トラベロッジ京都四条河原町 客室
世界1,000軒以上のホテルを展開するトラベロッジ。
日本でも着実に存在感を高めるトラベロッジ・ホテルズ・アジアにて日本事業を統括する井上絵梨氏に、ブランドの思想、国境を越えた組織づくり、そして2026年夏に控える大阪・心斎橋開業と採用への想いを聞いた。
井上絵梨(いのうえ・えり)氏
トラベロッジ・ホテルズ・アジア
最高執行責任者(日本)
大学卒業後、エアライン業界を経て2005年よりホテル業界へ。日本、中国、韓国、シンガポールなどで約12年間の海外勤務を経験。セールス&マーケティングを軸に、宿泊・予約・運営など幅広い領域を経験する。2021年以降は支配人として複数のホテル開業に携わり、2025年9月より現職。現在は日本における事業・運営全体を統括している。
トラベロッジ札幌すすきの ロビー
1939年に米国で誕生し、現在は世界1,000軒以上を展開するトラベロッジ。そのアジア展開を担うのが、トラベロッジ・ホテルズ・アジアだ。
シンガポールに本社を構え、日本を含むアジア各国でセレクトサービス型ミッドスケールホテルを展開している。
「トラベロッジが大切にしているのは、シンプルでありながら快適に過ごせることです。Comfort(快適性)、Convenience(利便性)、Connectivity(接続性)。この3つは、時代が変わってもブレることのないブランドの軸ですね」
そう語るのは、日本事業を統括する井上絵梨氏。
同社は現在、日本、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアなどで21軒のホテルを展開しており、日本市場においても着実に存在感を高めている。
日本初進出は2022年、大阪・本町。その後、札幌、名古屋、京都と出店を重ね、現在は国内5ホテルを運営。さらに2026年夏には、大阪・心斎橋での新規開業を予定している。
「心斎橋は、国内外の旅行者が集まる大阪を象徴するエリアです。大阪では2軒目のトラベロッジになりますが、日本におけるブランドの次のステージを示すホテルになると考えています」
トラベロッジの特徴は、立地や価格帯だけにとどまらない。
組織の在り方そのものが、アジアを横断する構造になっている点も大きな特徴だ。
「日本を拠点とするローカルチームと、アジア各国に拠点を置くセントラルチームが連携しながら運営しています。レベニューマネジメントはフィリピン、私は関東、セールスチームは関西。距離は離れていても、日常的に密なコミュニケーションを取っています」
ホテルのオペレーションチームも多国籍で、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集う。
異なる価値観が交差する環境の中で対話を重ねながら、一つのホテルをつくり上げていく。そのプロセス自体が、組織や個人の成長につながっているという。
井上氏自身のキャリアも、そうした国際的な環境と深く重なる。
エアライン業界を経て2005年にホテル業界へ。日本に加え、中国、韓国、シンガポールなどで約12年間勤務してきた。
「自分では“ホテルで働くホテル好き”だと思っています。セールス&マーケティングが軸ですが、フロントや予約業務など、現場に近い仕事も経験してきました。現場を知っているからこそ、事業や組織を考えるときの視点が養われたのだと思います」
2021年以降は支配人として複数のホテル開業に携わり、現場マネジメントの最前線を経験。
そして2025年9月、より広い視点でホテル事業に関わる立場としてトラベロッジに参画した。
「ホテル開業は、建物を完成させることがゴールではありません。人が集まり、チームが育ち、時間をかけて“ホテル”になっていく。そのプロセスこそが、最大の学びであり、成長の機会だと感じています」
2026年夏に開業予定の大阪・心斎橋のホテルも、まさにそのプロセスの途中にある。現在は採用をスタートし、新しいチームづくりが始まっている段階だ。
「ゼロからホテルを立ち上げる経験は、誰にとっても大きな財産になります。ブランドとしても、チームとしても、日本でさらに成長していきたい。その想いに共感してくださる方と、ぜひ一緒に働けたら嬉しいですね」
トラベロッジ本町大阪 コワーキングスペース
編集部コメント
フルサービスでも、バジェットでもない。
ミッドスケールという領域は、価格や効率だけで語られがちだが、トラベロッジの取り組みからは、「どんな体験を、どんなチームでつくるのか」という明確な思想が浮かび上がる。分散型でありながら有機的につながる組織、開業を“成長の場”と捉える姿勢、そして人材へのまなざし。日本市場での展開が進む今、トラベロッジは単なるホテルブランドを超え、「人が育つミッドスケール」という新しい価値を提示しようとしている。その次の一歩に、注目したい。
TEXT 編集部 武田雅樹




