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新年号スペシャルインタビュー 禅僧・宗教学博士 松原正樹師

相手を慮るその気持ちが すべての言動をたおやかにする ホスピタリティーとは「一期一会」の概念

【週刊ホテルレストラン2017年01月20日号】
2017年01月20日(金)
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小誌主催「全国ホテルマネジメントセミナー」において2017 年より、一部会場にて公益財団法人 仏教伝道協会共催による、仏教の心からホスピタリティーの真髄を考えるコンテンツ企画を予定している。そこで、アメリカのコーネル大学で学び、その後は仏教について教鞭をとる禅僧・宗教学博士の松原正樹師に、サービス業に欠かせないホスピタリティー、おもてなしのとらえ方について、仏教の観点からうかがった。松原正樹師は、マインドフルネスとしてアメリカの人々に受け入れられ始めた瞑想を用いた、従業員向けの企業プログラムの構築にも積極的に協力している。

世界に通ずる東洋の考え方
 
□アメリカを拠点に仏教の布教活動をされているそうですが、具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。
 
 基本的にはニューヨーク州のコーネル大学、ブラウン大学を中心に仏教の教鞭をとっています。また、企業ベースでは、グーグルやヴァージン・アメリカなどで従業員向けのコースを担当させていただいています。「サーチ・インサイド・ユアセルフ・リーダーシップ・プログラム」というもので、アメリカでマインドフルネスと呼ばれる瞑想を教えている先生がいるのですが、その中で私は坐禅の手ほどきをしています。坐禅や瞑想と聞くと、座った姿勢で静かに行なうイメージしかないと思うのですが、動の中の瞑想も必要で、仕事や家事をしながら行なう形もあるのです。
 
 チャディー・メン・タン氏というグーグルのエンジニアが従業員の集中力の向上、ストレスの解消、チームワークの改善などを実現するために仏教の瞑想を採り入れたことをきっかけに、アメリカでマインドフルネスの流行が始まりました。基本的には心を落ち着かせて集中力を高め、常に瞬間を大切にしていこうとするものです。周りの人たちとの共感を大事にすることで、チームワークの意識向上につなげます。
 
□アジアや日本の考え方の素晴らしさをアメリカ人に伝える意味でも、有益な活動だと思います。
 
 インドで生まれた仏教が、中国、チベット、朝鮮半島を経由して日本に伝来してきましたが、ここ半世紀の時間をかけて今度は欧米に渡ったということだと思います。
 
 そもそも日本の禅とアメリカの「ZEN」が異なるものになるのは当然です。私たち日本人から見たアメリカの仏教は、インドの人が「中国に渡った仏教は仏教ではない」、中国の人たちが「日本に渡った仏教は仏教ではない」と言っているようなものです。ガウタマ・シッダールタが開いた仏教という大きな傘のもとでは、すべて同じ仏教なのだと思います。その上で、アメリカの精神性と文化という独自のものと融合しながら、その土地に合った新しいアメリカ仏教ができ上がっていくのだと思います。
 
 もう一つ私が感じているのは、マインドフルネスという形で瞑想がアメリカから日本へ逆輸入されているということです。アジアで生まれた伝統文化の瞑想が、アメリカに渡ってマインドフルネスとして流行し、今度はそれが日本に帰ってきています。この現象を日本側がどう受け止めるのか、興味深いところです。
 
 日本で「坐禅会」を開いても、100 人単位で人を集めるのはとても難しいことです。ところが「グーグルで始まったマインドフルネス」と銘打って開催すると、女性を中心に若い人たちが300 人ほど集まったりします。うたい文句によってこれほどの差が出ることについて、少し考えてみるべきではないでしょうか。

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