日本政府観光局(JNTO)が6月20日に発表した2016年6月の訪日外国人客数は、前年同月比23.9%増の198万5700人。さらに1-6月累計では1171万3800人で、前年同月比28.2%増となり、初めて半年で1000万人を超え、過去最高となった。
同局は、夏休みシーズンの開始と継続的な訪日旅行プロモーションの展開、クルーズ船の大幅な寄港増加などが、引き続き訪日外客数の増加要因となったとしている。
このほか、「平成28年(2016年)熊本地震」の影響により、5月の訪日者数が前年同月比4.2%減となった韓国について、6月は前年同月比38.1%増の34万7400人と大きくプラスに転じた。その要因としてJNTOは、前年6月の中東呼吸器症候群(MERS)により鈍化した需要の反動増に加え、地震後運休していた九州便の再開、旅行会社等によるセールやこれと連動した訪日旅行プロモーションの実施が奏功したためとしている。
2016年6月の状況と前年比推移は以下のとおり。
訪日外国人数(実数) 単位:千人 (編集部作成)
訪日外国人数前年比伸び率 (編集部作成)
市場別では、台湾、香港、米国が単月として過去最高を記録したほか、英国、ロシアを除く15市場が6月として過去最高を記録した。なかでも中国は4月から3か月連続で50万人台を超えるなど好調。また、上半期の訪日外客数が過去最高を記録した市場は、ロシアを除く19市場となった。
各市場別の数値は以下のとおり。
出典:日本政府観光局(JNTO)
訪日外客数のシェアの比較 2015年/2016年
JNTOは2016年7月について次のように述べている。
「一般に7月は、年間を通じて最も訪日外客数が多い月である。テロの発生や英国のEU離脱問題等、国際的な政情不安や円高傾向が長期化すれば消費者の旅行動向に及ぼす影響が心配されるものの、東アジアから多数のクルーズ船の寄港が予定されているほか、マレーシアやインドネシアではラマダン明けの旅行シーズンを迎えることから、訪日外客数の動向に対してプラス要因となることを期待。
なお、訪日旅行市場における熊本地震の影響については、一部市場では未だ影響が見られることから、引き続き注視していく」。
日本政府観光局(JNTO)
http://www.jnto.go.jp/jpn/