体験価値を担保する考え方も示した。さらに、運営データや財務情報を一貫して共有する仕組みや、地元に強い運営会社との連携によって開業スピードと品質の両立を図っている点も紹介された。

株式会社リクリエ── 省人化は人員削減ではなく「運営設計」の見直しから始まる

株式会社リクリエ  代表取締役 中西孝行氏
株式会社リクリエ 代表取締役 中西孝行氏

 株式会社リクリエ 代表取締役 中西孝行氏は、「ホテルは人手不足なのではなく、運営の設計が不足している」と問題提起した。ホテル経営ではADRや稼働率に注目が集まりがちだが、実際には人件費の数ポイントの差がGOPを大きく左右するとし、特にフロント業務が人件費増の最大要因だと指摘した。紙やタブレットを使った従来型チェックインでは、結局スタッフが張り付く構造になり、省人化につながっていないと整理した。
 そのうえで、フロント業務を「チェックイン」「問い合わせ」「鍵の管理」「決済」に分解し、その多くはゲスト側の問題ではなく、ホテル側の設計の問題だと説明。favでは事前オンラインチェックインと事前決済、QRによる入室を組み合わせることで、現場に残す業務を締め作業とゲスト対応に絞り込んでいるという。熊本の事例では、フロント人員を6名削減し、固定経費を13%圧縮、GOPを20%改善したとし、省人化で生まれた“余白”を接客や顧客体験の向上に振り向けている点を強調した。OTA評価も平均90点前後で推移しており、省人化と満足度はトレードオフではないと述べた。

株式会社SQUEEZE── 経営管理DXで、現場の効率化を利益構造の改善につなげる

株式会社SQUEEZE ソリューション事業部 カスタマーサクセスチーム マネージャー 以倉竜一氏
株式会社SQUEEZE ソリューション事業部 カスタマーサクセスチーム マネージャー 以倉竜一氏

 株式会社SQUEEZE ソリューション事業部 カスタマーサクセスチーム マネージャー 以倉竜一氏は、チェーン展開や大規模施設運営では、単なるPMS導入ではなく、経営判断までつながる基盤整備が重要だと説明した。紹介された事例では、全国37施設のPMSリプレースを約10カ月で進め、全店統一オペレーションと本部一括管理の仕組みを構築。スタッフが別施設へ応援に入っても同じ使い方ができ、新人教育の立ち上がりも早まるなど、運営基盤そのものの刷新につながっているとした。
 導入効果としては、操作性の改善を実感した回答が94%、業務処理速度の改善が96%、教育コストの削減が92%といった数字も紹介された。以倉氏は、PMSを単なる宿泊管理の道具ではなく、「プロフィットマネジメントシステム」と捉えるべきだとし、リアルタイムでGOPを把握し、勝てる経営判断ができる状態をつくることが経営管理DXの要点だと整理した。また、クラウド基盤であることで導入後も機能進化を続けられる点にも触れた。

株式会社リモートロックジャパン── スマートロックが、省人化と体験価値向上の接点になる

株式会社リモートロックジャパン  取締役 池田修一氏
株式会社リモートロックジャパン 取締役 池田修一氏

 株式会社リモートロックジャパン 取締役 池田修一氏は、宿泊運営のなかでも特に省人化余地が大きいのはフロントだとし、スマートロックの役割を「非対面化・省人化」と「体験価値向上」の両面から説明した。リモートロックの導入によって、オンラインチェックインから客室入室までをスマートフォン上で完結でき、QRコード解錠やウォレット連携によって“鍵を持ち歩かない宿泊体験”を実現できるとした。これにより、従来の記帳や物理鍵の受け渡しといった事務的作業を削減し、スタッフは本来の接客に時間を振り向けられるようになるという。
 また、グループステイとの相性の良さにも言及した。カードキーでは人数分の鍵発行や回収が必要だったが、QRコードや暗証番号ならグループ内で容易に共有できるため、誰が先に帰るか、誰が鍵を持つかといった煩雑さを減らせる。池田氏は、RemoteLockに加え、Tabiqやsuitebookなど他システムとの連携によって、フロントの非対面化を比較的スムーズに実現できると総括した。

4社の役割分担が、実装可能な高収益モデルを形にする

 今回のセミナー全体を通じて見えてきたのは、アパートメントホテルの高収益化が、単体の設備導入や部分最適では成立しないという点だ。霞ヶ関キャピタルが商品設計と事業構造を描き、リクリエが運営設計を担い、SQUEEZEが経営管理DXを支え、リモートロックジャパンが鍵まわりの体験と非対面化を実装する。こうした役割分担がつながることで、初めて省人化と顧客満足を両立するモデルが現場で機能していることが示された。

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霞ヶ関キャピタル株式会社
株式会社リクリエ
株式会社SQUEEZE
株式会社リモートロックジャパン

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