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2023年2月17日号 トップインタビュー クラブメッド 東・南アジア、太平洋地域 最高経営責任者 レイチェル・ハーディング氏 /クラブメッド 東北アジア代表取締役社長 マーク・ルトゥールノ氏

トップインタビュー クラブメッド 東・南アジア、太平洋地域 最高経営責任者 レイチェル・ハーディング氏 /クラブメッド 東北アジア代表取締役社長 マーク・ルトゥールノ氏

【月刊HOTERES 2023年02月号】
2023年02月16日(木)
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----ポストコロナにおける日本国内のゲスト動向をどのように予想していますか?

ルトゥールノ 私はコロナ禍の前と後では、集客はあまり変わりがないと考えています。外国人のお客さまも、すぐに日本に戻ってくるでしょう。実際にこの冬、キロロやトマム、サホロの北海道の各リゾートでは 70〜 80%が外国人で占められています。主には、オーストラリア、シンガポール、香港、台湾からのお客さまです。中国は今、海外旅行ができませんが、来年の冬には戻ってくると考えています。クラブメッドに限らず、北海道のインバウンドのお客様の 30%は中国人だったというデータもありますので、渡航規制季が緩まればコロナ禍前の市場シェアに戻るでしょう。

ハーディング 日本のビジネスは、私たちにとって非常に重要です。日本は、アジア圏のビジネスの約 30%のシェアだからです。日本の豊かな文化に魅力を感じている人も多いですね。日本は地域による特長や景観の多様性もあり、常に大変人気があります。

 インバウンドに対しては、日本の四季にも注目して戦略を立てています。雪のある冬は価値が高いですが、違う季節も楽しんでほしい。キロロでは春にもスキーができますし、夏にはハイキングやサイクリングなどマウンテンリゾートを満喫できるからです。

 特に日本のお客さまはシーズンを意識して訪れる方が、おそらく外国人のお客さまよりもずっと多いように感じます。冬のスキーはもちろん、都会の方は夏山も好まれるようです。また、外国人のお客さまはいろいろなリゾートを試される方が多いですが、日本人のお客さまはお気に入りのエリアやリゾートへ、リピーターとして戻ってきてくれると思っています。

----クラブメッドの今後のグローバル展開と展望を教えてください。

ハーディング コロナ禍前の 2019年と同じレベルで、今はさまざまなプロジェクトを加速させています。私たちは本当に早いペースで成長・拡大しています。一番力を注いでいるのが、新規リゾートの開発です。クラブメッドでは積極的に開発を進め、2024年末までに、アメリカや中国、マレーシアなどに、新規オープンは 17、リノベーションは 13を予定しています。

 開発には戦略的な柱が 2つあります。
 1つめはマウンテンリゾートです。1956年に初のマウンテンリゾートがスイスに誕生して以降、順調に運営され、数も増やしてきましたが、今は積極的にオープンを推し進めています。なぜならオールインクルーシブというコンセプトの強みが、より発揮できるラインだからです。

 2つめは「エクスクルーシブ・コレクション」というラインです。従来のオールインクルーシブのリゾートは主にファミリーや若いカップル向けでしたが、このラインはラグジュアリー層向けです。アップスケール戦略です。ケアをする G.Oの数が増え、ワンランク上のサービスを提供しています。スイスの山岳観光地で人気のシャレ―や、一棟貸しのヴィラなど、ハード面でも特別なリゾートを展開しています。

 12月にオープンしたフランスのヴァルディゼールなど、現在 10カ国以上に、エクスクルーシブコレクションラインのリゾートが 5つ、スペースが7つあります。2023年には前者は新規 1つ、リノベーション 1つ、後者は新規 4つ、リノベ―ション 1つを予定しています。
 このように、今後私たちはいろんな角度で多様化を目指しています。 

----日本国内での今後の戦略はいかがでしょうか。

ルトゥールノ 日本は可能性があると、私だけでなくクラブメッド全体が注目しています。なぜならコロナ禍前は 3200万人の外国人観光客を日本へ集客できたからです。実際に最近は海外のお客さまも増えています。北海道の雪質のよさから、日本への関心が高まっているからです。そして、そのうわさを聞いたお客さまがますます増えると思います。そんな冬山でのリゾートに、日本の文化体験をミックスすることは、外国人の旅行者にとって大変魅力的にうつるでしょう。

 さらに、日本人のお客さまも集客したいと考えています。北海道に訪れる外国人観光客に、日本人観光客を合わせると、北海道には 3000万人以上を集客できると見込んでいます。

 一方、日本の南部に目をむけると、ポテンシャルが高いビーチリゾートがたくさんあります。私たちの望む基準と期待はとても高いのですが、常に新しい可能性を見いだそうとしています。

 リゾートでは日中は屋外で楽しむお客さまが多いですが、帰ってきたら館内で過ごします。だから館内のデザイン性や施設にも労力を惜しみません。特にマウンテンリゾートでは、ゲレンデへすぐにアクセスできる「スキーイン・スキーアウト」の施設でなければならないと考えています。また、お客さまが期待する体験を提供できるように F&B、エンターテインメント、キッズクラブなどのサービスでも様々な工夫をしています。

----最後に、日本におけるスノーリゾート復活への挑戦を教えてください。

ルトゥールノ 数値だけ見ると、スノースポーツの人口は 20年前から年々減少しています。しかし、この傾向を覆せると強く信じています。というのも、スキーブームから約 20年たった今、スキーから遠ざかっていた人たちの中で、もう一度やってみようと考える人が増えているからです。子供ができて、スキーを通して家族の思い出を作りたいとも考えているようです。それが家族の毎年恒例行事になることを、私たちも願っています。

 アクティビティが込みのクラブメッドに来れば、スキーが簡単にできるので、久しぶりに挑戦される方もいらっしゃいます。さらに家族みんなでの時間も、個人の時間も楽しく過ごせます。子どもは他の子どもと一緒にキッズクラブでスキーレッスンを受けられ、親はスキーをするのもヨガをするのも静かに過ごすのも思いのまま。夕食時には家族との大切な時間を過ごせます。最近は祖父母を含めた 3世代家族の利用もどんどん増えています。年配の方はスキーをしなくても、スキーをする孫を見守る楽しみがあります。

 日本のお客さまが、マウンテンリゾートにもう一度恋に落ちて戻ってきてほしいと思います。ここ「クラブメッド・キロロピーク」を日本中に広めたいですし、「グランド」がさらに日本のスノーリゾート復活の大きな成功になることも確信しています。

 

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