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ウッドフォードリザーブ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」開催── The Ritz-Carlton, Tokyo The Barの小島 卓氏が優勝、5月のアジアファイナルへ

ウッドフォードリザーブ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」開催── The Ritz-Carlton, Tokyo The Barの小島 卓氏が優勝、5月のアジアファイナルへ

2026年04月09日(木)
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ブラウンフォーマンジャパンは3月30日、同社本社オフィスで、プレミアム・バーボン「ウッドフォードリザーブ」が主催する若手バーテンダー向けカクテルコンペティション「The Wonderful Race 2026」の決勝ステージ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」を開催した。大会には事前審査を通過した5人のファイナリストが出場し、「四季を楽しむオールドファッションド カクテル」をテーマに、ウッドフォードリザーブを使用したオリジナルカクテルを披露した。優勝はThe Ritz-Carlton, Tokyo The Bar(東京都)の小島 卓氏で、5月に中国で開催予定のアジアファイナル出場権を獲得した。
 
大会は今回で第3回。司会進行では、2月末のセミファイナルオンライン審査を突破した5人が本選に進出したことに加え、優勝者にはアジア大会出場と米ケンタッキー州のウッドフォードリザーブVIP蒸留所ツアーが用意されていることも紹介された。審査は、ブランドの表現力、ストーリーテリングとコンセプト、創造性、味わい、見た目などの項目で行われ、味覚だけでなく、カクテルを通じていかにテーマを立ち上げたかが問われる構成となった。
 

季節の移ろいを、記憶の断片から一杯に落とし込む

写真:The Ritz-Carlton, Tokyo The Bar 小島 卓氏, 優勝作「Transition Fassinoned」
写真:The Ritz-Carlton, Tokyo The Bar 小島 卓氏, 優勝作「Transition Fassinoned」

 優勝作「Transition Fassinoned」は、幼少期に感じた夏から秋への移ろいを着想源とした一杯だ。白檀とシトラスをまとった燻製の煙、自家製ポルチーニビターズ、金木犀とローリエのコーディアル、アンバーシロップを重ね、時間の経過とともに味わいにグラデーションが生まれる構成が高く評価された。主催者は、ウッドフォードリザーブの新しい可能性を切り開く一杯だったとしている。
 
 競技後の取材で小島氏は、四季の表現について「四季の素材をそれぞれ並べるのではなくて、切り取って表現した」と説明した。人がどのような瞬間に季節の移ろいを感じるのかを考え、記憶の中にある情景として組み立てたという。実演では、夏休みの終わりの花火の残り香や、その先に重なる秋の気配を語り、地元・中野の花火大会の記憶も交えながら、一杯の中に時間の流れを落とし込んだ。
 
 また小島氏は、プレゼンテーションをしながらメイキングを行う大会は初めてだったとし、動作と語りの間に無言の時間を作らないよう、進行の尺を調整する点に苦労したと振り返った。予選ではグラスに直接スモークしていたが、決勝では「夏休みの終わり」の始まりを印象づけるため、最初に煙を提示する構成へ変更し、時系列に沿って味と情景が伝わる見せ方を意識したという。受賞後には「信じられない」という驚きとともに、苦節を乗り越えバーテンダーを続けてきて良かったと語った。
 

審査員は、ブランド表現と物語性の両立を評価

 審査員からは、各作品がウッドフォードリザーブの個性を生かしながら、それぞれの経験や解釈を物語として落とし込んでいた点を評価する声が上がった。生田目龍生氏は、各バーテンダーが自身の個性を生かしつつ、ウッドフォードリザーブの特徴を最大限に引き出していたとコメント。石川麻子氏は、オールドファッションドはシンプルな構成でありながら解釈の自由度が高く、今回の作品には知識や体験に基づいた思いがレシピから伝わってきたと述べた。
 
 小島真理子氏は、オールドファッションドは海外では広く飲まれている一方、日本ではまだ距離を感じる人もいるが、四季を重ねる今回のようなコンセプトを介することで、日本の飲み手にも身近なカクテルとして受け取られる可能性があると話した。ステファン・モリゼ氏も、日々の営業の中で時間を割いて参加したファイナリストたちの作品は水準が高く、こうした場を継続して設けること自体がバーテンダーの成長を後押しする機会になるとの認識を示した。
 

入賞者それぞれが異なるアプローチで“オールドファッションド”を再解釈

写真:The SG Club Wang Sheng氏, 受賞作「In a Wooden Mood」
写真:The SG Club Wang Sheng氏, 受賞作「In a Wooden Mood」

 2位には、The SG Club(東京都)のWang Sheng氏が入賞した。受賞作「In a Wooden Mood」は、ジャズスタンダード「In a Sentimental Mood」から着想を得た一杯で、「四季の木」をテーマに据えた構成が特徴だ。黒文字スプレーが日本の森を思わせる木の香りを立ち上げ、無花果の葉の青みとミルキーさ、金木犀シロップの甘み、フィノシェリーのドライネスが層をなし、氷が溶けるにつれて香気が変容していく飲用体験そのものを作品にした。中国・上海出身のWang氏は、カクテルを文化の媒体として表現することを信条としており、受賞後には、今回の経験を通じて、今後もウッドフォードリザーブでさらに面白いカクテルを作っていきたいと語った。

写真:茶寧庭 濱 真太氏, 受賞作「Shikimeguri Old Fashioned」
写真:茶寧庭 濱 真太氏, 受賞作「Shikimeguri Old Fashioned」

 3位は、茶寧庭(石川県)の濱 真太氏が獲得した。受賞作「Shikimeguri Old Fashioned」は、日本の四季を「茶の所作」で紡ぐオールドファッションドで、練り抹茶と煎茶コーディアルで春夏の清々しさを、オレンジピール&カルダモンのティンクチャーとバニラ・チョコレートビターズで秋冬の温かみと深みを表現した。茶筅を用いた所作や金箔、畳コースターも体験に組み込み、味覚だけでなく視覚や所作も含めて一杯を成立させた。石川県金沢市・ひがし茶屋街でバーを営む濱氏は、地元の茶や果実を生かしたカクテルを手がけており、能登半島地震後には復興チャリティーイベントにも参加。受賞後には、この舞台で得た経験を今後の日々の営業にもつなげていきたいと述べた。

Starbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar 田辺 友美氏, 「Harvest Fashioned」
Starbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar 田辺 友美氏, 「Harvest Fashioned」

 また、惜しくも入賞には届かなかった2人のファイナリストも、それぞれ異なるアプローチでテーマに向き合った。Starbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar(東京都)の田辺 友美氏は、「Harvest Fashioned」を披露。日本の四季の多彩さを、りんごが1年をかけて実る過程になぞらえた一杯で、冬の剪定、春の受粉、夏の手入れ、秋の実りという生産者の営みを、ウッドフォードリザーブのものづくりと重ね合わせた。農大生時代にりんご農家で研修した経験を出発点に、青森県産りんごジュースを使った自家製アップルハニーや、自社で販売するアップルサイダーをイメージしたブレンドティー由来の自家製アップルサイダーベルモットを組み合わせ、さらにエチオピア産コーヒーをエアロプレスでまとわせることで、春の花、夏の果実、秋の重厚なアロマ、冬の澄んだ余韻を一杯に重ねた。最後には、りんご飴をイメージしたガーニッシュとミントを添え、実りへ向かう時間の流れと、努力の先に一杯を届けるバーテンダー自身の姿も投影した。

Waldorf Astoria Osaka, Peacock Alley 松本 拓弥氏, 「Charred Orchard」
Waldorf Astoria Osaka, Peacock Alley 松本 拓弥氏, 「Charred Orchard」

 一方、Waldorf Astoria Osaka, Peacock Alley(大阪府)の松本 拓弥氏が発表した「Charred Orchard」は、果樹園を1年かけて歩き、冬にたどり着く物語として四季を描いた作品だ。春はラズベリーとアップルスキンを組み合わせたシュラブ、夏はホップビターズ、秋はウッドフォードリザーブが持つアプリコットやりんご、洋梨、メイプルのニュアンス、冬はメイプルシロップのリダクションで表現した。松本氏は、初めてウッドフォードリザーブを飲んだ時に感じた「華やかでフルーティー」でありながら、焦がした樽由来の力強さも併せ持つ印象を出発点に、その二面性を果樹園の情景へと置き換えたと説明。質疑では、段階的に味が現れるというより、四季すべてが一つの調和へとまとまった味わいとして着地させたかったと語っている。
 
 今回の決勝では、3位に国内ゲストシフト、2位にアジア圏でのゲストシフト、1位に中国でのアジア大会出場権と米国でのVIP蒸留所ツアーが贈られた。単なる順位付けにとどまらず、次の舞台へつながる機会を設けている点も、このコンペティションの特徴といえる。
 

国内決勝を経て、次はアジアの舞台へ

 今回の決勝で改めて浮かび上がったのは、同じ「四季を楽しむオールドファッションド」というテーマでも、素材の選び方、香りの立ち上げ方、物語の組み立て方によって表現が大きく広がるということだ。主催者側は、本大会を若手バーテンダーに活躍の場を提供し、その技術と創造性を発信する機会と位置付けている。国内決勝を勝ち抜いた小島氏は、アジア大会に向けて、参加したバーテンダーたちの思いも背負いながら胸を張れる仕事をしたいと意気込みを示した。日本代表として次の舞台でどのような表現を見せるのか、5月の中国大会に注目が集まる。

ウッドフォードリザーブ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」:公式ホームページ
ブラウンフォーマンジャパン:公式ホームページ
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取材・文:オータパブリケイションズ 松島
Mail:matsushima@ohtapub.co.jp

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