ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • レポート 観光列車の新たな境地をひらく JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」
レポート 

観光列車の新たな境地をひらく JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」

【月刊HOTERES 2015年10月号】
2015年10月08日(木)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

JR 九州が「ななつ星 in 九州」に次ぐ観光列車として、今年8 月からスイーツトレイン「或る列車」の運行を開始した。車内では世界的な著名シェフ、成澤由浩氏がプロデュースする特製スイーツのコースが提供され、華やかな内外装とともに、優雅な鉄道の旅を楽しむことができる。
 
取材・本誌 土屋智子


大分コースの午後便は14 時 48分に日田駅を出発

100 年の時を超えてよみがえった
幻の豪華客車
 
JR 九州の観光列車は、1989 年「ゆふいんの森」の運行から始まった。2013年には豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」が登場し、一躍話題となり、国内の本格的なクルーズトレイン市場を切り開いた。「或る列車」はJR 九州では10 本目の観光列車として、「ななつ星 in 九州」に次ぐラグジュアリーな観光列車となる。
 
そのイメージの源泉は、1906(明治39)年にJR九州の前身、九州鉄道がアメリカのブリル社に発注して造らせた豪華客車。しかし、九州鉄道が国有化されたため、ほとんど営業運転されなかったことから、鉄道ファンから「或る列車」の通称で知られていた。今回新たに運行を始めた「或る列車」は、鉄道模型収集家として知られる故・原信太郎氏が残したその幻の客車の模型をもとに再現されたのだ。
 
2 両編成の列車(定員38 人)は、1号車が明るい色合いのメープル材を用いた4人席と2 人席を配置。2号車は落ち着いた濃色のウォールナット材に囲まれたコンパートメント(2 人個室)で仕切りには組子が用いられている。
 
設計・デザインは、「ななつ星 in 九州」を手掛けた水戸岡鋭治氏が担当し、1両当たり約3億円かけて旧型車両を改装。金と黒を基調に唐草模様をあしらった外装で、クラシカルな格天井や個室の仕切りに用いられた組子細工は、ななつ星と同様に九州の職人の技術を採用し、豪華さを演出している。
 
今年度の運行は大分駅と日田駅間を走る大分コースと長崎駅と佐世保駅間を走る長崎コースの二つで1 日1 往復。10月12 日までの大分コース、11 月1日から2016 年3月30 日までの長崎コースともにJR 九州の企画・実施分は残念ながら完売となっている。この他、大手旅行会社のツアー商品の長崎コースについては順次発表を行なう。
 
価格は基本プランで一人2 万円から。個室利用の場合は別途料金がかかる。極上の空間でいただく特注のスイーツと車窓からの自然を堪能する約2 時間20 分の旅の金額としては決して高くはないだろう。

2 号車はウォールナットの組子に囲まれたコンパートメントになる
明るいメープル材を使用した1号車には格天井や組子が施されている
月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2024年04月15日号
2024年04月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 2024年日本のホテルチェーングループ一覧〈前編〉
【TOP RUNNER】
リージェントホテル香港 マネージング・ダイレクター ミシェル…

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE