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特別企画

2014 年度 主要 14 ホテル経営分析 PART1—収益性の分析 徹底解剖5回集中連載

2015年11月27日(金)
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当企画では、有価証券報告書を公表している日本のホテル企業から14 社の、2014 年度(2015 年3 月期など)の収益性、安全性、成長性、生産性、連結財務諸表の分析および減損会計の状況などから、5 週にわたって分析結果を掲載する。
※今回、カラカミ観光㈱が加わっている
 
PART1 収益性の分析
●分析/平尾進一
(ホテル会計システム研究所代表/公認会計士・税理士)
長谷川江利子
(事務所スタッフ)
 
 2014 年度の日本の株式市場は、10月末に日銀が追加の金融緩和を行ない、日経平均株価は約2 カ月で3500円もの急上昇を見せた。また、同時に円安も一気に加速し、14 年12 月には1ドル120 円台にまで円安が進んだ。そしてこの円安の影響やビザ発給要件の緩和などを受け、14 年の訪日外国人観光客は前年比29.4%増の1036 万4000 人で過去最高となった。さらに15 年は、1 月から7 月の累計で早くも1100 万人を突破している。しかし、15年6 月ごろからは中国株が暴落し、中国の景気後退の影響が世界的にも懸念されている。
 
表1 収益性の分析
 
 最重要の№ 1 の比率と次に重要な売上高経常利益率(以下№ 2 の比率という)の加重平均は、分析開始の1967年以来では、ともに89 年度のそれぞれ6.5%と10.3%が最高であった。今回2014 年度は3.2%と7.6%となり、3年連続で回復している。これら二つの比率はピークの89 年度の数字と比べて、ようやく半分超の水準になった。
 
JAL ホテルズ、収益性1
 
 ㈱JAL ホテルズは、№ 1 の比率12.9%、№ 2 の比率16.6%、№ 4 の比率2.24 回、№ 9 の比率1.6%、№ 10の比率0%ですべて1 位。№ 5 の比率は2 位、№ 3 の比率は3 位となっており、2013 年度に続き14 年度も収益性1 位となった。同社は05 年度~ 06 年度に川崎日航ホテル、ホテル日航成田など主要ホテルの土地建物を売却し、05年度末に120 億円あった有形固定資産は、14 年度末には17 億8546 万円となっている。そのため、売上高に対して固定資産が極めて少額であり、№ 4と№ 9 の比率が1位となっている。また、借入金がないため№ 10 の比率は0%で帝国ホテルと並んで1 位であり、極めて運営効率が良いと言える。同社がホテルの土地建物を所有していない企業であることを特殊要因として割り引いても、№ 1 と№ 2 の比率は突出して1 位であり、その他の比率の多くも良好であるため、今回も1 位という結果となった。12 年度同社は、掲載30 年超で
初の1 位へと昇格し、以降今回で3 年連続の1 位を獲得している。
 
収益性2 位に帝国ホテル
 
 ㈱帝国ホテルは今回、№ 1 の比率が5.9%で2 位、№ 2 の比率が7.6%で4位、№ 3 と№ 4 の比率はそれぞれ0.78回と1.64 回でともに2 位であった。また、№ 11 の比率は20.0%で3 位、税引前当期純利益40 億7300 万円は14社中3 位と好成績であり、総合で収益性2 位という評価となった。同社は約20 年間無借金経営を続けているため№ 10 の比率が0%で1 位、さらに、28 年超連続して経常利益を計上している。同社は徹底したサービスや、約120 年の歴史による外国人客の獲得力などにより、2008 年度まで14 年間連続で収益性1 位を獲得していた。しかし、異常な円高による外国人客の減少などにより、09 年度に宿泊売り上げが12%減少したことなどで収益が下がった。今回は円安による外国人客の増加やインターネットによる販売施策などにより7.2%の経常増益となり、12 年度より3 年連続の収益性2 位となった。
 
3 位は、リゾートトラスト
 
 リゾートトラスト㈱は、№ 1 の比率が4.7%で4 位、№ 2 の比率が16.1%で2 位、№ 5 の比率が3 位、№ 6 の比率が4 位。さらに、経常利益額152 億5700 万円と№ 12 の金額155 億500万円はともに14 社中1 位である。これらは2 位の㈱ホテルオークラに約3 倍もの差をつけており、2014 年度収益性は14 社中前回と同じ3 位となった。
 
 同社は2009 年度には掲載3 回目で初の収益性1 位となり、以降3 年連続で1 位を獲得していた。今回も35.3%の経常増益で過去最高益を更新しており大変素晴らしい。ただ、㈱JAL ホテルズと㈱帝国ホテルの№ 3 と№ 4 の比率がリゾートトラストのそれらよりかなり良いため、同社は収益性3 位となったが、前2 社との差はほとんどなく3 社並んで1 位とも考えられる。
 
 今回は2014 年10 月に取得した米国ハワイ州の高級リゾート「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の取得関連費用がかかったほか、未開業の「エクシブ鳥羽別邸」や「エクシブ湯河原離宮」のホテル会員権収益の一部が開業まで繰り延べられる一方、メディカル事業の拡大によりハイメディック会員やシニアレジデンスの入居者が増加したこと、営業外収益で為替差益を計上したことなどにより、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益とも過去最高となった。

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