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Focus  有馬温泉 竹取亭円山

上質なコーヒーはもはや“日常の一部”に新客室の付加価値として 「NESPRESSO(ネスプレッソ)」を導入

【月刊HOTERES 2016年05月号】
2016年05月13日(金)
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竹取亭円山 副支配人 藤田景子さん

有馬温泉 竹取亭円山
 古くは日本書紀にも「国有馬温湯宮」として登場し、今も国内外から多くの観光客が訪れる温泉卿・有馬。歴史ある旅館が軒を連ねる中にあって、常に新しいものを取り入れ、和の風情と融合する姿勢が人気を集めているのが「竹取亭円山」だ。同館は2014 年8 月からスタートした客室リニューアルを機に、コーヒー・エスプレッソメーカー「NESPRESSO( ネスプレッソ)」を導入した。今回は、その経緯や反響について、副支配人の藤田景子さんに聞いた。

洗練された和カフェさながらの
温泉付き客室が完成
 
昭和35 年に旅館「円山荘」を創業、昭和43 年になり、現在の眺めのいい高台に移転した。平成8 年のリニューアルを機に名称も新たにした老舗旅館「竹取亭円山」。有馬温泉最大の特徴である、茶褐色の「金泉」と無色の「銀泉」、その2 種の温泉を両方楽しめる貸切風呂を4 室備えていることが大きな強みとなり、平日はカップル、週末はファミリーを中心に、幅広い世代が訪れる温泉宿だ。また、韓国、中国人スタッフを採用して英・韓・中国語に対応。英語のホームページも制作するなど、インバウンド客も積極的に誘致している。それらの取り組みが功を奏して、現在はゲストの約3 ~ 4割を、韓国・台湾をはじめとする海外からの来訪者が占めており、週末は予約が取りづらい状況が続いている。
 
その老舗旅館が一昨年から、大胆な客室の改装に着手している。手始めは2014年8 月、銀泉内風呂付きツインルーム1室と、同じく銀泉内風呂付きの、和洋室2 室のリニューアル。続いて作年7月には、金泉、銀泉いずれかの露天風呂を備えた、和洋スイートルーム3 室と銀泉内風呂付き和洋室1 室のリニューアルが完了した。
 
新たな客室はいずれも、「リラックスできる空間作り」をコンセプトにデザインを刷新。飛騨高山の家具メーカー・柏木工による、なめらかな曲線が印象的なオーダーメイドのテーブルやソファ、チェアを主役に据えた、和と洋がモダンに交錯する空間へと生まれ変わった。その要素は例えば、レンガやタイルをアクセントに取り入れた壁面、枯山水を喚起する日本庭園、石造りの暖炉、障子のようなデザインの窓から光が差し込む浴室、さらに、そこに置かれた円形の浴槽など…。室内は洗練された和カフェのような趣があり、「長く滞在したい」と感じられる、上質なくつろぎに満ちている。またBGM も、社長の下浦伸一氏が好むというジャズが流れ、そのジャケットがさりげなくTV 台の上に飾られているさまは、まるでカフェのカウンターのようだ。


有馬温泉 竹取亭円山 所在地= 〒651-1401 神戸市北区有馬町1364-1 電話=078・904・0631 http://www.taketoritei.com/


2014 年8 月にリニューアルした、40㎡の銀泉内風呂付きツインルーム。内風呂付客室はこのほかに63、77㎡の和洋室(定員4 ~ 6 名)が用意されている


銀泉を使用した内風呂。円形の浴槽と障子を想わせる窓が、和モダンな風情を醸し出す安らぎの空間

種類の多さと操作の簡易さ
そして厳選の味わいが決め手に
 
 そんなこだわりがあふれる客室の中でも、新しいものに敏感な下浦氏と、今は亡き先代女将の下浦栄子さんが特にこだわって選んだのが、コーヒー・エスプレッソメーカー「NESPRESSO」だ。
 
「リニューアルを機にコーヒーマシン導入が決まり、さまざまなタイプを吟味しましたが、23 種類ものカプセルの中から風味が選べる種類の多さと、『グラン・クリュ』と呼ばれる専用カプセルをセットしてお客さまみずからがボタンを押すだけの簡単操作で、“ まるで熟練のバリスタが淹れたような、、” 本格的な味わいをお届けできる…。それが『NESPRESSO』に決めた一番のポイントだったと聞いています」と藤田さん。味わいについては、以前豆を挽いて喫茶コーナーで提供していた頃から、「コーヒーの味には特に気を付けていた」という先代女将が飲み比べ、そのおいしさを認めたのだという。だからこそ、先代女将にも認められることができたのだろう。
 
 改装後の客室7 室には、導入当時に先代女将と下浦氏が23 種の中から吟味した3 種のカプセル「ローマ」「フォルティシオ・ルンゴ」「ルンゴ・デカフェナート」の3 種が各2 個、合計6 個ずつ設置されている。甘い香りとしっかりとした余韻が特徴のエスプレッソ「ローマ」、力強くまろやかな舌触りが魅力のコーヒー「フォルティシオ・ルンゴ」、そして、妊娠中のゲストにも配慮したカフェインレス・タイプと、バランスよく揃えたセレクトはいずれも好評で、チェックイン時に、朝食の後に…とほとんどのゲストが1日2回のペースで楽しんでいるそうだ。
 
 また、マシンのすぐそばには、発売元であるネスレネスプレッソ㈱が提供している、英語と日本語による説明書もセット。それでもごくまれに、年配客やインバウンドから、カプセルのセット方法などの質問が電話で寄せられることもあるが、基本的にはすぐに慣れ、セルフのコーヒータイムを楽しんでいるという。そんなゲストからの反響や声を藤田さんに尋ねたところ、こんな答えが返って来た。「以前は客室にはお茶を置いていて、コーヒーはなく、特にコーヒーをお求めになる声もありませんでした。でも今は『NESPRESSO』があることをとても喜んでくださる方が多く、『家に置いているものと同じマシンです』とおっしゃる方がいるほど、日常的に質の高いコーヒーへのニーズが高まっているのを日々実感しています。海外においても、昨今はどんな小さなオーベルジュでも、コーヒーマシンが導入されていますよね。インバウンドのゲストや、海外旅行を楽しまれているお客さまからお話をうかがうと、生活習慣の一部として、コーヒーは欠かせない存在になってきていることを感じます」。


英語と日本語で書かれた使用方法の説明書。客室に用意している3 種のカプセルの、味と香りに関する説明も


コーヒーとエスプレッソを、それぞれボタンワンタッチで淹れることができる。


香りを閉じ込める、口当たりなめらかなクレマもおいしさの理由

バリスタの淹れたてクオリティが
セルフサービスで味わえる時代へ
 
 現在、「竹取亭円山」が集客のメインターゲットとしているのは、やはりインバウンドだ。「だからこそ、そのニーズに合わせて、さらなる進化を遂げる必要があります」と藤田さん。目下目標としているのは、旅館全室への「NESPRESSO」の導入。マシンの費用もカプセルコーヒーのランニングコストも決して安くはないが、サービスとして提供することで、客室、ひいては旅館全体としての付加価値を高める狙いだ。また最近、有馬温泉のほかの旅館も研究を始め、コーヒーマシンを取り入れようという話も聞こえてきているとか。カフェでゆったりと嗜む、淹れたての至福の一杯のおいしさを、例え小さな温泉旅館にいてもセルフサービスで味わえる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれない。 

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