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一般社団法人 全日本シティホテル連盟 GOTOトラベル実態調査

GoToキャンペーンとは何だったのか  宿泊主体型には恩恵少なし、キャンセル対応で続く現場の混乱

2021年01月18日(月)
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 一般社団法人 全日本シティホテル連盟(以下、JCHA)では、2020年12月且末に会員向けアンケート結果を発表した。2020年8~11月末までの「宿泊者数・宿泊人数」、「地域共通クーポン発券数」、「GoToキャンペーンの利用率」および「新型コロナウイルス(COVID-19)の発症者数」について調査をした結果、総会員数1025ホテル、総客室数18万6428室のうち回答率は21.85%(224施設)だった。

【実施方法】
対象者= 一般社団法人 全日本シティホテル連盟全会員
対象期間=2020年8~11月末
回収締め切り=12月中旬
回答方法=メールまたはFAX
回答率=21.85%

 回答数224施設、3万7592室による、2020年8~11月末までの販売室数は199万7915室で、宿泊人数は251万5853人だった。また「地域共通クーポン発券数」については80万4022枚、「GoToキャンペーンの利用率」は51.1%だった。同様に、「新型コロナウイルス(COVID-19)の発症者数」については、37.5度以上の宿泊者は11名、発症者数は21名、宿泊時における発症判明率は0.0008%で、10万人当たり0.84人(1名に満たない)ということが分かったという。
 発症者への対応については以下通り(複数回答)。
「保健所に連絡し保健所が該当者と対応」が14件、「近隣病院に連絡しスタッフが対応」5件、「37.5度以上のお客さまには苦慮した」5件、「館内消毒を専門業者に依頼した」3件、「スタッフが感染した」3件、「スタッフ全員にPCR検査を実施した」2件、「擬陽性者を14日間隔離滞在対応した」2件。また5件が「回答時点では潜伏期間もあるので答えられない」とのことだった。
 また「「GoToトラベル」などのキャンペーンについては、当然ながらこの業界への救済措置でもあり“キャンペーン自体は大変ありがたい”とした上で、全国からさまざまな意見が寄せられた。各エリアによってその反応の違いが見受けらたので、参考までにエリアごとの声を抜粋する。なおアンケート締め切り(昨年12月月中旬)までに寄せられた意見。全文はJCHAが保管。
 

<北海道支部>
「お客さまやホテルにとってGoToは活況となるキャンペーンだが、変更や延期など現場へのしわ寄せが多く、結果、お客さまにもご迷惑をおかけしてしまったことから、止めた方がよいと感じた」
「地域共通クーポンの業務で現場の月末は混乱している。仕組みの改善を」
 
<東北支部>
「GoToのクーポン枚数はカウントできても実質件数(GoTo利用数)は不透明」
「キャンペーン事務局は24時間体制にしてほしい」
「感染の危機にさらされている接客業務は、スタッフが怖がっている」
 
<関東支部>
「東京が対象に加わった以降は高稼働になった。感染防止を徹底した上、この施策はしばらく続けて欲しい」
「地域共通クーポンの業務が煩雑な割にはホテルにはメリットがないので。このクーポン処理だけは無くしてほしい」
「方針発表の前に、受けるわれわれに課せられるシステム構築などの準備期間を勘案してほしかった」
「GoToのルールが不明慮で、事務局に問い合わせても解決しない。見直した方がよい」
「GoToうんぬんより、日本人を含め海外からの入国規制をしっかりしてほしい」
「医療従事者が大変なことは理解しているが、われわれは感染者かわからない人に接客をするというストレスと不安に日々さらされている。加えてキャンペーン利用のモンスターカスターが増えている」
「クーポン類を紙ではなくすべて電子化して業務を効率よく進められれば」
「GoToで人の動きが活発になり感染が拡大したのは明白。一時停止は妥当だが、再始動のタイミングも慎重に時間をかけた方がよい」
 
<甲信越支部>
「仕方ないと思うが制度や対象範囲に関する変更が多い」
「一部地域除外など意味がない。そもそもGoToより全国の医療体制を強化するべき」
 
<中部支部>
「人の流れ=感染拡大というのであれば、観光地だけ爆発的に感染者が増えることになるのではと思う。GoToや旅行自体がやり玉に挙がっていますが、旅行者は同行者以外の飲食を伴う会食は皆無であり、誰が見ても明らかな根拠を示した上で、賛否の議論をするべき」
「ホテルがクラスターになったということは極めて少ない。GoTo利用者によりホテルの存続がかかっていることを思えば、旅のエチケットとして衛生対策を守りながら宿泊の機会を促進することはできないものか」
 
<近畿支部>
「受け入れるホテルは万全の対策で対応しているので、体調がすぐれない方は利用しないでいただきたい」
「GoToは制度自体を見直し継続的に行なっていただきたい」
「感染拡大の要因とされてしまったキャンペーンだが、宿泊業界の経済活動には欠かせないことから継続を期待する」
「高価格帯の割引率を減らし、宿泊主体型ホテルに人が流れるように要改定」
「AGODA以外はアプリ管理なので、GoTo関連のクーポン枚数や件数をすべて把握しきれていない。管理番号をホテル側が見られないので実態が見えない」
「感染対策をしている施設にはGoToの継続もしくは、キャンセル料の全額補助をしてほしい」
 
<九州支部>
「業界に対して手厚い施策ではあるが、地域クーポンの申請・作成などホテル側の負担業務が多すぎて混乱。いざ事務局に問い合わせても解決までに時間がかかり、結果お客さまにご迷惑をおかけすること(クレーム多発)になった」
「GoToキャンペーン自体は有り難いことだが、クーポン類の配布(旅行代理店・OTA)量の割にその処理をする宿泊業は24時間体制で問い合わせ対応している不平等を感じる」

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