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2023年11月17日号 トップインタビュー 名古屋マリオットアソシアホテル 常務執行役員 総支配人 大本 茂 氏

トップインタビュー 名古屋マリオットアソシアホテル 常務執行役員 総支配人 大本 茂 氏

【月刊HOTERES 2023年11月号】
2023年11月16日(木)
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----この度は開業以来初となるスイートルームのリノベーションに際し、約10億円を投じたとのことですが、その見立てについてお聞かせください。

 この度のリノベーションは、昨年創設された「愛知県宿泊事業者高付加価値化促進事業費補助金」を活用して実施しました。2022年にジブリパークが開業し、26年は名古屋でのアジア競技大会も開催予定で、今後さらなるインバウンドの増加や国内交流の拡大が見込まれることに加え、栄地区で予定されている複数のラグジュアリーホテルの進出もあり、さらに競争が激化することが予想されます。
 
 商品価値の向上および他社との差別化を図りながら、名古屋地区全体でハイレベルな国際会議や海外富裕層の“誘致”を強化していくためにも必要な決断だったと思います。今年 3月末には、政府からも新しい観光立国推進基本計画が示されていることから、まさに良きタイミングだったと思います。
 
 リノベーションのテーマは「NEO HERITAGE(ネオ・ヘリテージ)」。ヘリテージとは、「伝統、継承物、未来へ残すべきもの」を意味しますが、これは、開業時より培ってきた『ヨーロピアンエレガンス』の普遍的なデザインを継承しつつ、新たなデザインスタイルとの融合・機能性の刷新をベースとしました。家具や調度品については、「古き良きもの」を継承するため、補修・張地交換により再生したり新しいデザインへと変換しました。
 
 48~49階の 40m2の一般客室 8室を、2室または 3室に統合し約80m2・130m2の 1室にするなど、1室あたり広くすることで高付加価値化を担うリノベーションを行ない、計 18室の新たなスイートルームに改装することができました。部屋ごとに異なるデザインコンセプトを設けて、滞在するたびにまるで違うホテルに泊まっているような空間、選べる楽しさ、さまざまな体験をしていただくことでリピート率も向上できればと期待しています。
 
 新たなスイートルームでは、英・Brintons製のカーペットを採用。毛足が長くてもへたりが少ないトップブランドで、中でも「アキスミンスター」種は複雑な柄が美しく映える特徴的な商品です。食器類は地元メーカーの「ノリタケ」、急須と湯飲みは愛知県知多半島の常滑焼を、上位スイートルームのナイティとアメニティ用の巾着袋には、三河木綿を採用しています。
 
また、地元ということでいえば、ジャパニーズスタイルの「那古野スイート」には、名古屋市の木「クスノキ」や尾張七宝焼きのアートワークなども用いています。バスアメニティは女性スタッフの意見を参考に選定した、日本のホテル初となる「ラブソルー」(伊)社のパルファムホテルシリーズ。ほか東海地区ホテル初の「アクアディパルマ」(伊)と「ミラーハリス」(英)を導入しました。
 
今回のリノベーションは、コロナ前から計画していたのですが、改装を実施し、改めて注力すべきは、さらなる高付加価値化にと目指すべき方向が定まったように感じます。 

 

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