森永製菓はH.I.S.ホテルホールディングスと共創した体験型客室「森永ラムネルーム」を、3月12日から順次発売した。展開先は全国の変なホテル12施設16室。「森永ラムネ」が持つ「集中」と「リフレッシュ」の価値を、宿泊体験に置き換えた企画として打ち出す。
2024年に展開した「チョコボールルーム」に続く第2弾で、森永製菓の体験価値創造支援サービス「PLUS BUTTON LABO.」が、客室コンセプトの設計から体験設計、デザイン、アクティビティ提案、オリジナルアメニティ開発までを担った。旅という非日常に、お菓子という日常の楽しみを重ねることで、旅先での体験価値を高める狙いだ。
「集中」と「リフレッシュ」を一室で表現
客室の核となるのは、「森永ラムネ」が訴求してきたオンとオフの切り替え、いわゆる「ラムネスイッチ」の考え方だ。客室内はドア、壁、カーテン、ベッド、モニターまで「森永ラムネ」と公式キャラクター「ラムねこ」「しゅうチュー」で装飾。ラムネの香りの入浴剤やアロマ、マスクケース、巾着袋などを備え、客室内の「森永ラムネ自販機」には20本のラムネを用意した。これらは持ち帰りも可能で、滞在後まで体験を持ち帰れる設計となっている。
加えて、滞在中にはラムネを積み上げるアクティビティ「ラムネチャレンジ」を用意。客室内のラムネを使って作品を作り、写真をフロントに見せると特別賞品が贈られる仕組みで、隙間時間の“プチ集中”も客室体験の一部に組み込んだ。
内覧会で同社は、ブランドの核にある「集中」と「リフレッシュ」を、そのまま部屋全体の設計思想に据えたと説明した。ラムネ積みは集中のスイッチ、入浴剤はリフレッシュのスイッチとして位置付け、客室内の要素を整理したという。
コア層だけでなく、家族連れにも開く企画
細部までこだわることで、宿泊客の導線を確実なものにしている
内覧会では、今回の企画が他のコラボルームとは異なる間口を意識している点も語られた。担当者によると、当社では家族連れの需要を意識しており、特定のファン層に寄り過ぎないテーマ設定を重視したという。子どもから高齢層まで受け入れられやすい「お菓子」を題材にすることで、幅広い層が利用しやすい企画を目指した。
その設計で重視したのは、見た目の装飾だけではない。担当者は、チェックインから就寝、入浴、翌朝までの流れを洗い出したカスタマージャーニーを描き、どの場面でどのような感情を生みたいかをチームで検討したと話す。滞在の楽しみ方を伝えるパンフレットも、その体験設計の一部として用意した。
インタビュー:ブランド体験を客室に落とし込む――「森永ラムネルーム」設計の舞台裏
写真:左より、森永製菓株式会社 新規事業開発部 佐々木 春氏 ,西邑 光弘氏
――「森永ラムネ」らしさを、どのように宿泊体験へ置き換えましたか。
森永ラムネは、仕事や勉強で集中したい時と、リフレッシュしたい時の両方で楽しんでもらっている商品です。そこで今回は、オンとオフの切り替えを表す「ラムネスイッチ」から着想を得て、客室全体を「集中」と「リフレッシュ」で設計しました。ラムネ積みチャレンジは集中のスイッチ、入浴剤はリフレッシュのスイッチという考え方で、部屋の中の要素を組み立てています。
――体験設計で最も重視した点は。
いちばん重視したのは、ストーリーづくりです。お客さまが部屋に入ってから、どう過ごし、どんな気持ちになってほしいかを時系列で整理し、チェックインから就寝、翌朝までのカスタマージャーニーを細かく描きました。その流れが伝わるようにパンフレットも用意し、泊まっただけで終わらず、きちんと楽しみ切っていただける設計を目指しました。SNSでの発信も含め、その通りに体験していただけたらうれしいです。
――今後、ホテルとの共創をどのように広げていきますか。
今後は季節限定フレーバーへの切り替えや、新しいオリジナル土産の開発、レストランとの連携なども検討しています。さらに、森永の商品は日常の売り場で多くの方の目に触れるので、宿泊後にコンビニやスーパーで商品を見た時に「あのホテルに泊まった」と思い出していただける可能性があります。ホテルだけではつくりにくい継続的な接点を、日常側から支えていきたいと考えています。
滞在後まで続く接点づくりを視野に
今回の企画は、客室の中だけで完結しない波及も視野に入れる。同社は、持ち帰ったラムネを家族や職場で分け合うことで、宿泊体験そのものを“お裾分け”してほしいと語った。SNSでの拡散に加え、リアルな口コミや再想起まで含めて体験を広げたい考えだ。
さらに今後については、季節限定フレーバーへの切り替えや、新たなオリジナル土産の開発、レストランとの連携なども視野に入れているという。全国の売り場で日常的に接点を持つ商品だからこそ、宿泊後も「この商品を見るとホテルでの体験を思い出す」という関係づくりにつなげたい考えを示した。
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3月12日から順次発売。展開ホテルは、変なホテルプレミア仙台 国分町、変なホテル東京 浅草橋、同 羽田、同 西葛西、変なホテル舞浜 東京ベイ、変なホテル金沢 香林坊、変なホテル大阪 なんば、変なリゾート&スパ 関西空港、変なホテルプレミア奈良、同京都 五条烏丸、変なホテル福岡 博多、変なホテルプレミア鹿児島 天文館。料金は朝食付き1万5600円から、素泊まり1万3800円から(いずれも1室1泊、税サ込)。
森永製菓 コラボレーションルーム 共創事業:公式ホームページ




