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HOTERES エンターテインメント エンタメは企画力! ニューノーマルの中で人気放送作家が作る新たな時代

【月刊HOTERES 2021年05月号】
2021年06月03日(木)
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毎週土曜深夜0 時5 分(本誌発売現在)~ ABC で放送& ABEMA で配信中の「DRAGON CHEF 2021」。ジョエル・ロブションの愛弟子であり、日本を代表するトップシェフの一人である須賀洋介氏が総監督を務め、将来有望な若手シェフたちが優勝を目指し熱い闘いを繰り広げている。(画像提供:「©DRAGON CHEF 2021」)
毎週土曜深夜0 時5 分(本誌発売現在)~ ABC で放送& ABEMA で配信中の「DRAGON CHEF 2021」。ジョエル・ロブションの愛弟子であり、日本を代表するトップシェフの一人である須賀洋介氏が総監督を務め、将来有望な若手シェフたちが優勝を目指し熱い闘いを繰り広げている。(画像提供:「©DRAGON CHEF 2021」)

放送作家
すずきB氏 SuzukiB
1970 年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中、雑誌『HotDogPRESS』のライターを経て、90年「さんまのナンでもダービー」で放送作家デビュー。「学校へ行こう」「ウンナンのホントコ」「内村プロデュース」「ぷっすま」「桑田佳祐の音楽寅さん」など多くのバラエティ番組を担当。中でも食にまつわる番組を得意としており、過去には「魂のワンスプーン」「龍虎飯店」「嗚呼!花の料理人」「元祖でぶや」を、現在は「秘密のケンミンSHOW」「ヒルナンデス」「日本一ふつうで美味しい植野食堂」「DRAGON CHEF 2021」「友近・礼二の妄想トレイン」など人気番組を構成。また近年はAmazon プライム「なぎスケ」やCS「銀座ゴルフ倶楽部」、YouTube「勝俣かっちゃんねる」「熱狂ガテン録ダイキ」などネットメディアの番組も手掛けている。著書に『浮気とは午前4 時の赤信号である(ワニブックス)』ほかがある。(写真撮影:馬場道浩)

すずき氏が構成を手掛けるYouTube チャンネルの「勝俣かっちゃんねる」。すずき氏が公私に渡り親しい勝俣氏とタッグを組んだネットメディアでの取り組み。テレビの裏側からコロナ禍で困難を強いられる飲食業界応援までYouTube だからこそ作れる魅力的なコンテンツが多く提供されている(画像提供:「勝俣かっちゃんねる」
すずき氏が構成を手掛けるYouTube チャンネルの「勝俣かっちゃんねる」。すずき氏が公私に渡り親しい勝俣氏とタッグを組んだネットメディアでの取り組み。テレビの裏側からコロナ禍で困難を強いられる飲食業界応援までYouTube だからこそ作れる魅力的なコンテンツが多く提供されている(画像提供:「勝俣かっちゃんねる」

BS 日テレで毎週月曜21 時(本誌発売現在)〜放送中の「友近・礼二の妄想トレイン」。旅をしない番組という今までにないアプローチが面白い同番組は鉄道好き(礼二)と旅好き(友近)の芸能人が作る“映像つきガイドブック”というコンセプトから作られている。観光業界がwith コロナ時代を生きのびる上でヒントとなる点も多く、業界必見の番組だ(画像提供:BS 日テレ「妄想トレイン」)
BS 日テレで毎週月曜21 時(本誌発売現在)〜放送中の「友近・礼二の妄想トレイン」。旅をしない番組という今までにないアプローチが面白い同番組は鉄道好き(礼二)と旅好き(友近)の芸能人が作る“映像つきガイドブック”というコンセプトから作られている。観光業界がwith コロナ時代を生きのびる上でヒントとなる点も多く、業界必見の番組だ(画像提供:BS 日テレ「妄想トレイン」)

若者のテレビ離れが進み、エンタメ業界におけるテレビあり方が変わりつつある。その中において人気番組である「秘密のケンミンSHOW」「ヒルナンデス」や、過去には「学校へ行こう」「内村プロデュース」「ぷっすま」など、数々の人気番組を手掛けてきた放送作家のすずきB氏。今回の「HOTERES Entertainment」ではすずき氏にエンタメの現在についてお話を伺った。

 
地上波とネットメディアが共存する時代
 
 コロナ禍という未曾有の時代を迎え、“ステイホーム”というライフスタイルの中で幅広い年代の視聴者がネットメディアや動画サイトに親しむようになった。また企業宣伝においても、自社発信も含めテレビメディアよりもネットメディアを活用するケースが増えてきている。その状況をテレビメディアはどのように受け止めているのだろうか? まずはその点から伺ってみた。
「当初はネットメディアを競合市場としてとらえる傾向もありましたが、現在はむしろテレビメディアを魅力的にする武器の一つとしてとらえるようになっています。昨今、テレビ番組にYouTuber が多く出演したり、トレンドランキングもTwitter 等SNS のランキングが視聴率に代わるエビデンスとして紹介されるようになっているのもそういった傾向の表れです。またテレビ局が視聴者への波及効果を計る指標として、主にF3 層(※女性の50 歳以上の市場)のデータが対象だった時代から“コアターゲット”や“キー特性”といわれる13 歳~アラフィフ層をターゲットとする層の視聴率に注目するように変わりました。これは制作サイドの世代交代や世情の変化もありますが、情報の拡散力を持つ若い世代に見てもらえる番組作りがテレビメディアにとっていかに重視されているかということではないでしょうか。実際、私自身もフワちゃんなどを早い段階からキャスティング案に入れていたのですが、現在の活躍を見るに、ネット市場における“バズり”、特に若い世代が注目するものを既存メディアが無視できない時代になっていると思いますし、そういった市場の動向について広告主である企業も敏感になっています。ちなみに次々と移り変わる若い世代のトレンドがどのように生まれているのかを見ていると、SNS でAI の機械学習によりセレクト表示される“関連性の高いコンテンツ”から生まれていることが多い。そういう意味でフックさえかかれば何でも簡単にバズることができる一方で、寿命が短くなっている怖さがありますね。でもこれも時代の変化に伴い生まれたニューノーマルですから、そこにそった新しい企画が生みだせればいいですし、それもまた喜びとして感じています。私自身、YouTube やAmazon プライムなど昨今はネットメディア番組の構成も手掛けていますが、コンプライアンスや尺の問題などから現状のテレビメディアでは作れない内容をネットメディアでは番組として作ることができる。『勝俣かっちゃんねる』でやった“イチからラーメンを作る”などはその最たるもので、勝俣州和さんに牛のげんこつをトンカチで割ってもらったり、もみじと呼ばれる鶏の足の裏の汚れをカミソリで削いでもらうなど、芸能人のラーメン作りの域を超えた本格的なスープ作りの行程まで構成に入れられたことでバズりました。当番組では食レポ動画もいくつもアップしているのですが視聴者の反応がテレビと大きく違ったのが印象的ですし、この番組を作れたことで飲食店の大変さを伝えられたのは嬉しかった。こんな風にコンテンツを作れるのがネットメディアの強みですね」。
 
「DRAGON CHEF 2021」という試み
 
 メディア業界が新たな時代を迎える中、すずき氏は今年、いままでにない新たな企画に取り組んでいるという。
「『DRAGON CHEF 2021』という次世代スター料理人発掘オーディション番組の構成を担当しています。優勝賞金1000 万円を目指し、全国から800 人近いエントリーがあって、6 都市のエリア予選を勝ち抜いた16 名のシェフたちが戦うサバイバルラウンドからを関西ローカルのABC テレビの深夜枠だけでなく、ABEMA でも同時間帯に放送するといういままでにない画期的な取り組みです。決勝についてはゴールデンタイムでの全国放送も予定しているのですが、これはコロナ禍で苦戦する料理界へのエール、さらには若手シェフ版M-1 グランプリとなる意味も込めて企画された番組です。今回、ネットメディアと組んだ理由は視聴層の広さなどさまざまにありますが、ローカル放送だけでは、出場していただいた皆さんの地元の仲間たちが番組を見られないことへのうれいがありました。それが動画メディアで配信されることでシェフたちの地元はもちろんのこと、全国の皆さんに見てもらうことが可能になった。かつて『料理の鉄人』という番組があったことで料理界やスターシェフへの憧れが増し、東京が世界でもっともミシュランの星を有する都市へと成長させる一因となった歴史があります。しかし時勢が理由でそういった夢が見づらかったり、コロナにより出場者の中には出店を目前にしながら夢半ばを強いられている人もいます。そういったこれからの時代を作る料理人たちの未来への導線を作るために、この番組からスターを生み、ムーブメントを作ることで料理界を盛り上げられればという気持ちも企画を作る際に、われわれのモチベーションとなりました。さらにはテレビ界にも地上波がネットメディアとタッグを組むことがこんな風に武器にしえるといういい事例を提案し得たと感じています。本番組は地方創生にも貢献したいという意図があり、出場するそれぞれのシェフたちに注目が集まることで、彼らの地元の活性化につながればと思っています」。
 
妄想も視覚化すればエンタメになる
 
 もう一つ、すずき氏が現在構成する番組には興味深いものがある。BS 日テレで放送中の「友近・礼二の妄想トレイン」という番組だ。「“旅番組なのに旅をせず、スタジオにいるキャストやゲストがリアルな旅プランを練り、旅先や鉄道の映像を見ながらご当地の魅力を紹介、旅をした気分に浸る”という当番組は、制作費や環境が整わない状況においても企画性が際立てば面白いものが作れるということを証明できた番組ではないかと自負しています。はからずもそのスタートがコロナ禍と重なったのですが、with コロナ時代にもかなった新しいエンタメの提案にもなったのではないかと。ちなみに当番組では“実際に一日で回れるプラン”を組んで番組を作り、最後には毎回行程表を紹介しています。いつか旅行会社と組んでこのプランを商品化できたらいいなと思ってますが、番組が紹介したことで各地方を盛り上げることにつながれば嬉しいですね。地方創生におけるコラボなども面白いと思うので、ご興味のある方はぜひご相談いただければと思います」。
(取材・本誌 毛利愼 原稿 飯野耀子)

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