(c) Hotel Ritz Paris
フランスの最高級ブランドであるシャネル(CHANEL)は、新たにリノベートするリッツ パリ(Ritz Paris)に同ブランド初のスパを開業する。スキンケア業界への参入を加速させる流れとなった(編集注:12月末にリッツ パリの改装終了予定、合わせてスパもオープンする見込み)。
リッツ パリは2012年に大規模改装の為に営業を停止しており、今年末に改装を終える予定となっている。当ホテルはパリの1区に位置しヴァンドーム広場を見渡す事ができる。
ブランドの創業者でもあり名前の元となったガブリエル・“ココ”・シャネルは(Gabrielle “Coco” Chanel)、ホテルの熱狂的なファンであり、当時よりパートナーシップを結んできた。
「シャネル初のスパがリッツ パリという象徴的なラグジュアリーホテル内に出来たということは、ラグジュアリーで革新的な経験を求めるゲストにとって、他では味わうことの出来ない経験をしていただくことができます。」Luxe Social Mediaの創設者であり社長でもあるTiffany Dowd氏は語る。「ココ・シャネルはリッツ パリに30年以上も住んでいました。そのことがホテルの伝説にも繋がっているのです。」
「シャネル最初のスパを経験したいと考えるゲストにとって、このスパは非常に大きな注目を浴びる事になるでしょう」そう彼女は語る。
Dowd氏はシャネルやリッツ パリの関係者ではないが、業界のエキスパートとしてこのように語ってくれた。シャネルやリッツ パリではこのように直接的にコメントすることはできなかったであろう。
第二の家
30年以上に渡り、シャネル氏はリッツ パリをホームと呼んでいました。実際に、彼女は71年に亡くなるまで、スイートルームに滞在を続けていました。
1670ft²(約155㎡)の客室は、シャネル氏の死後「ココ・シャネル・スイート」と名付けらた。2つのベッドルームとリビングルームからなる客室も、大規模改装の一環として新しくなる。
「ココ・シャネル・スイートのオープン無しには、シャネルとリッツ パリの提携を語ることは出来ないでしょう」とシャネル広報は語る。
彼女の死後、リッツ パリは彼女の部屋を出来る限り維持しようと努めてきました。部屋には彼女がデザイナーに制作させた家具が運び込まれ、独特の空気を形作っていました。特徴的な物としては、ベージュのスエードの長椅子や、漆塗りのコロマンデル屏風などがある。
シャネルは今後もリッツ パリと協力して、スパを通じてスキンケア業界に参入していく事となるだろう。「シャネル オ リッツ パリ(Chanel au Ritz Paris)」と名付けられたこのスパは、ホテルのリノベーション完了に合わせてオープンする予定となっている。美を追求するゲストやファンに最高のサービスを提供することとなるだろう。
シャネルのスキンケア商品を使うことにより、シャネル オ リッツ パリではゲストに特別な経験をしてもらう事ができる。またシャネルにとってこのスパは、実験的な側面も持っている。シャネルのフレグランスをもっと知りたい、シャネルのスキンケア商品を試してみたいという人にとって、購入せずに試すことができる。
シャネルはデジタル戦略を通じてスキンケア商品を広報してきたが、コスメやフレグランス程認知はされていない。このスパは熱狂的なファンにシャネルの新たな一面を見せるだろう。
リッツ パリにとっても、シャネル初のスパが噂になることで、確実に予約客の増加につながる事となるだろう。ウーマン・ウェア・デイリー(Women’s Wear Daily)は、「スパではキルト生地のタオルを使用。トリートメントテーブルにはシャネルのバッグに用いられている羊革を使用しているのではないか。」と報じている。
今年暮れに完了する今回のリノベーションは、リッツ パリの117年の歴史において最大の物となる。客室、スイートルーム、レストラン、バー、レジャー施設、庭園など全館の改装に加え、シャネル オ リッツ パリを新設する。また、リッツエスコフィエ(Ritz Escoffier)料理学校も開催する予定だ。
2つの役割
ホテルの洗練されたラグジュアリーな空間で癒しを求めるゲストにとって、スパは非常に魅力的な施設となる。
例を挙げると、パークハイアットパリにあるル・スパ(Le Spa)では、ラ・メール(La Mer)の商品を使う事で、非常に大きな効果をあげている。
ラ・メールのスキンケア商品を使用し、商品に触れてもらう事により、スパ利用者に商品の認知をしてもらう事につながる。多くのゲストが滞在中に何度もスパを利用するため、その間に商品を深く知ることができるので、ゲストが再び予約するというケースが多くあるのだ。
今後リテールスペースにおいて、スパは大きな注目を浴びる事となるだろう。
例えばイギリスのデパートのフォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)では、顧客の疲労回復や休憩の為、ホテル2階にスパを併設した。
バンフォード・ヘイバーン・スパ(Bamford Haybarn spa)では、ロンドンの騒がしい通りの中で静かで安らかな時間を過ごす事ができる。フォートナム・アンド・メイソンでは、買い物の最後に癒しと美を提供する。この様なユニークな空間を販売スペースの中に作ることは、旧態然とした広告を打つよりも遥かに効果的であろう。
シャネルにとっても、シャネル オ リッツ パリが広まる事で、商品の紹介と販促につながります。「トリートメントに満足し商品を買って頂く事で、新たなロイヤルカスタマーの獲得につながるのです。」とDowd氏は語ってくれた。
引用元
https://www.luxurydaily.com/chanel-strengthens-ties-to-hotel-ritz-paris-with-branded-spa/